ユメのあとさき

あおあおの部屋

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第12話 鬼神

任務完了〈ミナト視点〉

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「ユメ!?」

「!」

 戦いの合間で、アンリの切羽詰まったような声が聞こえた。

 その声が呼んだ名前に反応して、声の方向を見ると、ユメちゃんはアンリに抱えられて意識を失っているようだった。

 いつの間に……くそ、戦いに集中しすぎた!

「……ふむ」

「う、わ!?」

 トーマが視界の端で空中から転がる。

 ……【傲慢】の戦意が消えてる……?

「無事、魔王様がいらっしゃり、贈り物は届いたようだ。私の役目は果たされた」

「なんだと……?」

 【傲慢】は構えを解き、来た時と全く同じ姿勢で立っていた。

 おれも警戒はしながら見据える。

「此度の任務は完了した。失礼する」

「あ、待てよ!」

 トーマが飛びかかる前に【傲慢】は消えて、そのままトーマはよろける。

 魔王……まさか、そのせいでユメちゃんに異変が……!?

 とにかく、今はユメちゃんだ。

「ユメちゃん!」

 急いで駆け寄ると、抱えているアンリ、それからルキウスが気付く。

「ミナト……」

「ユメちゃんに何があった?」

 アンリに聞いても、首を横に振った。

「すまない……私にも分からないんだ。急にうずくまったかと思ったら、私の呼び声に反応せず……頭痛に苛まれているようではあったが……」

「頭痛……」

 【強欲】と初めて戦った時も、ユメちゃんは頭痛を起こしていた。

 となると……魔族関係を何か思い出した可能性がある。

 それで、気絶したのか。

 ――いや、それよりも今、気になるのは。
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