異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ

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第10章 エピローグと新たな季節

第103話「王都の再建と、新たな日常」

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王都ラディウスは、かつての喧騒と栄華を取り戻しつつあった。

 瓦礫は片付き、焼け落ちた街区には新しい家が建ち始めている。魔力の乱れも女神の加護によって鎮められ、穏やかな風が王城の塔を撫でていた。

 その王都の一角――再建された中央庁舎の裏手に、白い柵で囲われた敷地がある。

「ほら、もう少し右。そうそう、そのくらいの角度で!」

 悠翔の声が響く先で、若い魔道建築士が汗をぬぐいながら資材を運んでいた。小さな畑。動物用の囲い。簡易倉庫に、風を通す木製の納屋。

 ――そう、悠翔は王都に「第二の牧場」を作り始めていたのだ。

 名目は、王都復興のための農業支援拠点。だがその実態は、街の人々が自然と触れ合える、心のよりどころとなる「癒やしの場所」だった。

 彼が牧場で培った知恵と経験が、今は多くの人を支えている。

「こっちの畝、種まき終わったよ!」

 元・冒険者の少年少女たちが、汚れた手で笑い合う。
 騎士団の若手も、訓練の合間に土を耕すようになっていた。

 ――戦いだけじゃない、守り方がある。

 悠翔の存在が、少しずつそれを周囲に伝えていた。

「悠翔、こっちの調合、試してみてくれる?」

 声の主は、王立薬学会に招かれたレティアだった。彼女もまた、王都に残って協力を申し出た一人だ。あの「黒雲事件」以降、信頼を勝ち取った彼女は、今や再建計画の一翼を担っている。

「うん、任せて」

 受け取った試験瓶の中身を軽く嗅ぎ、配合の変化を確かめる。悠翔の“感覚”と“加護”は、調合判断にも役立っていた。

 そしてその背後では、先日王都入りしたひなのが、真剣な顔で本を読んでいた。

「魔法の基礎理論……って、意外と理屈っぽいのね……」

 勉強を始めた理由は、「兄ちゃんの隣に立ちたいから」――
 その一途な想いが、彼女の歩みを少しずつ広げていく。

 夕方になると、第二牧場にはささやかな集いが開かれる。

 焼き立てのパンとスープ。採れたての野菜。
 旅の吟遊詩人が奏でる笛の音に、笑い声が混ざる。

 悠翔は、焚き火の前で椅子に腰かけながら、ふと思った。

(……あの頃、ただの“生き残り”だった俺が。こんな風に、人を笑顔にできるようになるなんて)

 孤独な始まりだった。家族を失い、見知らぬ世界に飛ばされて。
 だが、ここには仲間がいる。帰る場所がある。そして、支えるべき人たちがいる。

 そう、彼は――この異世界の一部になったのだ。

「兄ちゃん、次はどこに行くの?」

 ひなのの問いに、悠翔は空を見上げる。

「西の方に、干ばつで困ってる地方があるって聞いた。しばらく準備して、そこへ行こうと思ってる」

「そっか。じゃあ、次の牧場もまた作るの?」

「……うん。たぶん、ずっと作ってると思う。牧場って、俺にとって……“生きる形”だから」

 彼の言葉に、焚き火の火がぱちりと弾けた。

 それはまるで、この世界が彼の歩みに祝福を送っているかのようだった。


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【イベントログ】

イベント:「王都第二牧場設立」完了

新スキル【癒しの環】獲得(周囲に心の安らぎを与える魔力フィールド)

サブ目標:「街の再建支援」達成度:70%

仲間更新:レティア(王立薬学会所属)、ひなの(魔法学習中)

次の目標:「干ばつの土地を救う支援旅」計画中



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