22 / 53
英華女学院の七不思議 22
しおりを挟む
職員室ではなく、生徒指導室で平川先生に事情を話し、そのうち、警察も来た。警察が来たということは、青木先生たちもあれを本物の骸骨だと判断したらしい。私が見たものは、やはり恐怖に支配された幻覚ではなかった。ただ、それはいいことではない。人が死んでいたのだから。警察にもしつこく聞かれた。でも、私には何もやましいことはないので包み隠さず全てを話した。話したのだが、警察は納得してくれることはなく、話は次の日に持ち越された。
そう、金曜日の次の日。土曜日だ。
土曜日は原則授業がない。そして、私は部活動の顧問もしてないし、新任教師ということで寮長当番も回ってこない。つまり、土曜も日曜も私は休みなのだ。なのだが、土曜である今日も学校へと出勤していた。
「なんだか、面道ごとに足を突っ込んだ気がする……」
ただ、後悔はしていない。もし、私が関わっていなければ、雛ノ森さんが私と同じ目に遭っていた。そうならなかっただけでも、私が相談に乗った意味はあっただろう。
自分を正当化しつつ、学校へ向かっていると、この学校では珍しい男性が正門で警備員の人に捕まっていた。
変態だろうと思って無視したかったのだが、そういうわけにもいかなそうだ。
「おぉ、橋本先生いいところに。ちょっと説明してくれよ」
「江口さん……なんで警備員さんに捕まっているんですか」
江口洋介。この学校の関係者ではない。でも、無関係と言うわけではない。彼は、昨日、私の事情聴取をしに来た警察の方。今日も事情聴取に来たのだ。ただ、学校に入ろうとしたところを不審者と間違われて止められた残念な刑事さんというだけ。
「俺、そんな不審者に見えるのかな?」
無精髭に白髪の混じったくたびれた短髪。目つきもナイフのように尖っていて、着ている服もなんだか小汚い。そんな男性が女子校に入ろうとしていたら誰だって止める。もちろん、身分を明かせばその例に当たらない。
「江口さん、警察手帳を見せればいいじゃないですか」
「そうだった。いつもは部下と行動してるからすっかり忘れてた」
そういえば、昨日は二人で来ていたが、今日は一人のようだ。
「部下の人は今日一緒じゃないんですね」
「あぁ、知り合いの結婚式らしくてな。有給休暇だそうだ。いいよな、結婚。俺、まだ独身だよ……。橋本先生も気をつけた方がいいぞ。大人になってからの時間はすぐに進むから」
「は、はぁ……」
急に結婚の話をされても困る。
「それより、話なんだが……歩きながらでいいかな?」
「は、はい」
事情聴取を歩きながらでいいのかと思うが、警察の方がいいというのだからいいのだろう。
そう、金曜日の次の日。土曜日だ。
土曜日は原則授業がない。そして、私は部活動の顧問もしてないし、新任教師ということで寮長当番も回ってこない。つまり、土曜も日曜も私は休みなのだ。なのだが、土曜である今日も学校へと出勤していた。
「なんだか、面道ごとに足を突っ込んだ気がする……」
ただ、後悔はしていない。もし、私が関わっていなければ、雛ノ森さんが私と同じ目に遭っていた。そうならなかっただけでも、私が相談に乗った意味はあっただろう。
自分を正当化しつつ、学校へ向かっていると、この学校では珍しい男性が正門で警備員の人に捕まっていた。
変態だろうと思って無視したかったのだが、そういうわけにもいかなそうだ。
「おぉ、橋本先生いいところに。ちょっと説明してくれよ」
「江口さん……なんで警備員さんに捕まっているんですか」
江口洋介。この学校の関係者ではない。でも、無関係と言うわけではない。彼は、昨日、私の事情聴取をしに来た警察の方。今日も事情聴取に来たのだ。ただ、学校に入ろうとしたところを不審者と間違われて止められた残念な刑事さんというだけ。
「俺、そんな不審者に見えるのかな?」
無精髭に白髪の混じったくたびれた短髪。目つきもナイフのように尖っていて、着ている服もなんだか小汚い。そんな男性が女子校に入ろうとしていたら誰だって止める。もちろん、身分を明かせばその例に当たらない。
「江口さん、警察手帳を見せればいいじゃないですか」
「そうだった。いつもは部下と行動してるからすっかり忘れてた」
そういえば、昨日は二人で来ていたが、今日は一人のようだ。
「部下の人は今日一緒じゃないんですね」
「あぁ、知り合いの結婚式らしくてな。有給休暇だそうだ。いいよな、結婚。俺、まだ独身だよ……。橋本先生も気をつけた方がいいぞ。大人になってからの時間はすぐに進むから」
「は、はぁ……」
急に結婚の話をされても困る。
「それより、話なんだが……歩きながらでいいかな?」
「は、はい」
事情聴取を歩きながらでいいのかと思うが、警察の方がいいというのだからいいのだろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる