とりのこ されたしま

ちゃっぺ

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1章

人間観察、ヴァルト

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引率を兼ねたベテラン開拓者の名はヴァルト。彼には既に話を通していると告げられた。

「あの人です」

フローラの指差す方向に視線を移すと、それほど遠くない所に一人の男が。
壁に背を預けている男はこちらに気づいた様子はない。

「恐らく新人の二人も近くにいると思います」

彼に声を掛ければ必然と、新人たちも紹介する流れなのだろう。

アゥストゥの三人もヴァルトという男と面識があるようでしきりに褒めていた。

特にラスは、過剰に思えるくらいに褒め称える。

「まじめ、しごとはやい、しごときっちり!」

鼻息も荒く訴えるのは、余程信頼を寄せているからだ。それに見合う実力の持ち主だと信用できそうだ。

アゥストゥたちと別れ、アルフォンソと二人で件の開拓者の元へと向かう。

相変わらず受付嬢からは熱烈な視線を飛ばされているが、甥は何も感じているようには見えなかった。

「ヴァルトさん……ですか?」

「そうだが」

アルフォンソが話しかけると、彼は特に怪訝な表情も浮かべることなく返した。

「夜間の護衛と案内を依頼した者です」

「ああ、レティたちとの任務だな」

すんなり理解を示してくれた。

新人二人は、今は別の依頼をこなした報告に行っているそうでまもなくやって来るという。
それまでに窓口からの紹介内容とのすり合わせを希望された。

「それについては……」

アルフォンソとヴァルトの二人が話し出す。

それこそ、自分は彼らの話し合いが終わるまで口出しはしなくても良さそうだ。最終報告を受ければ事足りそうである。

手持ち無沙汰なので不躾にならない程度に、ヴァルトを観察する。

ヴァルトという男は、傍目からは比較的若そうに見受けられた。ベテランの域に達しているのかは素人からは分からない。
薄い色素を持っている点はアルフォンソと通ずるものの、寒色系の色彩から冷たい印象を受けた。
話し振りは至って真面目。確かにラスの言う通りの人と成りなのかもしれない。

町外への夜間外出については、こちらの都合にも依るが今夜にでも可能とのこと。
アルフォンソが一度役所からの連絡が来ていないか確認次第返答すると答えた。

思ったよりもスムーズに依頼は進みそうだ。

後は、肝心の新人たちがどう出るか。
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