英華女学院の七不思議

小森 輝

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英華女学院の七不思議 51

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 うれしさを言葉にすることはなく、事実確認をするために、急いで冬美さんを探した。探したとは言っても、見つけたのは早かった。一番最初に向かった3年5組の教室に彼女はいた。今日は昨日ほど化粧は濃くないが、それでも周りと比べると濃い化粧をしている。以前の冬美さんを知っていると、確かに、化粧の奥にその面影を感じなくもない。だが、化粧には疎いとはいえ、人は化粧でここまで変わるとは思わなかった。
「冬美さん、少し、いいですか?」
 私が呼ぶと、こちらに気づいた冬美さんは嫌そうな顔をしながらも来てくれた。
「またですか。今度は何の用ですか?」
「確認したいことがあるんです」
 数名だが無関係の生徒もいる中で話すようなことではないので、また生徒指導室に誘おうと思っていたのだが、雛ノ森さんはそれまで我慢できなかったようだ。
「先輩、なんですか?」
 その言葉で、全てを察したのだろう。冬美さんの表情が申し訳なさそうに陰った。
「そう。全部ばれちゃったのね」
 これで私たちも確信を持つことができる。
 彼女、佐々木冬美さんが雛ノ森さんと会っていた探偵部の先輩だったのだ。
「先輩……先輩なんですね……。よかった……本当によかった」
「雛ノ森さん? 大丈夫ですか?」
 感極まってしまったのか、雛ノ森さんは顔を覆い、泣き崩れてしまった。
「ちょ、ちょっと、騙していたのは悪いけど、そんな泣くほどのことでもないでしょ」
 冬美さんは理解できていない。毎日のように会って楽しく話していた人が、幽霊だったかもしれない、もう死んでいる人かもしれないという気持ちを。そして、幽霊や死人ではなく、生きていてくれたことが泣くほど嬉しかったことなんて。
 雛ノ森さんに変わって冬美さんを叱りたい気持ちなのだが、先に場所を移動した方がいい。
「とりあえず、生徒指導室に行きましょうか」
「は、はい……」
 泣いている雛ノ森さんに動揺しながらも返事を貰ったので、泣き崩れた雛ノ森さんを支えながら立たせてあげた。
「歩けますか?」
「はい。大丈夫です」
 気持ちも収まってきたようで、涙ももうすぐで止まりそうだ。
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