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二話「覚醒」
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「李須召度、こっち来んか。」
李須召度は振り向くとそこには1人の老人がいた。どこか見覚えがある。
「おじいちゃん。」と自分が不意に言い放ったことで自分が幼い事に気づいた。
幼い李須召度はそう言うと老人と手を繋ぐため、そばに駆け寄った。
「それじゃあ行くか」
そこで目が覚めた。
「夢か...。」
よく周りを見ると洋子と父親の「朝長初輝」(ともなが はつき)もいた。初輝は肥長国出身である。李須召度と顔は違うが身長や肌の色などは似ている。警察官である。
しかし二人共そこまで心配している様子は無かった。至って冷静でそれでもとても真面目な顔をしていた。
「大丈夫か?」
「うん。」
「実は、話すべきことがあるんだ。」
「その、最近頭痛がするんやろ?」
「なんで最近ってことが分かるの?」
そう、李須召度は頭痛がする事は心配をかけさせまいと隠してきた。
「分かるんだよ。これは我ら九州人特有の物なんだ。」
「どういう事?」
「あたしもお父さんも、経験したってことよ。」
「どうして?」
「それは...どこから話せばいいのやら。」
「?」
李須召度は首をかしげた。
「それ本当なんですかね...。」
李須召度は苦笑いした。洋子も初輝も苦笑いしていた。
話はこうだ。九州人は独立意識を持ち始めると同時にある『力』を持ち始めたという。アニメや漫画と同じく特殊能力を人それぞれもっているらしい。しかし、その特殊能力を持ち始める思春期に頭痛や吐き気が襲ってくるという。
「ちょっとまって。戦後間もない間いたひいおじいちゃんやひいおばあちゃんは頭痛しなかったの?」
「思春期ではないけど大人でもしてたらしいよ。」
「えぇ...。」
そして、洋子と初輝は自分の能力について話した。
「あたしは温度を上げることができるんよねぇ。一応火をつけるくらいなら。」といいながら指から先を発火させていた。初輝はというと傷を治す能力を持っているらしい。李須召度はなら自分が傷を負った時になんで直さなかったのか疑問に思った。
「なんでこの事を隠すの?なんで隠してきたの?」
そう言うと2人は申し訳なさそうな顔になり、少ししてから初輝が話した。
答えは単純で大事になるからだ。それも、国単位で隠している。九州人全体が能力を隠していきていた。普通の人間に見られれば気味が悪いの化け物扱いされるだけじゃなく捕えられて研究対象になり、外交的にも軍事的にも危うくなるのだ。それが九州人の間で本脳的に共通なルールとなっていた。しかし何故このようなことになったのかは未だに分かっていないらしい。初輝が李須召度に教えなかったのもこれらの理由で幼い間は能力について教えないようにし、親子の間とは言え力を使わないようにしていた。
「...ということだ。」
「...。」
李須召度は少しばかり困惑していた。
「無理も無いっちゃね。今日はもう休んどき?ね?今はもう1時よ?那も寝ちょるし。」
「そうだね。おやすみなさい。」
「おやすみ。」
2人はそう言うと部屋から出て行った。
(あれ?俺の能力は?)
ふと自分の能力が何なのか分かってないのに気づいた。
(まあいいか寝よう。)
こうして奇妙な1日を終えた。
次の日、洋子に自分の能力は何なのか聞いたがわからないと言われた。考えてみれば当然だ。個人差があるっていうレベルじゃなく、本当に人それぞれの能力なのだ。
そしていつものように学校に登校する。玄関を開けると鈎武と瑠火闇がいつものように待っていた。
「おはよう、昨日は大丈夫だった?」と鈎武は心配してくれていた。
「どうせ下痢かなんかだろ?」
対して瑠火闇は心配してはいなく、それはそれでいつも通りで良かった。
「うん、大丈夫だった。えっと...。」
「ん?えっと何?」
「いや、なんでもない。」
「そっか...。」
「変な奴。まあ、大丈夫そうなんだし行こうぜ。」
瑠火闇がそう言うと3人は学校へ向かった。
『覚醒したんだろ?僕も実は覚醒していたんだ。詳しくは学校に来てから話そう。』
李須召度は目を見開いた。鈎武の声が聞こえた。横に歩いていたのに頭の中で声がした気がする。そして、鈎武を見るとウィンクをしていた。
「着いたぞ、それじゃあな。」
学校に着いた3人は瑠火闇が違うクラスなので彼と別れて2人になった。
「おい、さっきの...。鈎武だよな?」
「そうだよ?」
「まさか...。お前の能力ってテレパシーとか人の心を読み取るみたいなやつか?」
李須召度は少し恐怖していた。単純に心を読まれることが気味が悪いと思っていたのだ。しかし...。
「いや、テレパシーとは全然違うんだよ。」
「え?」
ここまで会話して丁度クラスにつき、担任の大隈に「原之園さん、委員会があるから急ぎなさい。授業に遅れてもいいから。」と言われ、「話はまた後でね!」っと焦らされてしまった。
李須召度は振り向くとそこには1人の老人がいた。どこか見覚えがある。
「おじいちゃん。」と自分が不意に言い放ったことで自分が幼い事に気づいた。
幼い李須召度はそう言うと老人と手を繋ぐため、そばに駆け寄った。
「それじゃあ行くか」
そこで目が覚めた。
「夢か...。」
よく周りを見ると洋子と父親の「朝長初輝」(ともなが はつき)もいた。初輝は肥長国出身である。李須召度と顔は違うが身長や肌の色などは似ている。警察官である。
しかし二人共そこまで心配している様子は無かった。至って冷静でそれでもとても真面目な顔をしていた。
「大丈夫か?」
「うん。」
「実は、話すべきことがあるんだ。」
「その、最近頭痛がするんやろ?」
「なんで最近ってことが分かるの?」
そう、李須召度は頭痛がする事は心配をかけさせまいと隠してきた。
「分かるんだよ。これは我ら九州人特有の物なんだ。」
「どういう事?」
「あたしもお父さんも、経験したってことよ。」
「どうして?」
「それは...どこから話せばいいのやら。」
「?」
李須召度は首をかしげた。
「それ本当なんですかね...。」
李須召度は苦笑いした。洋子も初輝も苦笑いしていた。
話はこうだ。九州人は独立意識を持ち始めると同時にある『力』を持ち始めたという。アニメや漫画と同じく特殊能力を人それぞれもっているらしい。しかし、その特殊能力を持ち始める思春期に頭痛や吐き気が襲ってくるという。
「ちょっとまって。戦後間もない間いたひいおじいちゃんやひいおばあちゃんは頭痛しなかったの?」
「思春期ではないけど大人でもしてたらしいよ。」
「えぇ...。」
そして、洋子と初輝は自分の能力について話した。
「あたしは温度を上げることができるんよねぇ。一応火をつけるくらいなら。」といいながら指から先を発火させていた。初輝はというと傷を治す能力を持っているらしい。李須召度はなら自分が傷を負った時になんで直さなかったのか疑問に思った。
「なんでこの事を隠すの?なんで隠してきたの?」
そう言うと2人は申し訳なさそうな顔になり、少ししてから初輝が話した。
答えは単純で大事になるからだ。それも、国単位で隠している。九州人全体が能力を隠していきていた。普通の人間に見られれば気味が悪いの化け物扱いされるだけじゃなく捕えられて研究対象になり、外交的にも軍事的にも危うくなるのだ。それが九州人の間で本脳的に共通なルールとなっていた。しかし何故このようなことになったのかは未だに分かっていないらしい。初輝が李須召度に教えなかったのもこれらの理由で幼い間は能力について教えないようにし、親子の間とは言え力を使わないようにしていた。
「...ということだ。」
「...。」
李須召度は少しばかり困惑していた。
「無理も無いっちゃね。今日はもう休んどき?ね?今はもう1時よ?那も寝ちょるし。」
「そうだね。おやすみなさい。」
「おやすみ。」
2人はそう言うと部屋から出て行った。
(あれ?俺の能力は?)
ふと自分の能力が何なのか分かってないのに気づいた。
(まあいいか寝よう。)
こうして奇妙な1日を終えた。
次の日、洋子に自分の能力は何なのか聞いたがわからないと言われた。考えてみれば当然だ。個人差があるっていうレベルじゃなく、本当に人それぞれの能力なのだ。
そしていつものように学校に登校する。玄関を開けると鈎武と瑠火闇がいつものように待っていた。
「おはよう、昨日は大丈夫だった?」と鈎武は心配してくれていた。
「どうせ下痢かなんかだろ?」
対して瑠火闇は心配してはいなく、それはそれでいつも通りで良かった。
「うん、大丈夫だった。えっと...。」
「ん?えっと何?」
「いや、なんでもない。」
「そっか...。」
「変な奴。まあ、大丈夫そうなんだし行こうぜ。」
瑠火闇がそう言うと3人は学校へ向かった。
『覚醒したんだろ?僕も実は覚醒していたんだ。詳しくは学校に来てから話そう。』
李須召度は目を見開いた。鈎武の声が聞こえた。横に歩いていたのに頭の中で声がした気がする。そして、鈎武を見るとウィンクをしていた。
「着いたぞ、それじゃあな。」
学校に着いた3人は瑠火闇が違うクラスなので彼と別れて2人になった。
「おい、さっきの...。鈎武だよな?」
「そうだよ?」
「まさか...。お前の能力ってテレパシーとか人の心を読み取るみたいなやつか?」
李須召度は少し恐怖していた。単純に心を読まれることが気味が悪いと思っていたのだ。しかし...。
「いや、テレパシーとは全然違うんだよ。」
「え?」
ここまで会話して丁度クラスにつき、担任の大隈に「原之園さん、委員会があるから急ぎなさい。授業に遅れてもいいから。」と言われ、「話はまた後でね!」っと焦らされてしまった。
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