ショウカンビト

十八谷 瑠南

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ウォーキンシティの街並み

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前にも述べたようにウォーキンシティは、この世界で一番の大都市だ。
そんな大都市の中心部はだた見ているだけで楽しい。
たくさんの高層ビル。そんな中にもいくつかまだ残っているトロな建物。
古い街並みと新しい街並みが交錯している。
この街のどこを撮っても、おしゃれな写真になるので、観光客は皆、手にカメラを持ったままこの街をうろついている。
もちろん街並みだけがおしゃれなのではない。
ファッションも世界で一番どこよりも早いトレンドを取り入れている。
と、いうよりもウォーキンシティからいつも最新のファッションを発信しているのだ。
そして、何よりも食。
最高級のレストランから、チープなファーストフードまで。
国を問わず、様々な味が楽しめるのは、世界でもこのウォーキンシティだけだ。
そんな街を颯爽と歩く人々は、自信に満ちた顔をしている。
そしてリリィたちもそれは同じだった。
街の中心部はさらにたくさんの人々が行き交っていた。
「休みの日は、やっぱりすごいわ」
「みんなも暇なのね」
リリィとナナは、たくさんの人々の中を進みながら、いい店がないか街を見渡していた。
「ナナ、いいお店あったら教えてよ。今日は特別にあなたの好きなお店にしてあげるから」
「じゃあ」
ナナは少し街を見回したあと、あるお店を指さした。
「あの店がいい」
ナナの指がさした店は、なんとダミアンの店だった。
(え、また?まあ、いっか)
「ダミアンの店ね。わかったわ」
お店に入り、扉を閉めると、外の喧騒が嘘のようにぴたっと止まり、クラシック音楽が心地よくふたりの耳に入ってきた。
「こんにちは。あれ?リリィ休みの日なのに来てくれたの?」
「こんにちは。ダミアン。この子がここに行きたいって言うから」
「おや?その子は妹かい?」
「違うわよ。全然似てないでしょ?」
「久しぶり。ダミアン」
ナナがそう言ったので、リリィはナナを思わず二度見してしまった。
(久しぶり?)
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