13 / 232
8歳
11
しおりを挟む
「シルヴェスター公爵は早速新しい妻を迎えたらしいな。」
しばらく皇帝陛下と雑談をした後この話をぶっ込んできた。これ聞きたかったんだろうなぁ。社交界の噂の的だし。
「息子として恥ずかしい限りです。母の弔いも終わらぬ前に妻を迎えるなど貴族として…いえ、人としての心が足りていません。」
まぁテオ様に会えたから僕としてはよくやったと言ってやりたいけどね。
人としてはダメダメだろう。
にしても、この皇帝…お人好しか?昔婚約者寝盗られたんだろ?よくその息子を視界に入れられるな。しかも僕は父親似だし。テオ様も父親似だから僕と似てるんだよ。
ふふ。それだけで幸せ。
「クラウス。私は君も息子のように思っている。君から会いたいというのならなにかねだりごとがあるんだろう?話してくれるかい?」
「全て察していらしたのですね。さすがへい「クラウス、君と私の間にお世辞はいらないよ。さぁ、話してごらん。」」
こわぁ。こういうとこ見ればこの人も貴族社会生き抜いてきたんだなぁって実感する。父様か腑抜けで本当に良かった。
「2つあります。1つ目は義母の連れ子のことです。魔法と剣術を皇宮で学ばせてもよろしいでしょうか?」
「連れ子を?理由を聞いてもいいかな?」
そんなのテオ様と一緒にいたいから。テオ様のカッコいいところを見たいから。テオ様似僕のカッコいいところ見てほしいから。に決まってる。言わないけども。
「闇魔法の適性があります。」
「それは…。」
だよね。めっちゃ危ない。でもね。テオ様は僕が守るの。
「はい。洗脳や諜報を得意とする闇魔法が他者の手に渡れば危険です。今のうちに取り込んでおくのが吉かと愚考致しました。」
「そう、だな。まさか闇魔法の使い手がもうひとり現れるとは…。公爵でも手を焼いたと言うのに。魔力の濃度はどのくらいだ?」
「濃いですね。僕くらいはあるかと。」
「…分かった。その件は了承しよう。頼んだぞ、シルヴェスター公子。」
「はい。承りました。もう1つの願いなのですが…。」
「なんでも言ってくれ。できることなら尽力しよう。」
よっしゃ。
先に帝国のためになること言っといてよかった。本でこういう心理学読んだことあるんだよなんて効果かは忘れたけど。
「僕の公爵という地位をできるだけ早く確立して頂きたい。父様を引きずり下ろす策は皇帝陛下が指示を下されば直ぐに実行できます。」
「承知した。正直、シルヴェスター公爵に公爵家を任すのは不安だったのだ。」
「ありがとうございます。」
だろうね。寝盗られが趣味じゃなかったら許せるはずないよね。僕なら抹殺してるわ。テオ様に手を出したってことでしょ?許せない。テオ様が出したなら1億1万歩譲って許すけど。
「ただ、公子の年齢が問題だ。今は8つだろう?あと最低2年は待って欲しい。最低だからな。」
「はい。陛下。」
「うむ。では私からの願いを言ってもいいか?」
「なんなりと。」
「皇子の後援の件、考えてくれたか。」
本題でしょ?僕の願いを叶える代わりにそれを叶えて欲しいんでしょ?わかってる。だから皇子に聞いたんだから。
「はい。第一皇子の後援をしたいと考えています。」
「そうか。よかったよかった。」
釣れないな。さすが皇帝というかなんというか。
今は貴族派閥が強いから柔くいるけど虎視眈々と狙ってるんでしょ?だから僕を引き入れたい。シルヴェスター家は歴代貴族派閥だからね。
父様はろくでなしだから中立派。貴族派閥も皇帝派閥も押し付けあってる状態だ。
つまり今の僕も中立派なんだけどこれを皮切りに皇帝派閥に下るんだろう。それならそれで利益を求めるだけだ。
「クラウス。私はどちらかに肩入れはしない。息子を頼んだぞ。」
「はい。皇帝陛下。」
胡散臭いなぁ。
この人を御せるくらいにならないと完璧超人のクラウスにはなれないのかもしれない。
「クラウス。今度魔法大会に出るそうだな。手を貸そうか?」
は?
なんつった。このオヤジ。
しばらく皇帝陛下と雑談をした後この話をぶっ込んできた。これ聞きたかったんだろうなぁ。社交界の噂の的だし。
「息子として恥ずかしい限りです。母の弔いも終わらぬ前に妻を迎えるなど貴族として…いえ、人としての心が足りていません。」
まぁテオ様に会えたから僕としてはよくやったと言ってやりたいけどね。
人としてはダメダメだろう。
にしても、この皇帝…お人好しか?昔婚約者寝盗られたんだろ?よくその息子を視界に入れられるな。しかも僕は父親似だし。テオ様も父親似だから僕と似てるんだよ。
ふふ。それだけで幸せ。
「クラウス。私は君も息子のように思っている。君から会いたいというのならなにかねだりごとがあるんだろう?話してくれるかい?」
「全て察していらしたのですね。さすがへい「クラウス、君と私の間にお世辞はいらないよ。さぁ、話してごらん。」」
こわぁ。こういうとこ見ればこの人も貴族社会生き抜いてきたんだなぁって実感する。父様か腑抜けで本当に良かった。
「2つあります。1つ目は義母の連れ子のことです。魔法と剣術を皇宮で学ばせてもよろしいでしょうか?」
「連れ子を?理由を聞いてもいいかな?」
そんなのテオ様と一緒にいたいから。テオ様のカッコいいところを見たいから。テオ様似僕のカッコいいところ見てほしいから。に決まってる。言わないけども。
「闇魔法の適性があります。」
「それは…。」
だよね。めっちゃ危ない。でもね。テオ様は僕が守るの。
「はい。洗脳や諜報を得意とする闇魔法が他者の手に渡れば危険です。今のうちに取り込んでおくのが吉かと愚考致しました。」
「そう、だな。まさか闇魔法の使い手がもうひとり現れるとは…。公爵でも手を焼いたと言うのに。魔力の濃度はどのくらいだ?」
「濃いですね。僕くらいはあるかと。」
「…分かった。その件は了承しよう。頼んだぞ、シルヴェスター公子。」
「はい。承りました。もう1つの願いなのですが…。」
「なんでも言ってくれ。できることなら尽力しよう。」
よっしゃ。
先に帝国のためになること言っといてよかった。本でこういう心理学読んだことあるんだよなんて効果かは忘れたけど。
「僕の公爵という地位をできるだけ早く確立して頂きたい。父様を引きずり下ろす策は皇帝陛下が指示を下されば直ぐに実行できます。」
「承知した。正直、シルヴェスター公爵に公爵家を任すのは不安だったのだ。」
「ありがとうございます。」
だろうね。寝盗られが趣味じゃなかったら許せるはずないよね。僕なら抹殺してるわ。テオ様に手を出したってことでしょ?許せない。テオ様が出したなら1億1万歩譲って許すけど。
「ただ、公子の年齢が問題だ。今は8つだろう?あと最低2年は待って欲しい。最低だからな。」
「はい。陛下。」
「うむ。では私からの願いを言ってもいいか?」
「なんなりと。」
「皇子の後援の件、考えてくれたか。」
本題でしょ?僕の願いを叶える代わりにそれを叶えて欲しいんでしょ?わかってる。だから皇子に聞いたんだから。
「はい。第一皇子の後援をしたいと考えています。」
「そうか。よかったよかった。」
釣れないな。さすが皇帝というかなんというか。
今は貴族派閥が強いから柔くいるけど虎視眈々と狙ってるんでしょ?だから僕を引き入れたい。シルヴェスター家は歴代貴族派閥だからね。
父様はろくでなしだから中立派。貴族派閥も皇帝派閥も押し付けあってる状態だ。
つまり今の僕も中立派なんだけどこれを皮切りに皇帝派閥に下るんだろう。それならそれで利益を求めるだけだ。
「クラウス。私はどちらかに肩入れはしない。息子を頼んだぞ。」
「はい。皇帝陛下。」
胡散臭いなぁ。
この人を御せるくらいにならないと完璧超人のクラウスにはなれないのかもしれない。
「クラウス。今度魔法大会に出るそうだな。手を貸そうか?」
は?
なんつった。このオヤジ。
718
あなたにおすすめの小説
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆4月19日18時から、この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」を1話ずつ公開予定です。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる