異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第10章 エピローグと新たな季節

第92話「はじまりの場所へ、そして未来へ」

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春の風が優しく頬をなでる。
 天城悠翔は、小さな手を引いて丘の上に立っていた。隣には妹のひなの。彼女の髪も、春の陽光を浴びてキラキラと揺れていた。

「お兄ちゃん、あそこ見て! お花がいっぱい咲いてるよ!」

 ひなのの指差す先には、悠翔たちが昨年種を撒いた花畑。冬を越え、春の陽に目を覚ました花たちが、色とりどりに咲き誇っていた。

「……ああ。きっと、村の人たちも見に来るだろうな」

 この丘は、かつてひなのとふたりでこっそり登った、あの“はじまりの場所”だった。

 あの頃は、何もなかった。
 不安と焦燥と、目の前の妹を守らなきゃという気持ちだけで、必死だった。

 でも今は、違う。

「おーい! 悠翔ー!」

 丘の下から聞こえてきたのは、村の少年リクの声。続いて、仲間たちも次々とやってくる。春の収穫を終えたばかりの、元気な笑顔だ。

「やっぱここが、一番眺めいいよなぁ!」

 「でも、おにいちゃんとひなのが一番最初に見つけた場所だもんね!」

 皆が笑って、頷いた。
 悠翔の胸の奥がじんわりと温かくなる。

(この村で……僕たちは、本当にたくさんのものを手に入れたんだな)

 家族のような人たち。
 働く場所。
 守りたいと思えるもの。

 そして──未来。

「ねぇ、お兄ちゃん。……私、大きくなったらね、お兄ちゃんみたいに牧場やる!」

「えっ、ひなのが?」

「うんっ! お花もいっぱい育てるんだよ!」

 悠翔は少し驚いた顔をしたあと、すぐに微笑んだ。

「そっか。じゃあ、その時は……僕も手伝うよ」

「やくそくだよ!」

 指切りを交わすふたり。
 春の風がまた、やさしく吹いた。

 遠くでは、村の新しい家屋の建設が進んでいる。
 地平の先には、新しい出会いと、新しい挑戦が、まだまだ待っている。

 でも今はただ、ここで。

 ひなのと、村のみんなと一緒に、少しだけ、春を感じていたいと思った。


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【イベントログ】

 イベント「春の訪れ」完了
 ひなのの夢イベント発生
 村の未来計画進行中
 次の目標:「村の交流拡大と、新しい種まき」


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