孤独な世界と大切な花

rurua

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失った出会い

僕と結愛

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 世界から100万人の人が消滅する事件が起きた。

 どうやら僕達は異世界へと飛ばされたらしい。

 広いこの異世界で知り合いさえいない僕は孤独な日々を送っていた。
結愛(ゆあ)に出会うまでは・・・。

 空は重たい雲を抱えている。

 今日も雨。
異世界でも雨は降るみたいだ。

 「最近、雨が多いね。」
 結愛は僕に傘を渡してくれた。
 「ありがとう。これからどうします?」
 傘を開くと彼女が隣に寄り添ってきた。
 彼女から甘い香りが漂ってくる。
 「新しい依頼でも受けにいきたい。」

 僕と彼女は医者だ。
異世界の住人を病気から助ける見返りに食事やお金を貰っている。
 住人は人間でない生物もいる。
原因不明の病いや深い傷を負った者が溢れている。
僕らも病気を癒すために戦っている。

「爺さん。新しい依頼は来ているか?」
 僕達は異世界の病院に訪れた。
 僕と彼女は遠い街や貧しい人を対象に依頼を引き受けている。
条件の悪い依頼は報酬が豊富でない限り誰も引き受けない。
僕は恵まれていない人ほど助けたい気持ちが溢れてくる。
「依頼ならあるぞ。それもお前さんにぴったりのな。」
 爺さんは依頼書を提示してくれた。
依頼内容は6歳の少女が原因不明の病の治癒。
まだ幼いのに・・・。
「わかりました。この依頼引き受けます。結愛は大丈夫?」
「もちろん大丈夫。」
 彼女は迷わず頷く。
僕が優しくなれたのも結愛の優しさに救ってもらったからだ。

 僕らは依頼の少女がいる村へと向かった。

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