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2章: 戦術なき軍師
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よもや途中で逃げ出すのではないかと危惧していたが、シアはその後、帝都の中心まで素直にレムダに付き従った。
ただ、野性的な生活習慣は中々抜けるものではなく、勝手に店の売り物を食べようとしたり、路上で鉢合わせしたチンピラと喧嘩沙汰を起こし圧勝してしまうのには多少苦労した。
ともあれ、与えられた使命に真っ直ぐな所はレムダも結構気に入っている。
「おい、見ろよ」
そして訪れた士官学校入学の当日。
新入生は皆、従者が五、六人は当たり前の貴族出身者と思しき少年少女。
そんな彼らにとって、赤眼族一人を従えるレムダは既に異様な存在だった。
「あれ、赤眼族じゃないか?」
「一体どこの家かしら? 安い奴隷一人しかつけないなんて」
「なんか、感じの悪い奴等だな」
「いいから気にしないで歩くんだ、シア」
「なあ、お前には連中と同じ子分はいないのか?」
「実家にはいるけど、随伴を許されなかった」
「どうして?」
「親が、許さなかったんだよ。不肖の末息子に付ける使用人はいないとね。まあ、お陰で道中気楽だったし、それにいい買い物もできたし」
「・・・・・・それ、私のことか?」
「肩身の狭い所かもしれないけど、食事だけは期待していい」
「本当か! やったぁ!!」
「着いたぞ。ここが僕達の部屋だ」
貴族出身者の士官候補とあって、在学中に通う寄宿舎は個室になっている。
勉強机にベッド、基本的な家具の他に調度品や装飾品まで備え付けられている。
ここで共同生活する従者に身の回りを世話をさせるのが学生の典型スタイルだ。
「やったぁ!! 広いな! ここ」
数人の従者も収容できるとあって、部屋は二人暮らしでは十分過ぎるほどに大きかった。
「おっ、何かフカフカの物がある」
部屋の隅に置かれたベッドにシアは飛び込んだ。
ちなみにそこはレムダに用意されたはずのものだった。
「やれやれ、こっちだと僕が彼女の世話をすることになりそうだ。こら、シア、ベッドの上で飛び跳ねるんじゃない!」
「いいじゃないか! ここだと人目を気にしなくてもいいんだし。ああ・・・・・・この服、窮屈だった」
「おい、いきなり服を脱ぐなって!」
「人前で、の話だっただろ~」
「僕がいるだろうが!」
レムダは一枚ずつ脱ぎ捨てられる服を拾い集める。
丁度その時、部屋をノックする音が響いた。
ただ、野性的な生活習慣は中々抜けるものではなく、勝手に店の売り物を食べようとしたり、路上で鉢合わせしたチンピラと喧嘩沙汰を起こし圧勝してしまうのには多少苦労した。
ともあれ、与えられた使命に真っ直ぐな所はレムダも結構気に入っている。
「おい、見ろよ」
そして訪れた士官学校入学の当日。
新入生は皆、従者が五、六人は当たり前の貴族出身者と思しき少年少女。
そんな彼らにとって、赤眼族一人を従えるレムダは既に異様な存在だった。
「あれ、赤眼族じゃないか?」
「一体どこの家かしら? 安い奴隷一人しかつけないなんて」
「なんか、感じの悪い奴等だな」
「いいから気にしないで歩くんだ、シア」
「なあ、お前には連中と同じ子分はいないのか?」
「実家にはいるけど、随伴を許されなかった」
「どうして?」
「親が、許さなかったんだよ。不肖の末息子に付ける使用人はいないとね。まあ、お陰で道中気楽だったし、それにいい買い物もできたし」
「・・・・・・それ、私のことか?」
「肩身の狭い所かもしれないけど、食事だけは期待していい」
「本当か! やったぁ!!」
「着いたぞ。ここが僕達の部屋だ」
貴族出身者の士官候補とあって、在学中に通う寄宿舎は個室になっている。
勉強机にベッド、基本的な家具の他に調度品や装飾品まで備え付けられている。
ここで共同生活する従者に身の回りを世話をさせるのが学生の典型スタイルだ。
「やったぁ!! 広いな! ここ」
数人の従者も収容できるとあって、部屋は二人暮らしでは十分過ぎるほどに大きかった。
「おっ、何かフカフカの物がある」
部屋の隅に置かれたベッドにシアは飛び込んだ。
ちなみにそこはレムダに用意されたはずのものだった。
「やれやれ、こっちだと僕が彼女の世話をすることになりそうだ。こら、シア、ベッドの上で飛び跳ねるんじゃない!」
「いいじゃないか! ここだと人目を気にしなくてもいいんだし。ああ・・・・・・この服、窮屈だった」
「おい、いきなり服を脱ぐなって!」
「人前で、の話だっただろ~」
「僕がいるだろうが!」
レムダは一枚ずつ脱ぎ捨てられる服を拾い集める。
丁度その時、部屋をノックする音が響いた。
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