『R18』バッドエンドテラリウム

Arreis(アレイス)

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異世界転生者マリー編

第13話 未知の快楽

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 マリーの目の前には大きな洞窟の入り口がぽっかりと口を開いていた。
 全く舗装されていない洞窟そのものの姿はマリーに採掘道を思い起こさせる。
 岩肌は地下水によるものなのかしっとりと濡れ、天井からは透明な水滴が滴っている。
 ぴちょん、ぴちょんと水のはじける音が反響し、洞窟内を冷たい空気が覆っていた。
 マリーは高速移動をやめ、ゆっくりと中を進んだ。
 高速移動のまま罠へと飛び込み身動きが取れ無くなれば一巻の終わりだ。
 スライムや毒、ゴーレムに注意しながらマリーは洞窟の中を進んで行く。

 この洞窟は本当に人の手が入っていないようで、天井の低い所や高い所、狭い場所に広い場所と、ころころとその表情を変える。
 深さのわからない池のような場所もあり、マリーは少しだけ怖くなってきてしまった。
 いつだったか、暗い洞窟で見たことも無い化け物が出て来る映画を見た事がある。
 それを思い出してしまっていた。

 しばらく進むと、分かれ道へと辿り着いた。
 この頃には地上の光が届かなくなっており、マリーの手にはランタンが提げられている。
 左右とも風が吹いて来ており、出口には繋がっているらしい。
 違うのはその空気で、左からはひんやりとした冷たい空気が、右からは生暖かい空気が流れ込んできている。
 外の暖かな空気と混ざったのであれば生暖かい方が正解だが、マリーにはこの空気に対してのトラウマがある。
 スライムの苗床となった女が居たあの空間。
 あの時の空気がちょうどこんな感じだった。
 
 マリーは意を決し、ひんやりとした空気の道を選ぶ。
 またあのような光景を見せつけられるかもしれないと思うと、生暖かい方にはどうしても足が向かなかった。
 道の先は下り坂になっており、濡れた岩が足を滑らせる。
 マリーは転ばないように気をつけながら、慎重に歩みを進めた。
 すると現れたのは、広大な地底湖だった。
 先が見えず、どこまで広がっているのかもわからないそのスケールに、マリーは思わず身震いしてしまった。
 ひんやりとした空気は冷たさを増し、体の芯へと浸透する様なものへと変わっている。
 水滴の反響が鳴り響き、その静けさと底知れぬ広さがマリーの恐怖心を煽る。
 出来るだけ地底湖を避け、壁伝いに奥へと進む。
 地底湖と同じようにこの空間にも終わりが見えず、マリーは延々と闇の中を歩いた。
 終わりの見えない疲れとその緊張感からか喉が渇く。
 幸い、マリーにはお腹を壊さない恩恵がある。
 地底湖へとゆっくりと近づいて、その中を覗き込んだ。
 水はとても澄んでおり、十分な明かりさえあれば底まで見えそうなほど。
 見るからに綺麗なその水を、マリーはひとすくい口へと運んだ。
 きりっと冷えた水が体を満たし、疲れを和らげてくれる。
 ほっと一息ついてから、マリーは歩き続けた。
 
 どれだけ歩いただろう。
 未だ地底湖に終わりは見えず、景色も変わらない。
 何度目かになる給水を済ませ、マリーは再度歩き始める。
 そしてまた水を飲もうと地底湖を覗き込んだ時、マリーの手首を冷たい何者かが引っ張った。

 「えっ!? きゃっ……」

 ドボンと音を立てて、マリーは水中へと引きずり込まれる。
 マリーを引っ張った犯人の姿は見えないが、水中に入ってなお手首には何者かに掴まれている感覚と、それに続いて残った手足を掴まれる感覚が襲う。
 水中にありながら、マリーの四肢は身動きが取れないように大の字で固定されてしまった。
 
 「んんっ!? んー!」

 必死にもがくも拘束は緩まず、ただ息苦しさだけが増していく。
 四肢を掴む者が何かはわからないが、少なくとも害を成す者である事は確かだ。
 マリーはしばらく抵抗を続けたが、拘束は一向に緩まない。
 しかし、転生者としての体は水中にも適応しているようで、息苦しさが増すものの窒息してしまうようなものではなかった。
 随分息を止めているにもかかわらずまだ思考は正常で、落ち着いて考えられるだけの余裕もある。
 どうしたものかと思案するマリーの体を、突然別の感覚が襲った。

 「んんっ!? ん……んんっ!」

 何者かが、マリーの服を脱がせている。
 器用に鎧の金具を外し、ブーツを脱がせ、下着を脱がせる。
 そうしてあっという間に裸にされたマリーは、全身を襲う快感に晒された。
 
 「んっ……んんっ……」

 腕や足、お腹、太もも。
 全身を揉みほぐすように優しく圧迫される。
 まるで周りの水全体に襲われているようなその感覚は、マリーに未知の快感を与えている。
 それに加えて、口と秘部、尻には筒状の物が挿し込まれ、ゆっくりと抽送を繰り返していた。
 この何者かはそれ自体が水分なのであろう。
 どんな形にもなれるその特徴を活かし、マリーの体へ一切の苦痛を与える事無くただ快感だけを与えていた。
 
 マリーは完全にパニックに陥っていた。
 服を脱がされたかと思えば突然全身を嬲られ、訳がわからないまま快感を与えられる。
 堕落の花の時とは違うはっきりとしたその行為に、マリーはどう抵抗したら良いのかもわからない。
 困惑している内に、マリーは初めての絶頂を迎えた。
 喉奥から与えられる圧迫感と、秘部から全身へと伝わる甘い痺れ、お尻の奥を撫でる何かがそれを増幅し、乳首からは切なくも疼く感覚が襲う。
 そんな未知の感覚の連続にマリーが耐えられるはずも無く、水中に大量の愛液を放出しながらがくがくと体を震わせた。
 
 はっきりと意識のある状態で襲われたのはこれが初めてだった。
 元の世界を含めても初めての性行為による快感はマリーの思考力を奪い、その秘められた欲望を露にする。
 マリーは今、満たされていた。
 全身を責めるこの何者かが愛しいとさえ感じられ、それによって与えられる快感が快楽へと変わっていく。
 全身の穴という穴をもっと突いて欲しい。
 全身を強く抱きしめ、もっと触れていて欲しい。
 自分が水中に居る事などとうに忘れ、マリーは与えられる快楽を貪った。
 自ら腰を動かし気持ちいい場所へと導いて、舌を突き出して美味しそうにしゃぶる。
 その全身を溶かすような性行為は永遠とも思える時間続き、ついには何者かが先に限界を迎えてしまった。
 
 解放されたマリーは水面に漂っていた。
 全身を温かな感覚が包み込み、心が満たされている。
 未だ続く甘い痺れが行為を思い出させ、マリーは時々切ない声で鳴いた。
 
 「っはぁ……♡ っ……はぁ……♡」
 
 もう指の一本すら動かす事が出来ず、マリーは揺蕩い続ける。
 蕩けた頭は未だ快楽を欲し、愛液を垂れ流す蜜壺は期待に震えている。
 今すぐ誰かが抱いてくれたなら。
 そんな願いが満たされる事も無く、ただマリーの中へと沈んでいく。

 「行かないと……」

 マリーが動き出したのはそのしばらく後だった。
 水面に浮かんだ鎧と服を拾い、地面へとよじ登る。
 よじ登ろうと体に力を入れた際、ふたつの穴から白い液体が溢れてきた。

 「んんんっっっ♡」

 内壁を撫でられるようなその感覚にマリーは一瞬で絶頂へと達し、水中へと下半身を戻してしまう。
 ひくつく二穴は更なる刺激を求め、マリーの意思とは関係なくぱくぱくと口を開いている。
 その度に内壁をなぞる水の動きに、マリーは小さな絶頂を繰り返した。
 結局、マリーは数時間をかけて地面へと上がった。
 火照りきった体もこの頃には落ち着きを取り戻し、ようやく体を支配する情欲から解放された。
 解放されたマリーが一番初めに思ったのは、自分の体に関しての疑問だった。
 経験の無い初めての行為がこんなに気持ちのいい物なのか。
 ただ全身を責められただけでここまで何も考えられなくなるのか。
 これは、普通の事なのか。
 初めての経験に様々な憶測が浮かび、答えが出ないまま消えていく。
 あの行為を思い出すと、まだ体の奥から疼きが蘇ってくる。
 お腹の奥がきゅんとし、切なさがこみ上げる。
 もう一度、地底湖に入ったら。

 浮かんだその願いをかき消すように頭を振って、マリーは装備を整える。
 未だ愛液なのか地底湖の水なのかわからない液体を垂らす自らの秘部をもどかしく思いながら、マリーは地底湖の端へと到達した。
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