パンチラ見たくて風魔法を極めた俺はいつの間にか落ちこぼれクラスから学院最強の魔導士になっていた

自慰煽情のアリア

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1章: 学院内権力組織

捜査

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「はい、あの人とは同じ学校でお勉強をしているのです。それじゃ、今度いじめられても暴力はいけないのですよ。でも態度だけは毅然として」
「うん! 僕、頑張るよ。ありがとう! 発情お姉ちゃん!」
「んなっ!!」
 ティラは顔をひきつらせていたが、男の子に悪気がないのを知ってか、無理に笑顔を作って見送った。無理な笑顔は当然、周囲がシュロムだけになるとあっという間に消えた。
「何なのですか? その目つきは」
「いや、その・・・・・・あの子、知り合いとかですか?」
「違うのです。ここを歩いていたら、年上の男の子の集団にあの子がいじめられていたから、注意をしてあげていたのです! そしたら相手側の一人がいきなり後ろからスカートをめくり上げて、いきなり『発情女』なんて罵るから、やむなく拳骨制裁を加えてやったのです」
「ああ・・・・・・そういうことね」
「何でそこで、あなたが納得するのですか?」
「いや! 状況を理解したという意味で。統制委員会が学院外で弱い者いじめを取り締まるってこともあるんだなって」
「失礼な! それでは統制委員会がそもそも弱い者虐めをしているみたいに聞こえるのです!!」
「いや! そんなつもりは! ところで、こんな路地を何用で?」
 シュロムは次から次へと無害そうな話題を探すのに苦労した。
「なぜ私がここに居るかって? 秘密の調査をしている所だったのです」
 ティラはよくぞ聞いてくれたとばかりに鼻を鳴らした。
「秘密の調査?」
「最近、この辺りで何者かが風魔法を使って女の子のスカートをめくっている可能性があるのです」
――ギクッ!!
「そんなこと、する人がいるんですか? へぇ・・・・・・」
「最初は私も、坂の下から上向きに風が吹いているだけだと思っていたのです。でも事件が起きた日には、そんなに風が強くない日もあったのです。しかも現場は決まってこの路地なのです」
「偶然じゃ、ないとかですかね?」
「それは有り得ないのです。その証拠に、昨日絶対に怪しいと思って巡回していたら、挙動不審な男をひっ捕まえたのです!」
「挙動不審な男?」
 これだから次のアルバイトは土曜日だと念を押したのに。日取りを間違えた客の一人がやらかしてしまったらしい。
「ソイツをシメテやったら、この路地に定期的に現れる魔導士の学生が、魔法で通り掛かった女性のスカートをめくって見物料を貰っていると白状したのです! しかも嘆かわしいことに、我らがグラン=アカデミーの制服を着ていたというのです! これは統制委員会として、絶対に見過ごすわけにはいかないのです!!」
「が、頑張りますね・・・・・・」
「当たり前です。私は統制委員の人間です。それに私は・・・・・・誰にも恥じない模範生でなければならないのです」
 ティラはどこか蔭の射す表情で語った。
「え?」
「・・・・・・何でもありません。それよりあなたこそ、こんな場所をどうしてフラフラ歩いているのですか?」
「え、ああ! ちょっと街で買い出しに!」
「買い出し? それではよくここを通るのですか? この辺で、最近不審人物を見かけたのではないのですか?」
「見てない、見てないって!」
「第一、 あなたも制服姿ですよね?」
 ティラの視線がだんだんと訝しげになる。
「ちょっと待って! 俺を疑っているんですか?」
「あくまで参考程度に訊いているまでですが」
「いや、でも俺はFクラスですよ! 魔法が使えないFクラスですから! エ・フ・ク・ラ・ス!!」
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