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この世界にはヒーローがいる
ゲームのキャラに恋するのは規約違反ですか? 3
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俺は、慎重に刀を持ったモヒカン男との間合いをはかりつつ、他の二人の様子も見ていた。
張りつめた空気が続く中、リーゼントの男が目を細め俺の顔を気にし始めた。そして、何かに気づいたのか、リーゼント男は慌ててモヒカン男の肩を掴んだ。
「おい。今、集中してんだ。邪魔するんじゃねえ」
モヒカン男は視線を俺から外さないまま言葉だけ返していた。だが、リーゼント男はそれどころではないらしい。
「あいつ、コルテじゃないのか?」
「コルテって、あのマキシムメーカーの?」
「そのコルテだって。間違いない。名前見ろよ」
そんな会話の後に、三人組の男たちは、俺を凝視し始めた。そして、何かを確認した後、男三人とも慌て始めた。
「マジかよ。お前……どうするんだよ!」
最初に口を開けたのはモヒカン男だった。その姿に、最初の威勢は存在しない。
「どうするんだって、お前が喧嘩ふっかけたんだろうが。大体、いつもお前は先走ってミスするんだから、少しは学べよな」
どうやら、スキンヘッド男は、モヒカン男の行動にいつも振り回されているようだ。
「お、おい。今、喧嘩しても仕方ないだろ。それよりも、逃げた方がいいんじゃないか?」
リーゼント男はすでに弱腰だ。
俺としては、このまま逃げてくれた方が楽でいいんだが、それじゃあ、改心させられない。
「おい、どうしたんだ? 武器すら持ってない相手から逃げるつもりか?」
煽るには少し物足りないかと思ったが、うまく挑発に乗ってくれたようだ。
「数には分があるんだ。それに、ペナルティーだってある。勝算がない訳じゃない」
スキンヘッド男は、ハンマーを構えなおした。どうやら、決定権はスキンヘッド男にあるらしい。つまり、スキンヘッド男が、この三人組のリーダーなのだろう。
「俺は乗ったぜ。コルテなんて有名人、倒せばがっぽり儲かりそうだからな」
モヒカン男もやる気になってくれたようだ。
後は一人なのだが、リーゼント男はあまり乗り気ではないらしい。
「考え直す気はないのか?」
リーゼント男の弱気な声をモヒカン男は鼻で笑った。
「こんな好機、逃す訳ないだろ。それとも、お前の取り分がなくてもいいのか?」
「……分かった」
リーゼント男も覚悟を決めたのか、手が震えないように拳銃を両手で握っていた。
いよいよ、戦いが始まる。男と男の意地の張り合いが。
俺は、拳を強く握って、三人へと向ける。
「せっかくなんだ。武装する時間ぐらい、くれてやるぜ?」
モヒカン男の提案に、スキンヘッド男が慌てて止めに入った。
「おい、またお前は勝手に……。別に武装させないでいいだろ。今の方が倒しやすいんだから……」
「大丈夫だって。こっちの優位に変わりはないんだから」
モヒカン男はスキンヘッド男を言いくるめて、次ぎに俺に向かって念を押してきた。
「あの有名なコルテ様の名前に殺人ペナルティーの赤い文字がついたら一大事だもんな」
モヒカン男が不適な笑みを浮かべている。
これは、十中八九、挑発しているのだろう。こういう挑発には乗ってこその男気と言うものだが、残念ながらモヒカン男の提案を受け入れることはできない。
「すまないが、このままで戦わせてもらうよ。武器なんて出したら、それこそ君たちを一瞬で倒してしまうからね」
真実を言ったのだが、三人の怒りに火を付けてしまったようだ。
「この野郎……ナメやがって」
三人とも、今にも襲いかかってきそうな勢いだ。
その姿に習って、俺も拳を強く構えた。
張りつめた空気が続く中、リーゼントの男が目を細め俺の顔を気にし始めた。そして、何かに気づいたのか、リーゼント男は慌ててモヒカン男の肩を掴んだ。
「おい。今、集中してんだ。邪魔するんじゃねえ」
モヒカン男は視線を俺から外さないまま言葉だけ返していた。だが、リーゼント男はそれどころではないらしい。
「あいつ、コルテじゃないのか?」
「コルテって、あのマキシムメーカーの?」
「そのコルテだって。間違いない。名前見ろよ」
そんな会話の後に、三人組の男たちは、俺を凝視し始めた。そして、何かを確認した後、男三人とも慌て始めた。
「マジかよ。お前……どうするんだよ!」
最初に口を開けたのはモヒカン男だった。その姿に、最初の威勢は存在しない。
「どうするんだって、お前が喧嘩ふっかけたんだろうが。大体、いつもお前は先走ってミスするんだから、少しは学べよな」
どうやら、スキンヘッド男は、モヒカン男の行動にいつも振り回されているようだ。
「お、おい。今、喧嘩しても仕方ないだろ。それよりも、逃げた方がいいんじゃないか?」
リーゼント男はすでに弱腰だ。
俺としては、このまま逃げてくれた方が楽でいいんだが、それじゃあ、改心させられない。
「おい、どうしたんだ? 武器すら持ってない相手から逃げるつもりか?」
煽るには少し物足りないかと思ったが、うまく挑発に乗ってくれたようだ。
「数には分があるんだ。それに、ペナルティーだってある。勝算がない訳じゃない」
スキンヘッド男は、ハンマーを構えなおした。どうやら、決定権はスキンヘッド男にあるらしい。つまり、スキンヘッド男が、この三人組のリーダーなのだろう。
「俺は乗ったぜ。コルテなんて有名人、倒せばがっぽり儲かりそうだからな」
モヒカン男もやる気になってくれたようだ。
後は一人なのだが、リーゼント男はあまり乗り気ではないらしい。
「考え直す気はないのか?」
リーゼント男の弱気な声をモヒカン男は鼻で笑った。
「こんな好機、逃す訳ないだろ。それとも、お前の取り分がなくてもいいのか?」
「……分かった」
リーゼント男も覚悟を決めたのか、手が震えないように拳銃を両手で握っていた。
いよいよ、戦いが始まる。男と男の意地の張り合いが。
俺は、拳を強く握って、三人へと向ける。
「せっかくなんだ。武装する時間ぐらい、くれてやるぜ?」
モヒカン男の提案に、スキンヘッド男が慌てて止めに入った。
「おい、またお前は勝手に……。別に武装させないでいいだろ。今の方が倒しやすいんだから……」
「大丈夫だって。こっちの優位に変わりはないんだから」
モヒカン男はスキンヘッド男を言いくるめて、次ぎに俺に向かって念を押してきた。
「あの有名なコルテ様の名前に殺人ペナルティーの赤い文字がついたら一大事だもんな」
モヒカン男が不適な笑みを浮かべている。
これは、十中八九、挑発しているのだろう。こういう挑発には乗ってこその男気と言うものだが、残念ながらモヒカン男の提案を受け入れることはできない。
「すまないが、このままで戦わせてもらうよ。武器なんて出したら、それこそ君たちを一瞬で倒してしまうからね」
真実を言ったのだが、三人の怒りに火を付けてしまったようだ。
「この野郎……ナメやがって」
三人とも、今にも襲いかかってきそうな勢いだ。
その姿に習って、俺も拳を強く構えた。
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