大阪人の俺と異世界人の美少女が組んだら最強。-レクイエム-

ただの女子高生

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勇者の国 番外編

番外編②-走れレオ、まじで

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レオは激怒した。
必ず、かのたこ焼きをこの世界に広めなければならないと決意した。

「なんてこった…この世界にはたこ焼きがないんか…」

これは由々しき事態である。
あんなに美味しいものが存在しないなんて。
これはもう、自分で作るしかない。

「よっしゃ!」

レオは寮の階段を駆け下りる。
そしてドアを勢いよく開ける。
リアンとレヴィは驚いてそちらを見て、ミラは鬱陶しそうに眉をひそめる。

「ミラ!今日は俺が晩御飯担当するわ!」
「お前出来るのか?どうせ馬鹿リアンと同じ感じだろ」
「いやいや、舐めてもらったら困るわ。俺はここ数年毎日料理しとったからな!」
「……なら好きにしろ」
「うん!楽しみにしといてな!!」

レオは寮を出ていこうとしたが、その足取りを戻す。

「そういえばリアンちゃん。こっちの世界ってタコっておる?」
「タコ?いるよ!」
「おお!」
「あの赤くて、」
「うんうん」
「12本足のやつでしょ?」
「いや知らん!!!!何それ!?!?」

レオは悩んだものの、味が一緒なら問題ないのでとりあえず買い物に行くことにした。


「適当に出てきちゃったけど、どこで買ったらええんやろ。でもみんなには驚いて欲しいから手伝わせる訳にはいかへんしなぁ」

そこで名案を思いついた。

「そうや!護衛班のみんなの所に行こ!」


 ❁


レオは訓練場に向かった。
見ると、そこには金髪ゆるふわツインの美少女、アテナがいた。

「わっ!」
「きゃ!?」

驚いたアテナはレオに背負い投げをくらわせる。
油断していたレオは思い切り叩きつけられる。

「なんだ、アナタだったのね。驚かせないでくれるかしら」
「ご、ごめんなさい……」

レオは砂を払いながら立ち上がる。

「久しぶりやな!」
「4日ぶりくらいよ」

アテナは冷たく返答する。

「何しに来たのよ」
「あ、そうそう。今日の食材を買いたいねんけど、俺この国のこと知らんからお店とか教えてもらおうと思ってん」

それを聞いたアテナは耳をぴくりと動かす。
そして髪をいじりながら、

「そ、それなら一緒に行ってあげてもいいけど…?」

と目を逸らしつつ提案する。
しかしアホには伝わらない。

「ほんま!? じゃあナツたちも誘ってくるわ!」
「え!?」


 ❁


「ガッハハ!それでアテナは不機嫌な顔してるのか!」
「ナツなんでか分かるん?」
「分からない方が分からないぜ!!」
「ナツ?」
「うーん、鈍感だねぇ」
「ハル!?」
「……(天然たらし)怖い」
「ユキ!?!?」

レオは考えてみたが、乙女心は1ミリも分からなかった。
そのとき、ユキの髪型が変わっていることに気がついた。
一緒に訓練していた時は、前髪が目にかかる程だったのが、今はスッキリして目が見える。
ユキと目が合うと、彼は慌てて髪を寄せて目を隠そうとする。

「レ、レオもおかしいって思ってるんでしょ…」
「ごめんなレオ、髪を切りすぎたみたいで最近ずっとこの調子なんだ」

レオはユキに近づき、太陽のように笑った。

「前の感じも好きやったけど、今もカッコよくていいと思うで」
「!」
「それに俺はユキと目を見て話せるから嬉しいわ」
「!?」

ユキは眩しすぎて呆然としていた。
そして急に走ってナツの背中に隠れる。

「…おいレオ、そういうとこだぞ!!!」
「どういうとこ??」
「怖い…天然怖いよぉ」
「レオ、これが通常運転だから気にすんな!」
「う、うん」

ナツは隠れるユキを引っ剥がす。
すると、ハルが思い出したように、

「あ!それより買い物行かなくていいの?」
「忘れてた!みんなで行こうや!」
「アテナには悪ぃが、オレも行きたいから5人で行こうぜ!」
「…賛成」

その時。

「貴方たち、午後からも訓練がありますよ」

そこには、凛としたカレンが立っていた。
今日も今日とて(リアンが関わらなければ)冷静沈着である。

ハル・ナツ・ユキはがっくりと肩を落とす。

「────ですが、実戦も大切です。今日は“選ばれし者”が街に出るそうなので、護衛をしましょう」
「「「はーい!!!」」」


 ❁


こうしてハル・ナツ・ユキ・アテナとレオの5人は街に降りていった。

「まず何を買うんだ?」
「タコ!!12本足なんやろ?」
「アナタ何言ってるの?タコは8本足でしょう」
「(リアンちゃんっっっ…!!)」

「レオって阿呆だったんだね」
「…知ってたけどな」
「そこぉ!!!聞こえてるで!?!?」

ナツが魚介類を買うならここ、という場所があるらしく、ついて行くことにした。
そこにはイカついおじさんが腕を組んで立っていた。

「らっしゃああああい!!!!」
「「おっっしゃあああい!!(レオ&ナツ)」」
「共鳴しないでくれるかしら…」


⸜  ෆ‪  ‪⸝‍レオはタコ1匹をGETした!⸜  ෆ‪  ‪⸝‍テレレレッテッテー


 ❁

「次は、卵と牛乳!」
「……それなら安い所があるよ」

ユキに連れられてたどり着いた店には、乳製品や卵など、様々な食品が置いてあった。

「いらっしゃいませぇ」
「卵と牛乳ください!」
「あらお客様ぁ︎︎︎、運がいいですわぁ︎︎︎。今日はいい卵を仕入れることが出来ましたの」

そう言って店員が見せてくれたのは虹色に輝く卵だった。

「うおお!勇者の国ってすごいねんな!」
「…いや流石にボクも初めて見た。レオやめとい────」
「これください!!!」
「ちょ!?!?」
「お買い上げありがとうございますぅ」

ユキはレオの肩を掴んで揺さぶる。
レオは「わああ」とゆるく楽しそうにしている。

「…やめとけよ!あんな色のモン食べたら腹下すぞ…」
「そうよ、やめときなさい!」
「えぇ~大丈夫やろ」

ユキとアテナの説得よりも、虹色の卵という魅力に惹き付けられる。
そんな中、ハルが2人の間からひょっこりと顔を出す。

「わたしはいいと思うよ!美味しそうだし!」
「……確かに美味しそうだよね、僕もそう思ってた」
「!?!?」

それを見ていたアテナは驚愕の表情を向ける。

「(ユキ、まとも枠じゃなかったの!?
 ハルが関わるとポンコツになるんだから……)」


⸜  ෆ‪  ‪⸝‍レオは虹色の卵と普通の牛乳をGETした⸜  ෆ‪  ‪⸝‍


 ❁


「次は小麦粉やな!」
「ならとっておきの所があるよ!」

数分歩くと、小麦を栽培しているハルの親戚の店についた。

「あらぁハルちゃん久しぶりね。元気にしてた?」
「うん!今日は友達が小麦粉を買いたいって」
「そうなの。今日製粉したばかりのものがあるわよ」

持ってきてくれた小麦粉は、とても美しく輝いていた。
 これでたこ焼きを作れば必ず美味しいものになる……そうレオは確信したのだった。

「おねーさん、これ10kgください!」
「あらぁ、良い子ね。1kgオマケしちゃう♡」
「やっった!!」

護衛班は嬉しそうなレオを引っ張る。
そして小声で、

「買いすぎよ!そんなに食べれないんだからやめときなさい」
「そうそう。ミラさんに怒られるぜ」
「それは困るわ!そろそろ殺されてまう!」
「……この短期間でそんなにやらかしたのか?」

しかし、レオは花のように大きく笑う。
その笑顔に全員、一瞬目がくらむ。

「でも、たくさんあったら護衛班のみんなにも分けてあげれるしなぁ!」
「……いやでも、」
「いいんじゃない?確かに10kgくらい一瞬で食べきっちゃうわよね」
「!?!?」

ユキは急に手のひらを返したアテナを驚愕の表情で見る。

「(…アテナってまとも枠じゃなかったのか?
 レオが関わるとポンコツになるんだな……)」


 ⸜  ෆ‪  ‪⸝‍レオは小麦粉をGETした⸜  ෆ‪  ‪⸝‍テレレレッテッテー


 ❁


レオは買い物袋を確認する。
タコの足、卵、牛乳、小麦粉、ネギ、などなど。

「よし、これで作れるわ!みんなありがとう!」
「いいってことよ!」
「今度わたしたちも食べたいな!」
「もちろん!みんなでタコパしよな」
「たこぱ…?」

その時。レオは衝撃の事実に気づいてしまった…。

「あ────

レオの表情は暗くなる。

 ────そもそもたこ焼き器がないやん…」

「つまり???」
「たこ焼き作られへん…」
「「「えぇ!?!?」」」

するとたまたま通りかかったリアンが5人に気づく。

「あれ?レオたちだ!」
「あ、リアンちゃんや」

リアンは嬉しそうに近づく。

「アテナ、ハル、ナツ、ユキ。おつかれさま♪ 」
「だだだ団長!お疲れ様です!!」
「……すご。名前覚えてくれてる」
「めちゃくちゃ可愛い~!」
「(近くで見ると普通の女の子みたいだわ…)」

護衛班のみんなはアタフタする。
その反応を見たレオは、ほんまに団長なんやな、と実感するのであった。

「雰囲気暗かったけど、どうかしたの?」
「ああ、それがなぁ。食材はそろってんけど重要なものがなくて作られへんねん」
「ありゃ!───じゃあ晩ご飯は私が作るね!」
「え?」
「じゃ」
「え!?!?」

リアンは軽々と屋根を渡って帰ってゆく。
その姿を呆然と見ていたレオだが、ハッとした。

「あかん!!リアンちゃんが料理したら寮が爆発する!」
「「「「えええ!?」」」」
「この前ミラが殴ってまでして止めててん」
「「「「今すぐ追いかけて!!」」」」

レオは慌てて走り出す。
とにかく走らなければ寝る場所が無くなってしまう。

「リアンちゃん待ってぇぇえええ!!」

レオの悲痛な叫びが街に響き渡る。
残された護衛班は顔を見合わせ、呆然とするのであった。




 
ちなみにミラがフライパンで殴ってどうにか止めることが出来ました。

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