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1章: まずは結界を破ったる!
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「人間よ。この先に進むことは許さぬ。引き返せば命は奪わない」
どこからともなく女の声がする。
甲高い、それでも強圧的な若い女の声。
くそっ、俺を追い出したあのエルフの女によく似た口調で腹が立つぜ。
「あ? 聞こえねえな?」
わざとらしい俺の返しにもう一本矢が飛んでくる。
奴さん、今度は俺の足の間を狙いやがった。
「これが最後の警告である。早々にここを立ち去れ。次は命はないぞ」
俺みたいな反抗的な態度は向こうも初めてなのか、多少声にいら立ちが感じられる。
「ククク、こいつは面白くなってきやがった・・・・・・今度はちゃんと狙えよ」
「愚か者が」
落胆の口調の後、すぐに俺めがけて矢が飛んでくる。
そんなもの、素手で受け止めてやった。
「何だと?」
「おら、こんな棒きれ飛ばしてこないで、差しで勝負しろよ! どこにいるんだ、出て来い! 森に火をつけるぞ!」
挑発を真に受けたのか、俺を囲むように複数の影が囲んだ。
「我らの警告を無視するにとどまらず、神聖な森に火を放つとは下賤な人間め。覚悟は、出来ているな?」
出やがった、出やがった。
魔法の金属、ミスリルで出来た剣や短刀をギラギラ光らせて、殺気立った目を向けるエルフの女どもが多数お出ましだ。
相手は六人。どれも里の戦力になったばかりという若い娘だ。
まあ、長命種の連中はガキもババアも同じ容姿に変わりはないのだが。
「出てきやがったな。 とんがり耳共が。お前らこそ、俺の腹の虫を収めるために、悪いが餌食になってもらうぜ」
エルフの里では戦力に育った若者を里の見張り役につけて、実戦を踏まえての戦闘訓練を経験させるという習慣があるらしい。
こうした戦闘配置は俗に結界と呼ばれている。
要するに、こいつ等は門番役の雑魚で、里の奥に進めばもっと強敵が控えているということだ。
小手調べには丁度いいだろう。
「で、どいつからぶっ飛ばされたいんだ?」
俺も得物を構えた。
ちなみに俺の得物は背丈ほどの樫の棒。
その先端に刃はついていない。
「そのような武器で我らに刃向かうつもりか?」
向こうは鋼さえも打ち砕くミスリルの剣。
武器だけで言えば勝負にはならないと思うのはよく分かる。
だが実戦というのはそれだけじゃない。
「だったら試してみるか?」
「ええい! 恨むなよ! 人間!」
俺の右手を固めるエルフが剣を大きく振りかぶって斬りかかってくる。
予想した通り、隙だらけの構えだ。
振り下ろした剣を苦も無く切り抜け、残心さえ取らない背中に向かって俺はしたたかな棒の一撃を叩き込む。
「あ~~ん!!」
思いっきりうなじを打たれたエルフは妙に色っぽい声を上げやがった。
「あ、あぁ・・・・・・」
衝撃で脳が揺れればエルフだろうが、人間だろうが、あっけなく気絶する。
ただその直前は妙に開放的な心地がして、こうやって倒される奴は妙に色っぽい姿を一瞬見せるのだ。
そうして嬌声を上げたエルフは地面にバッタリ倒れ込む。
無論、身繕いを整える余裕なんか残っちゃいない。
無様な倒れ方を晒すだけだ。
「けけ、おパンツ丸見えでやんの」
「姉さん!」
「お前! よくも!!」
いいぜ。面白くなってきやがった。
どこからともなく女の声がする。
甲高い、それでも強圧的な若い女の声。
くそっ、俺を追い出したあのエルフの女によく似た口調で腹が立つぜ。
「あ? 聞こえねえな?」
わざとらしい俺の返しにもう一本矢が飛んでくる。
奴さん、今度は俺の足の間を狙いやがった。
「これが最後の警告である。早々にここを立ち去れ。次は命はないぞ」
俺みたいな反抗的な態度は向こうも初めてなのか、多少声にいら立ちが感じられる。
「ククク、こいつは面白くなってきやがった・・・・・・今度はちゃんと狙えよ」
「愚か者が」
落胆の口調の後、すぐに俺めがけて矢が飛んでくる。
そんなもの、素手で受け止めてやった。
「何だと?」
「おら、こんな棒きれ飛ばしてこないで、差しで勝負しろよ! どこにいるんだ、出て来い! 森に火をつけるぞ!」
挑発を真に受けたのか、俺を囲むように複数の影が囲んだ。
「我らの警告を無視するにとどまらず、神聖な森に火を放つとは下賤な人間め。覚悟は、出来ているな?」
出やがった、出やがった。
魔法の金属、ミスリルで出来た剣や短刀をギラギラ光らせて、殺気立った目を向けるエルフの女どもが多数お出ましだ。
相手は六人。どれも里の戦力になったばかりという若い娘だ。
まあ、長命種の連中はガキもババアも同じ容姿に変わりはないのだが。
「出てきやがったな。 とんがり耳共が。お前らこそ、俺の腹の虫を収めるために、悪いが餌食になってもらうぜ」
エルフの里では戦力に育った若者を里の見張り役につけて、実戦を踏まえての戦闘訓練を経験させるという習慣があるらしい。
こうした戦闘配置は俗に結界と呼ばれている。
要するに、こいつ等は門番役の雑魚で、里の奥に進めばもっと強敵が控えているということだ。
小手調べには丁度いいだろう。
「で、どいつからぶっ飛ばされたいんだ?」
俺も得物を構えた。
ちなみに俺の得物は背丈ほどの樫の棒。
その先端に刃はついていない。
「そのような武器で我らに刃向かうつもりか?」
向こうは鋼さえも打ち砕くミスリルの剣。
武器だけで言えば勝負にはならないと思うのはよく分かる。
だが実戦というのはそれだけじゃない。
「だったら試してみるか?」
「ええい! 恨むなよ! 人間!」
俺の右手を固めるエルフが剣を大きく振りかぶって斬りかかってくる。
予想した通り、隙だらけの構えだ。
振り下ろした剣を苦も無く切り抜け、残心さえ取らない背中に向かって俺はしたたかな棒の一撃を叩き込む。
「あ~~ん!!」
思いっきりうなじを打たれたエルフは妙に色っぽい声を上げやがった。
「あ、あぁ・・・・・・」
衝撃で脳が揺れればエルフだろうが、人間だろうが、あっけなく気絶する。
ただその直前は妙に開放的な心地がして、こうやって倒される奴は妙に色っぽい姿を一瞬見せるのだ。
そうして嬌声を上げたエルフは地面にバッタリ倒れ込む。
無論、身繕いを整える余裕なんか残っちゃいない。
無様な倒れ方を晒すだけだ。
「けけ、おパンツ丸見えでやんの」
「姉さん!」
「お前! よくも!!」
いいぜ。面白くなってきやがった。
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