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「晩飯はさっき頼んだばかりで、まだ時間もあるだろうし、軽く自己紹介でもしとくか」
そう言うと、鎧の男は立ち上がり、分厚い胸の鉄板を叩き、音を響かせた。
「俺の名前はエルビー。見た目の通り、タンク、敵の攻撃を引きつける役だ。俺の後ろはどこよりも安全だから頼りにしてくれよ!」
最初に見たときから思っていたが、とても爽やかなイケメンだ。あんな鎧を着ているので、体は筋肉ムキムキなのだろうが、それを思わせないアイドルのような甘いマスクを持っている。これがギャップ萌と言うやつか。
「俺はエドム。前線で敵を倒していく剣士だ。俺はエルビーのように守ることはできないが、その代わりに、敵を多く倒してなるべく稼ぎをあげるのが役目だ」
エドムは腰に剣を携えていて、こちらも冒険者といった見た目だ。エルビーと同じくイケメンなのだが、爽やか系というよりも影をもったクール系といった感じだ。どちらかと言えば、エドムの方が共感がもてるかもしれない。
「私の名前はコウランです。回復魔法をメインに使っているんですが、このパーティーで一番の新参者で……。お役に立てることはないかもしれませんが、よろしくお願いします」
コウランはカナとは正反対で内向的な女の子のようだ。しかし、その性格とは反対に胸の主張はすごい。Hとかそのぐらいの大きさがあるんじゃないだろうか。やはり、あれだけ大きければ肩が凝ったりするのだろうか。
「私は弓使い! エルビーとかエドムが漏らした敵を私が倒すの。だから二人がミスっても私が倒すから安心して」
カナを改めてよく見ると、腰に二つに折られた弓を持っていた。おそらく、折り畳み式なのだろう。あれが開く瞬間はかっこいいだろう。少し憧れる。
「じゃあ、最後にあなたも自分で自己紹介をして」
そう言われながらカナに背中を押されたので、必然的に立つしかなかった。
「その……ジン、です。何がやれるのかとかまだ分からないけど……よろしくお願いします……」
そう言うと、カナ以外の三人は困ったように顔を見合わせ、その悩みを鎧を着たエルビーが代表して話し出した。
「えっと……剣術とか弓術とか、そう言うのは……」
「まだ何がやれるかどうか……」
「じゃあ、魔法とかは?」
「……少し?」
一応、エロ同人のような能力は魔法のような感じなので間違ってはないはず。
「なら、回復魔法は? コウランがまだ回復魔法に自信がないからサポートしてほしいんだけど」
「あぁ……回復魔法……」
性欲は回復できるが、それは必要とされていないだろう。なので、俺にできることは魔法系ではなく物理系の攻撃手段だろう。
「やっぱり、剣術とかを勉強していきたいかな……」
「勉強していきたいって……」
三人の呆れた視線が俺からカナへと移った。
「ま、まあまあ、その辺は追々……。ほら、ご飯来たし食べよ! ジンちゃんも、今日は私が奢るから」
「あ、ありがとうございます」
冒険者登録から今日の晩ご飯まで。カナには大恩ができてしまった。
そう言うと、鎧の男は立ち上がり、分厚い胸の鉄板を叩き、音を響かせた。
「俺の名前はエルビー。見た目の通り、タンク、敵の攻撃を引きつける役だ。俺の後ろはどこよりも安全だから頼りにしてくれよ!」
最初に見たときから思っていたが、とても爽やかなイケメンだ。あんな鎧を着ているので、体は筋肉ムキムキなのだろうが、それを思わせないアイドルのような甘いマスクを持っている。これがギャップ萌と言うやつか。
「俺はエドム。前線で敵を倒していく剣士だ。俺はエルビーのように守ることはできないが、その代わりに、敵を多く倒してなるべく稼ぎをあげるのが役目だ」
エドムは腰に剣を携えていて、こちらも冒険者といった見た目だ。エルビーと同じくイケメンなのだが、爽やか系というよりも影をもったクール系といった感じだ。どちらかと言えば、エドムの方が共感がもてるかもしれない。
「私の名前はコウランです。回復魔法をメインに使っているんですが、このパーティーで一番の新参者で……。お役に立てることはないかもしれませんが、よろしくお願いします」
コウランはカナとは正反対で内向的な女の子のようだ。しかし、その性格とは反対に胸の主張はすごい。Hとかそのぐらいの大きさがあるんじゃないだろうか。やはり、あれだけ大きければ肩が凝ったりするのだろうか。
「私は弓使い! エルビーとかエドムが漏らした敵を私が倒すの。だから二人がミスっても私が倒すから安心して」
カナを改めてよく見ると、腰に二つに折られた弓を持っていた。おそらく、折り畳み式なのだろう。あれが開く瞬間はかっこいいだろう。少し憧れる。
「じゃあ、最後にあなたも自分で自己紹介をして」
そう言われながらカナに背中を押されたので、必然的に立つしかなかった。
「その……ジン、です。何がやれるのかとかまだ分からないけど……よろしくお願いします……」
そう言うと、カナ以外の三人は困ったように顔を見合わせ、その悩みを鎧を着たエルビーが代表して話し出した。
「えっと……剣術とか弓術とか、そう言うのは……」
「まだ何がやれるかどうか……」
「じゃあ、魔法とかは?」
「……少し?」
一応、エロ同人のような能力は魔法のような感じなので間違ってはないはず。
「なら、回復魔法は? コウランがまだ回復魔法に自信がないからサポートしてほしいんだけど」
「あぁ……回復魔法……」
性欲は回復できるが、それは必要とされていないだろう。なので、俺にできることは魔法系ではなく物理系の攻撃手段だろう。
「やっぱり、剣術とかを勉強していきたいかな……」
「勉強していきたいって……」
三人の呆れた視線が俺からカナへと移った。
「ま、まあまあ、その辺は追々……。ほら、ご飯来たし食べよ! ジンちゃんも、今日は私が奢るから」
「あ、ありがとうございます」
冒険者登録から今日の晩ご飯まで。カナには大恩ができてしまった。
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