S.M.A.R.F.が虹色に染まる時

月見団子

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第肆章〘天照達の目的:完無爲〙

第十一話《完無組合:完無爲③》

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「そうかそうか…ならば都合が良い。
力加減を間違えたままお前を殺せるならば自分の自分に対する罪悪感は残らないからな。」
『はっ…最低だな、お前。』
まぁ、そもそもとして、殺されるつもりもないんだけどな。
「さてと、始めるかな。
…_完全消失理論オールデリートロジック_!!」
『は…こんなのチートだろ…。』
完無爲がそう叫ぶと、龍の形をした何かが現れた。
その龍はヒェンスにめり込んでる完無爲を助け出すとそのまま僕の方に飛んでくる。
「さぁ、そのまま無になるが良い!」
『はっ…無になんかなってたまるかよ。』
そう吐き捨てて避ける。
…が、体が重たすぎる。
『(天照!残り時間は?)』
〈(30秒も無いよ!)〉
30秒て…。
「動きが重たいんじゃかいか?
疲れてきたのかな?」
『何を言うか。
まだまだ余裕だよ。』
だが、相手に悟られてはいけない。
「そうか。
なら、もう数段ギアを上げるぞ?」
『構わないさ。
こっちもギアを上げさせてもらうッ!!』
…ゲームによくある属性効果ってのも存在はするのだろうが、生憎とそれっぽい能力は持ち合わせてないし、無属性に聞く属性ってのもあんまし思いつかない。
その上、【不可能を可能にする能力】には、制限が掛かってる。速慈と預命の能力は鑑定中だから使えない。よって、使えるのはそれ以外の能力だ。生み出す、吸い取る、1以上、リセット、輝き…。これらの組み合わせで無に対する‥否、完無爲に対する最善手を作り上げろ…。
「_完全消失理論_!!」
『うおっとあっぶねぇっ!!』
「これを避けるとは…それも2回も。」
『こちとら簡単に死ねないんでね。』
…覚醒状態の今にしか出来ない事はなんだ…!
僕は、頭の中で戦略を組み立てる。
すると、ピッタリと組み合わさったものがあった。…見つけた!…これなら行ける!さっきの感覚では残り15秒。
『っとぉ、その前に』
「?」
『瑠奏、出てきていいぞ。』
〘了解です!〙
「んな!?
…さっきの傷の一つもない…だと!?」
『そりゃそうだろう。
だって、あれは囮だったんだから。』
「だが、あれは」
『自分で動いて喋ってたって?
そりゃそうだ。あれは僕が能力で作った囮なんだから』
「ははは…そんなのありかよ」
『さぁな。』
『瑠奏、初めてだけど大丈夫か?』
〘ええ、大丈夫ですよ。
日向様こそ、私が頼りないんじゃないんですか?〙
『そんな事はないぞ?
寧ろ、お前がペアで安心してるよ。』
そんな他愛ない会話をしながら僕らは背中合わせに立つ。
身長175cmの僕と身長152cmの瑠奏では、身長差が大きいが、こうして立てばそんな差も感じさせないほどの安心感と信頼感が溢れ出る。
この形も、こんなトドメの指し方も初めてだが、それでも、今までもずっとこのペアでやってきたかのような感覚に陥る。
瑠奏は即死モードの【体内爆裂弾】に設定をし、僕は弾丸にすべての能力を入れこむ。
その準備が終わった僕らは同時にトリガーに指をかけ
『〘チェック・メイト〙』
その掛け声と同時にトリガーを引く。
“ババンッ”と、2つ重なった銃声。
コンマ数秒後、相手に着弾し更に3秒後…。
相手に恐怖と困惑を与えて爆発した。
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