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第12話 鬼神
気、引き締めないと〈ミナト視点〉
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「全員、重症だったが一命は取り留めた。特にそこの栗色の髪の彼が一番深手だった」
栗色……シュウか。
「胸を切り裂かれていてな。一歩遅ければ手遅れだった。駆けつけた時には首をへし折られる寸前だったらしい――やったのは【暴食】だ」
あのひょろ長い……転移装置の技術者に化けて、おれたちを分断した奴か。
「それから、そこの彼女は左足と肋骨が何本かへし折られていた。内臓にも損傷があったものの、なんとかもってくれたよ。彼女の元には【色欲】が確認された」
……遊郭の。
「最後に魔族の彼。住民が襲われているのを庇ってこうなったらしい。他の2人に比べると魔族な分、回復が早いだろうな。背中を切り裂かれ痛めつけられていた。相手は【嫉妬】だ」
あー……あいつ。アサラ、また会ったのか。
それか……プライドの高い【嫉妬】が、アサラを狙ったか……。
「……皆、殺されかけたところを助けられた感じだね」
「うへー、痛そう」
「助かったよ、ありがと」
とりあえず礼だけは言っておかないと、って声を掛けると「いや」と返された。
「礼を言うのはこちらの方だ。旅人の君たちに街を守ってもらったようなものだからな。助かった」
……まぁ、結果的にはそうなったのかも。
「じゃあ、起きたら伝えてやってくれる?」
「ああ、分かった。この部屋は好きに使っていい。あと、君たちはひとまず治療だな。医者がいる、案内しよう」
治療のためにルキウスについていくことに。
それにしても……シュウやアサラはともかく、リアの怪我も軽くない。
5年ぐらい傭兵やってて、腕も立つリアがやられるくらい強いってことか。
「……気、引き締めないとな」
栗色……シュウか。
「胸を切り裂かれていてな。一歩遅ければ手遅れだった。駆けつけた時には首をへし折られる寸前だったらしい――やったのは【暴食】だ」
あのひょろ長い……転移装置の技術者に化けて、おれたちを分断した奴か。
「それから、そこの彼女は左足と肋骨が何本かへし折られていた。内臓にも損傷があったものの、なんとかもってくれたよ。彼女の元には【色欲】が確認された」
……遊郭の。
「最後に魔族の彼。住民が襲われているのを庇ってこうなったらしい。他の2人に比べると魔族な分、回復が早いだろうな。背中を切り裂かれ痛めつけられていた。相手は【嫉妬】だ」
あー……あいつ。アサラ、また会ったのか。
それか……プライドの高い【嫉妬】が、アサラを狙ったか……。
「……皆、殺されかけたところを助けられた感じだね」
「うへー、痛そう」
「助かったよ、ありがと」
とりあえず礼だけは言っておかないと、って声を掛けると「いや」と返された。
「礼を言うのはこちらの方だ。旅人の君たちに街を守ってもらったようなものだからな。助かった」
……まぁ、結果的にはそうなったのかも。
「じゃあ、起きたら伝えてやってくれる?」
「ああ、分かった。この部屋は好きに使っていい。あと、君たちはひとまず治療だな。医者がいる、案内しよう」
治療のためにルキウスについていくことに。
それにしても……シュウやアサラはともかく、リアの怪我も軽くない。
5年ぐらい傭兵やってて、腕も立つリアがやられるくらい強いってことか。
「……気、引き締めないとな」
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