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第一節~『黄昏刻の幽霊』~
第二話「幽霊見たり」
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「で、幽霊の正体を確かめないかっていう提案をしたからには、当然幽霊を探すアテがあるんでしょうね」
朝霧からジトッとした視線を受ける。
「当然――――ない」
「は?」
「だから、ない。それを今から考えよう」
自信満々に告げられた俺の言葉を聞いて、朝霧はため息を吐く。
「わかってはいたけど、そこから考えなくちゃいけないのね」
「どーせ暇なんだろ? ならいいだろ」
「そーだけどさ。アンタから言われると腹が立つわ」
「なんでだよ。俺は事実を言っただけだ」
「事実でも他人から言われたらムカつくこともあんの。そんなのも分からないからモテないんだよ」
「うるせーな。今その話は関係ないだろ」
「あと目付き悪いし。無駄にデカいし。あとは……」
「俺の悪口はやめろ。幽霊の話をしようぜ」
いきなり始まった悪口大会から話題を逸らすため、俺は強引に話を変える。
「アテはない。が、一応仮説はあるんだ」
「仮説?」
俺は頷く。
「それは『猫野舘先生説』」
猫野舘先生。それはこの図書室の司書を任されている先生の名だ。小柄な体躯の女教師で、授業を早めに終わらせることから生徒の人気が高い。
そんな猫野舘先生だが、俺はこの猫野舘先生こそが『黄昏刻の幽霊』の正体なんじゃないかと考えている。なぜなら、
「失礼だけど猫野舘先生って色白だし、寝不足で隈とか酷いし、よく『死人』とか『ゾンビ』って言われていじられてるだろ?
だから、知らない人から見れば猫野舘先生は幽霊に見えるんじゃないかなって」
「凄い失礼な話だけど、否定できないね……」
委員会顧問の先生を馬鹿にし過ぎな仮説だとは思うが、俺も朝霧も最初は死体だと勘違いしただけに否定しにくい。
だけど、と朝霧は言う。
「あの人凄い適当な性格だし、あんまり図書室に来てなくない? その割には目撃情報が多すぎると思うんだけど」
朝霧に言われ、俺はハッとする。
朝霧の発言通り、猫野舘先生は授業だけでなく、委員会活動についても適当だ。放任主義で、俺達が図書当番の日に見に来たのも一度しかない。
俺達でさえ猫野舘先生の姿を図書室で見るのは少ないのに、他生徒の目撃情報が多いというのは不自然な話だ。
「確かにそうだな……。それに冷静に考えてみれば三谷先輩も幽霊を見たって言ってるわけだし」
三谷先輩は去年も図書委員会だったらしいし、猫野舘先生との面識は深い。そんな先輩が猫野舘先生の顔を幽霊と間違えるというのは無理があるだろう。
となると、『猫野舘先生説』はやっぱり違うか。
「っていうかそもそもこの怪談、おかしなところがあるよね」
不意に朝霧がそんなことを呟く。
「おかしなところ?」
「そそ」
「それはさっきも言った『ずっと図書室にいる俺達が見たことないにもかかわらず目撃情報は多い』ってところか?」
「それもおかしな点だけどさ、もう一つおかしいところがあるでしょ」
「他にも……?」
朝霧に言われ、俺は頭をひねる。こういうところでもったいぶるあたり朝霧の性格の悪さが滲み出ているが……それについての不満は今さらない。
だが朝霧に考えられて俺に考えられないことがあるというのがどうにも腹ただしかった。
「……わからん。なんだそのおかしな点って」
「えー? そんなの分からないんですかー?」
「黙れ。もったいぶらずさっさと教えろ」
勝ち誇ったようなウザイ口調で、朝霧は告げる。
「図書室利用者が少ない割に、目撃情報は多いのって妙じゃない?」
「!」
確かに変な話だ。
1ヶ月半で5件の目撃情報というのは、他の七不思議と比べても多い。
にもかかわらず、目撃情報の現場となったこの図書室にはそもそも来る人が少ない。
人がよく通るところで目撃情報が多いならともかく、利用者が少ない図書室で目撃情報が多いというのはやや矛盾しているようにも思える。
この微妙な矛盾は、どうして生まれた?
「……俺達が担当してる木・金の利用者が少ないだけで、他の曜日は人が多いってことはないか? 月・火担当の三谷先輩の日とか」
「多分ないんじゃないかなー。猫野舘先生もよく『めんどくさいから利用者は少ないままでいてくれー』って言ってたし。
私たちの日だけが少ないならそんなこと言う必要なくない?」
「ふむ……」
俺は考える。
『目撃情報が多いのに図書当番で長い時間図書室にいる俺達は見たことがない』という点と『図書室利用者が少ない割に目撃情報は異様に多い』という点はなにか関係してそうな予感がある。
だがその予感の正体を考えようにも、うまく思考がまとまらない。
両者の共通点は、どちらも『目撃情報が多い』というところだ。
目撃情報が多いにもかかわらず、図書当番の俺達は見たことがない。図書室利用者が少ないにもかかわらず、目撃情報は多い。人通りが多いところが目撃現場ならまだしも、人が少ない図書室で目撃情報が多いなんて……。
「あっ」
そこまで考えて、俺はある勘違いをしていたことに気付く。
そうだ。『目撃現場』と一言で言っても、それは『目撃した場所』と『目撃された場所』に分けることができるんじゃないか?
「なに? なにか分かったの?」
「ああ。……幽霊を目撃するにはある条件を満たす必要があった、と考えれば不可解な点にも説明がつく」
「条件? それってどういうこと?」
俺の言葉を聞いて、朝霧が訝しげな声を出す。朝霧の疑問に答えるように、俺はこう言い放った。
「おそらくだが、幽霊を目撃できるのは『廊下から図書室を覗いたとき』だけなんじゃないか」
「あぁ――、そういうことか」
朝霧も合点がいったのか、関心したような声を出す。
「確かにその理屈ならおかしな点二つにも説明がつくね」
俺達が幽霊を見たことがないのは、基本的にずっとに図書室内部にいるから。図書室利用者の少なさの割に目撃情報が多いのは、そもそも目撃者が図書室利用者ではなく、図書室の前を通っただけの通行人だったから。
『廊下から図書室を覗く』という条件だけなら俺たちも図書当番を始めるときと帰るときに満たすが、前者は黄昏というには早く、後者は既に日が暮れている。
怪談通り黄昏刻しか現れないのならば、俺達が目撃できなくてもおかしくはないだろう。
昨日――三谷先輩が幽霊を目撃した日は水曜日で三谷先輩の担当日ではないし、ちらりと後輩の様子を見に来ただけであれば『黄昏刻』と『廊下から図書室を覗く』という条件が満たされてしまう確率も高い。
『廊下から図書室を覗く』のが幽霊を見る条件だという仮説は、今までの説の中で一番信憑性が高いように思える。
「ちょうど今は夕方だし、一回廊下に出て覗いてみるか?」
「…………そうだね。覗くだけ覗いてみようか」
返答に少し間が空いたことに違和感を覚えたが、そんなことは今どうでもいい。
俺たちは図書室から廊下へと出て、図書室への扉を閉める。
図書室の扉はスライド式の木製の扉だ。中央少し上に大きめのガラスがついていて、廊下を通ったならば勝手に図書室内部の様子が目に入ることだろう。
「……ねえ夏狩」
俺たち二人が廊下から図書室の中を覗いているとき、不意に朝霧が呟く。
「夏狩は幽霊の存在を信じてる?」
あまりにもマヌケな質問に俺は吹き出す。まさかあの朝霧がそんなことを口にするとは思わなかった。
「なんだ朝霧。怖いのか?」
「そ、そんなわけないじゃん!
……で、どうなの? 信じてるの?」
「俺は信じていない」
幽霊やUFOの目撃情報は、ほとんどが何かの見間違いであるという研究データが挙がっている。
神もあの世も人が作り出した観念である以上、幽霊やUFOといった超常を作り出すのも人の想像にすぎない……と、俺は考えている。
「お前はどうなんだ?」
なんとなく俺は朝霧に訊ねる。だが、現実主義者の朝霧のことだ。俺と同じで幽霊はいないと返ってくることだろう。
しかしその予想とは裏腹に、
「幽霊はいると思う」
なんて意外な答えが返ってきた。
なぜそう思うんだ? と、朝霧に訊ねようとした――そのとき。
「ねえ、あれって……」
俺の視界の端を、なにか黒いものが通る。その黒いものへ焦点を合わせてみると、それは髪だとすぐにわかった。
あれは、女の髪だ。背中の辺りまで伸ばされた、黒いロングヘアだ。そんな黒い長髪の女が、図書室の中に立っていた。先程まで確かに誰もいなかった図書室に、黒い長髪の女が立っていた。
一体どうして、どうやって――。
ガラガラ! と、勢いよくドアを開け、朝霧がその女の元へと近付いていく。
「朝霧!」
躊躇なく幽霊に近付けるその胆力は評価するが――危険じゃないのか。得体の知れない図書室の幽霊――『黄昏刻の幽霊』。そんなのに近付いたら、襲われてしまうのではないか――そんな想像が頭の中を駆け巡る。
しかしそんな想像は、どうやら杞憂に終わったようだ。なぜなら、
「え……?」
朝霧が近付いた途端、その女はたっていた場所から一瞬で離れ、そして陽炎のようにあっさりと消失する。
そう、消失したのだ。まるでロウソクの火が消えるように、まるで幽霊であるかのように。その女は忽然と、その場から姿を消してしまった。
「…………」
既に女がたっていた場所には何もない。ただいつも通りの、誰もいない静謐な図書室だけが広がっていた。
朝霧からジトッとした視線を受ける。
「当然――――ない」
「は?」
「だから、ない。それを今から考えよう」
自信満々に告げられた俺の言葉を聞いて、朝霧はため息を吐く。
「わかってはいたけど、そこから考えなくちゃいけないのね」
「どーせ暇なんだろ? ならいいだろ」
「そーだけどさ。アンタから言われると腹が立つわ」
「なんでだよ。俺は事実を言っただけだ」
「事実でも他人から言われたらムカつくこともあんの。そんなのも分からないからモテないんだよ」
「うるせーな。今その話は関係ないだろ」
「あと目付き悪いし。無駄にデカいし。あとは……」
「俺の悪口はやめろ。幽霊の話をしようぜ」
いきなり始まった悪口大会から話題を逸らすため、俺は強引に話を変える。
「アテはない。が、一応仮説はあるんだ」
「仮説?」
俺は頷く。
「それは『猫野舘先生説』」
猫野舘先生。それはこの図書室の司書を任されている先生の名だ。小柄な体躯の女教師で、授業を早めに終わらせることから生徒の人気が高い。
そんな猫野舘先生だが、俺はこの猫野舘先生こそが『黄昏刻の幽霊』の正体なんじゃないかと考えている。なぜなら、
「失礼だけど猫野舘先生って色白だし、寝不足で隈とか酷いし、よく『死人』とか『ゾンビ』って言われていじられてるだろ?
だから、知らない人から見れば猫野舘先生は幽霊に見えるんじゃないかなって」
「凄い失礼な話だけど、否定できないね……」
委員会顧問の先生を馬鹿にし過ぎな仮説だとは思うが、俺も朝霧も最初は死体だと勘違いしただけに否定しにくい。
だけど、と朝霧は言う。
「あの人凄い適当な性格だし、あんまり図書室に来てなくない? その割には目撃情報が多すぎると思うんだけど」
朝霧に言われ、俺はハッとする。
朝霧の発言通り、猫野舘先生は授業だけでなく、委員会活動についても適当だ。放任主義で、俺達が図書当番の日に見に来たのも一度しかない。
俺達でさえ猫野舘先生の姿を図書室で見るのは少ないのに、他生徒の目撃情報が多いというのは不自然な話だ。
「確かにそうだな……。それに冷静に考えてみれば三谷先輩も幽霊を見たって言ってるわけだし」
三谷先輩は去年も図書委員会だったらしいし、猫野舘先生との面識は深い。そんな先輩が猫野舘先生の顔を幽霊と間違えるというのは無理があるだろう。
となると、『猫野舘先生説』はやっぱり違うか。
「っていうかそもそもこの怪談、おかしなところがあるよね」
不意に朝霧がそんなことを呟く。
「おかしなところ?」
「そそ」
「それはさっきも言った『ずっと図書室にいる俺達が見たことないにもかかわらず目撃情報は多い』ってところか?」
「それもおかしな点だけどさ、もう一つおかしいところがあるでしょ」
「他にも……?」
朝霧に言われ、俺は頭をひねる。こういうところでもったいぶるあたり朝霧の性格の悪さが滲み出ているが……それについての不満は今さらない。
だが朝霧に考えられて俺に考えられないことがあるというのがどうにも腹ただしかった。
「……わからん。なんだそのおかしな点って」
「えー? そんなの分からないんですかー?」
「黙れ。もったいぶらずさっさと教えろ」
勝ち誇ったようなウザイ口調で、朝霧は告げる。
「図書室利用者が少ない割に、目撃情報は多いのって妙じゃない?」
「!」
確かに変な話だ。
1ヶ月半で5件の目撃情報というのは、他の七不思議と比べても多い。
にもかかわらず、目撃情報の現場となったこの図書室にはそもそも来る人が少ない。
人がよく通るところで目撃情報が多いならともかく、利用者が少ない図書室で目撃情報が多いというのはやや矛盾しているようにも思える。
この微妙な矛盾は、どうして生まれた?
「……俺達が担当してる木・金の利用者が少ないだけで、他の曜日は人が多いってことはないか? 月・火担当の三谷先輩の日とか」
「多分ないんじゃないかなー。猫野舘先生もよく『めんどくさいから利用者は少ないままでいてくれー』って言ってたし。
私たちの日だけが少ないならそんなこと言う必要なくない?」
「ふむ……」
俺は考える。
『目撃情報が多いのに図書当番で長い時間図書室にいる俺達は見たことがない』という点と『図書室利用者が少ない割に目撃情報は異様に多い』という点はなにか関係してそうな予感がある。
だがその予感の正体を考えようにも、うまく思考がまとまらない。
両者の共通点は、どちらも『目撃情報が多い』というところだ。
目撃情報が多いにもかかわらず、図書当番の俺達は見たことがない。図書室利用者が少ないにもかかわらず、目撃情報は多い。人通りが多いところが目撃現場ならまだしも、人が少ない図書室で目撃情報が多いなんて……。
「あっ」
そこまで考えて、俺はある勘違いをしていたことに気付く。
そうだ。『目撃現場』と一言で言っても、それは『目撃した場所』と『目撃された場所』に分けることができるんじゃないか?
「なに? なにか分かったの?」
「ああ。……幽霊を目撃するにはある条件を満たす必要があった、と考えれば不可解な点にも説明がつく」
「条件? それってどういうこと?」
俺の言葉を聞いて、朝霧が訝しげな声を出す。朝霧の疑問に答えるように、俺はこう言い放った。
「おそらくだが、幽霊を目撃できるのは『廊下から図書室を覗いたとき』だけなんじゃないか」
「あぁ――、そういうことか」
朝霧も合点がいったのか、関心したような声を出す。
「確かにその理屈ならおかしな点二つにも説明がつくね」
俺達が幽霊を見たことがないのは、基本的にずっとに図書室内部にいるから。図書室利用者の少なさの割に目撃情報が多いのは、そもそも目撃者が図書室利用者ではなく、図書室の前を通っただけの通行人だったから。
『廊下から図書室を覗く』という条件だけなら俺たちも図書当番を始めるときと帰るときに満たすが、前者は黄昏というには早く、後者は既に日が暮れている。
怪談通り黄昏刻しか現れないのならば、俺達が目撃できなくてもおかしくはないだろう。
昨日――三谷先輩が幽霊を目撃した日は水曜日で三谷先輩の担当日ではないし、ちらりと後輩の様子を見に来ただけであれば『黄昏刻』と『廊下から図書室を覗く』という条件が満たされてしまう確率も高い。
『廊下から図書室を覗く』のが幽霊を見る条件だという仮説は、今までの説の中で一番信憑性が高いように思える。
「ちょうど今は夕方だし、一回廊下に出て覗いてみるか?」
「…………そうだね。覗くだけ覗いてみようか」
返答に少し間が空いたことに違和感を覚えたが、そんなことは今どうでもいい。
俺たちは図書室から廊下へと出て、図書室への扉を閉める。
図書室の扉はスライド式の木製の扉だ。中央少し上に大きめのガラスがついていて、廊下を通ったならば勝手に図書室内部の様子が目に入ることだろう。
「……ねえ夏狩」
俺たち二人が廊下から図書室の中を覗いているとき、不意に朝霧が呟く。
「夏狩は幽霊の存在を信じてる?」
あまりにもマヌケな質問に俺は吹き出す。まさかあの朝霧がそんなことを口にするとは思わなかった。
「なんだ朝霧。怖いのか?」
「そ、そんなわけないじゃん!
……で、どうなの? 信じてるの?」
「俺は信じていない」
幽霊やUFOの目撃情報は、ほとんどが何かの見間違いであるという研究データが挙がっている。
神もあの世も人が作り出した観念である以上、幽霊やUFOといった超常を作り出すのも人の想像にすぎない……と、俺は考えている。
「お前はどうなんだ?」
なんとなく俺は朝霧に訊ねる。だが、現実主義者の朝霧のことだ。俺と同じで幽霊はいないと返ってくることだろう。
しかしその予想とは裏腹に、
「幽霊はいると思う」
なんて意外な答えが返ってきた。
なぜそう思うんだ? と、朝霧に訊ねようとした――そのとき。
「ねえ、あれって……」
俺の視界の端を、なにか黒いものが通る。その黒いものへ焦点を合わせてみると、それは髪だとすぐにわかった。
あれは、女の髪だ。背中の辺りまで伸ばされた、黒いロングヘアだ。そんな黒い長髪の女が、図書室の中に立っていた。先程まで確かに誰もいなかった図書室に、黒い長髪の女が立っていた。
一体どうして、どうやって――。
ガラガラ! と、勢いよくドアを開け、朝霧がその女の元へと近付いていく。
「朝霧!」
躊躇なく幽霊に近付けるその胆力は評価するが――危険じゃないのか。得体の知れない図書室の幽霊――『黄昏刻の幽霊』。そんなのに近付いたら、襲われてしまうのではないか――そんな想像が頭の中を駆け巡る。
しかしそんな想像は、どうやら杞憂に終わったようだ。なぜなら、
「え……?」
朝霧が近付いた途端、その女はたっていた場所から一瞬で離れ、そして陽炎のようにあっさりと消失する。
そう、消失したのだ。まるでロウソクの火が消えるように、まるで幽霊であるかのように。その女は忽然と、その場から姿を消してしまった。
「…………」
既に女がたっていた場所には何もない。ただいつも通りの、誰もいない静謐な図書室だけが広がっていた。
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