記憶喪失の少年と謎の少女の物語

月見団子

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プロローグ

謎の声と謎の少女

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「…お前のせいだ。」
「お前のせいであいつは死んだんだ。」
「そんなお前がなぜノコノコと生きてるんだ。」
「生きてる意味なんて無いんだよ。」
「殺してやる…ころしてやる…コロシテヤル……。」
…………………。
………………。
……………。
…………。
………。
「ッ!」
夢か……。
なんで…なんでこんな夢を見るんだよ……。
俺は…何もしてない…何もしてないのに……。
助けてよ……誰か…たすけ…て……。
_お前に助けを求める権利なんて無いんだよ_
誰なんだよ…お前は誰なんだよ。
意識がはっきりしないまま時計を見る。
【2:45】と示した俺の部屋のデジタル時計は俺が起きた時間がまだ深夜だと言うことを示していた。
汗がすごいな…夜遅いがシャワーでも浴びるか。
ものすごく痛い頭を抑えながら俺はシャワー室へと向かう。
お湯にするのも面倒くさく感じたので水のまんま頭からかぶる。
冷たい。けど、今の俺にとってはこの冷たさが心地よく感じた。
数分間かぶっていたのだが流石に風邪を引きそうなので脱衣所に向かう。
体を拭いて服を着て…。
また寝室に行って寝ようかとも考えたがあの夢を1日に何回も見るのは勘弁なのでコーヒーメーカーに水を入れてからリビングに向かった。
コーヒーが出来るのが10分位なのだが、特に何をする気も起きなかったので両耳にイヤホンをつけて音楽を聞く。
音楽は良い。聞いてる間は嫌な事を忘れられるから。
まだ夜明け前…と言うより深夜。
電気もつけずに外からの微かな光だけが部屋を照らしている。
その中で音楽を聞く男が一人。
記憶がなくなる前の俺はきっと音楽が好きだったのだろう。
音楽を聞いて安心したのか少し目を瞑る。
そこに映し出されるのはどこかの公園。
少女が一人踊っている。
微かに草の香りが鼻を撫でてる気がした。
聞いているのはとてもゆっくりなリズムの音楽。
正式な歌詞はなく、誰が、いつ作ったのかもわからない曲。題名すらも無い。
知る人ぞ知る名曲と言う奴なのだろう。
その音に合わせるように踊る少女。
とても平和な日常のひとコマ。
それでいて少し悲しげな映像。
名も知らぬ少女は俺に対して微笑みながら踊り続ける。 
夢を見ているのか…ただの妄想なのか。それは分からない。ただ、俺に分かるのはその子は俺のことを知っていると言う事。俺にとってそれはとても居心地の良い場所である事。そしてもう一つ……。
俺は目を開ける。
日が上り始めてる。寝てしまったのだろうか。
俺は目から流れていた涙を拭くと、コーヒーを淹れてることを思い出し、コーヒーの溜まっているデカンタからコップに入れる。
案の定冷めてしまっていたが、不味くはなかった。
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