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第肆章〘天照達の目的:完無爲〙
第七話《完無組合:完無爲_速慈》
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最初に攻撃を仕掛けてきたのは速慈だった。
「せいぜい苦しんで死んでくださいね」
『誰かと思えばあの時のサイコパス野郎じゃあないか。…だが、悪いけど今の僕らには効かないよ。』
ただ、こいつもただの能力者じゃないみたいだな。
速さだけは音速すらも凌駕する。が、単純な動きだ。
気をつければ避けれる。
…右、左、上、右上……。
スキが生まれるまでは回避に徹底する。
偶に攻撃を入れるが基本は回避。
…瑠奏は、預命の相手をしてくれている。
完無爲はと言うと…楽しそうに混戦を傍観している。
嗚呼。これは楽しみだ。
「余所見をしてると痛い目見るぞ?」
と、速慈が親切に警告をしながら右パンチを顔面に近づけてくる。
『それはどうかな?』
僕は1歩下がり、右手を握って固め、正面から受け止める。
丁度拳と拳が正面からぶつかりあった為、物凄い衝撃波が生まれる。
ジェット機並みの亜音速パンチと韋駄天も認める光速のパンチが当たったともなれば尚の事である。
普通ならば骨が折れる…だけじゃ済まないが、能力者戦においてはその心配はない。
万が一にも骨が折れたとて数分あれば治るのだから。
それよりも問題なのは相手の攻撃速度の速さである。
幹部でこれだけ速いのであればリーダーはこの数段上なのだろう。
その上、0を作り出すという遠距離戦と来た。基本近距離戦の僕からすれば厄介極まりない。
「こんなに楽しい戦闘は初めてです。」
ふと、速慈が呟く。
『喜んでもらえて光栄だよッ!』
「こんな戦闘が永遠に続いたらどれだけ幸せかと思います。
…でも、戦闘である以上…勝負である以上、どちらかは負けてどちらかが勝つ。そして、強制的に楽しい戦闘も終わってしまう。」
『そうだな。
…でも、だからこそ戦闘は楽しいんじゃないか。
永遠に続いたら苦痛でしかないよ。』
戦闘中にここまで喋る奴は初めてだな。
そして、こいつも重度の戦闘狂らしい。
『さてと…お前の言ってた勝負の時が、とうとう来たみたいだぜ?』
「どういうことです?」
『お前はボロボロ。対して僕はそこまでダメージを受けてない。』
「あぁ、そうですね。
きっと僕は負けてしまう。」
お、意外と素直な人かな?
「でも、不思議ですね…。
負けるってわかってるのに、貴方との戦いは楽しかったです。
僕は、この腐った世界に苦しめられてきました。
僕だけじゃない…家族も、友達も…。」
『じゃあ、その能力は…。』
「僕の受けた苦しみが限界を越したときに開花したんだと思います。」
『そうか…お前も。』
「おまえも…とは?」
『僕も、似たような境遇でね。
この世界に家族が苦しめ…殺されたんだ。
僕の持つ能力の一部はそれがきっかけで開花した。』
「ははは…本当に同じですね。
出会う立場がもう少し変わっていたら仲良くなってたかもしれませんね。少し、悲しくて悔しいです。」
その言葉を最後に僕らの間に人一人分の隙間が開く。
そして僕らは声を上げる。
『「…だから!」』
「『…最後は全力で拳をぶつけよう』ぶつけましょう」
僕は拳を固める。
両者の拳には紫色のオーラが纏われた。
そして、両者ともに目で合図を送り…
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
『おぉぉぉぉぁぁぁぁ"ぁ"ぁ"!!!!!』
そして、二人の拳はそれぞれの胸部へとあたり…。
「『がは…』」
両者、数m後ろに飛ばされ速慈は倒れ、僕も膝をついた。
数秒間それが続いた後に立ち上がった僕は速に近寄り、
『出来れば…仲良くしたかったよ…。速慈。』
と声を掛けた。
「せいぜい苦しんで死んでくださいね」
『誰かと思えばあの時のサイコパス野郎じゃあないか。…だが、悪いけど今の僕らには効かないよ。』
ただ、こいつもただの能力者じゃないみたいだな。
速さだけは音速すらも凌駕する。が、単純な動きだ。
気をつければ避けれる。
…右、左、上、右上……。
スキが生まれるまでは回避に徹底する。
偶に攻撃を入れるが基本は回避。
…瑠奏は、預命の相手をしてくれている。
完無爲はと言うと…楽しそうに混戦を傍観している。
嗚呼。これは楽しみだ。
「余所見をしてると痛い目見るぞ?」
と、速慈が親切に警告をしながら右パンチを顔面に近づけてくる。
『それはどうかな?』
僕は1歩下がり、右手を握って固め、正面から受け止める。
丁度拳と拳が正面からぶつかりあった為、物凄い衝撃波が生まれる。
ジェット機並みの亜音速パンチと韋駄天も認める光速のパンチが当たったともなれば尚の事である。
普通ならば骨が折れる…だけじゃ済まないが、能力者戦においてはその心配はない。
万が一にも骨が折れたとて数分あれば治るのだから。
それよりも問題なのは相手の攻撃速度の速さである。
幹部でこれだけ速いのであればリーダーはこの数段上なのだろう。
その上、0を作り出すという遠距離戦と来た。基本近距離戦の僕からすれば厄介極まりない。
「こんなに楽しい戦闘は初めてです。」
ふと、速慈が呟く。
『喜んでもらえて光栄だよッ!』
「こんな戦闘が永遠に続いたらどれだけ幸せかと思います。
…でも、戦闘である以上…勝負である以上、どちらかは負けてどちらかが勝つ。そして、強制的に楽しい戦闘も終わってしまう。」
『そうだな。
…でも、だからこそ戦闘は楽しいんじゃないか。
永遠に続いたら苦痛でしかないよ。』
戦闘中にここまで喋る奴は初めてだな。
そして、こいつも重度の戦闘狂らしい。
『さてと…お前の言ってた勝負の時が、とうとう来たみたいだぜ?』
「どういうことです?」
『お前はボロボロ。対して僕はそこまでダメージを受けてない。』
「あぁ、そうですね。
きっと僕は負けてしまう。」
お、意外と素直な人かな?
「でも、不思議ですね…。
負けるってわかってるのに、貴方との戦いは楽しかったです。
僕は、この腐った世界に苦しめられてきました。
僕だけじゃない…家族も、友達も…。」
『じゃあ、その能力は…。』
「僕の受けた苦しみが限界を越したときに開花したんだと思います。」
『そうか…お前も。』
「おまえも…とは?」
『僕も、似たような境遇でね。
この世界に家族が苦しめ…殺されたんだ。
僕の持つ能力の一部はそれがきっかけで開花した。』
「ははは…本当に同じですね。
出会う立場がもう少し変わっていたら仲良くなってたかもしれませんね。少し、悲しくて悔しいです。」
その言葉を最後に僕らの間に人一人分の隙間が開く。
そして僕らは声を上げる。
『「…だから!」』
「『…最後は全力で拳をぶつけよう』ぶつけましょう」
僕は拳を固める。
両者の拳には紫色のオーラが纏われた。
そして、両者ともに目で合図を送り…
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
『おぉぉぉぉぁぁぁぁ"ぁ"ぁ"!!!!!』
そして、二人の拳はそれぞれの胸部へとあたり…。
「『がは…』」
両者、数m後ろに飛ばされ速慈は倒れ、僕も膝をついた。
数秒間それが続いた後に立ち上がった僕は速に近寄り、
『出来れば…仲良くしたかったよ…。速慈。』
と声を掛けた。
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