町一番の支援魔法の使い手は元オタサーの姫! ~本気の想いは届かない~

小森 輝

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3 私の恩人を求めて

町一番の支援魔法の使い手は 22

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 帰り道でも彼が落としていった魔石を回収しながら帰ると、今まで集めたことがないほどの量になっていた。4人でもこんな量は集めたことがないのに、たった二人でこの量は恐ろしいものがある。もちろん、二人だけの労力ではないのだが。
 この魔石がどの程度のお金に換金されるのかウキウキしながら、日が暮れる前に町へと帰ってきた。
「それじゃあ、換金しに行こうか」
「それなら、私が行ってきます!」
 あんまり支援魔法が役に立たなかったし、このままでは本当にお荷物になってしっまう。そうならないためにも、せめて換金に行くぐらいの役には立ちたい。
「ん……。君だけで換金に行かせるのは少し不安かな……」
「そう……ですよね」
 私にこの量の魔石を任せるには、まだ信頼がないのだろう。ギルドに所属もしていないし、会って1日も経っていないので、この魔石を持ち逃げされるのを気にしているのだろう。それは仕方がないことだ。
「いや、そう言う訳じゃないんだ。君は少し気が弱いみたいだから……」
「大丈夫です。私、ギルドで待っておきますんで」
 役に立とうと思っていたのだが、それで気を使わせてしまった。
「あぁ……いや、一緒に行こう。私だけで換金して不正だなんて言われたくはないからね」
「分かりました」
 せめて、ヘイトさんが不正なんて汚いことはしていないという証人になるぐらいの役にはたたなければ……。
 そんな思いで魔石換金所へと来たのだが、なんだかとても雰囲気が悪かった。
 冒険者として1ヶ月以上は生活していたのだが、換金所へ来たのは初めてだったかもしれない。支援魔法しか使えないのでパーティーを組むことが多かったし、そしたら換金は他の人にしてもらうことが多かった。最近は、あの3人と組むことが多く、正規のギルドに加入している冒険者は魔石の換金に手数料を引かれないので、ギルドに所属していない私が魔石を換金する事はなかった。
「こんなに雰囲気悪かったんですね……」
「ん? こんなものだろ」
 何というか、こっちが闇ギルドなのではないのかと思うほど雰囲気が悪い。殺伐としているというか、なんというか。日本で例えるならパチンコや競馬の受付に近いものを感じる。
「君はここで待っていてくれ。私が換金してくるから」
「分かりました」
「あぁ、誰かに絡まれたりナンパされたりしたら大声上げて。すぐに助けるから」
 そう言って、ヘイトさんは行ってしまった。
 私はと言うと、何もすることがなく、ただただ立ち尽くしてヘイトさんが換金する様子を眺めていた。
 すると、何か不具合があったようだ。受付の人と揉めている。
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