推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

文字の大きさ
112 / 232
12歳《中等部》

9

しおりを挟む
『来月の上旬に帰る。新しい部屋を1つ準備しておくように。』

省略したらそんな感じ。テオ様の時もこんな感じだったな。テオ様の時は義母様とテオ様の2部屋だったけど。
今回は一部屋ってことは新しい殺される弟か。変なのが来ないといいけど。


「新しい部屋を来月までに準備しといて。それと父様の部屋の掃除。義母様にも伝えといてね。」

「奥様には私から伝えます。」

はいはい。アルフレートなら任せられる。何かあっても自衛できるだろうし。

「ついでにあの獣人を使い物にできるようにして。」

「…従者としては使い物になりますが…獣人奴隷をつけるのはいかがでしょうか。」

「僕がいいって言ってるからいいんだよ。」

あまりいい顔はしてなかったけど御意・・の返しを貰った。護衛に関してはあの子以上の人はいない。あの子を殺されたらゲームが始まる。テオ様が処刑されることだけは避けたいからあの子には生きてもらわないと。
最悪ゲームが終わるまで。僕らが卒業するまでは。


でも、新しい弟の性格が分からないんだよね。
正直ゲームでの描写あまりないんだよ。

それに主人公からの視点だから知ってる雰囲気も主人公のものだ。好きな人ならフィルターかかるものだからなぁ。僕もテオ様にフィルターかかってる自信あるし。

できるだけ気にいられるように頑張ろ。


「今日の仕事終わりね。さっさと寝て明日頑張るよ。」

僕が立ち上がれば開けてくれるアルフレート。お茶の片付けもアルフレートなんだけど一体いつ休んでるんだろ。
たまに休み取ってるけど現代の人より少ないんだよね。大丈夫かな。倒れられたら僕が困るんだけど。

「お疲れ様です。クラウス様。」

「アルも休んでね。」






朝食はテオ様と僕は絶対に一緒にとってる。今日必要なこととかいつ帰ってくるかとかの認識合わせの場。
夜はテオ様はあの騎士団長の家に食事に行ったりして仲良くしてるらしい。
僕もテオ様と毎日晩御飯食べたいのにさ。羨ましい。

「兄上、おはようございます。」

「おはよう。いい朝だね。」

テオは先にお茶を飲んでた。いつもいつも朝早いんだよね。偶にアルフレートの代わりに声掛けてくるんだよ。ちょっとやめて欲しい。僕朝は弱いんだよ。テオ様に見せれる顔にするのにいつもいつも布団の上で呻いてる。
テオ様元気だから僕が3度寝しようとしたら病気ですか?大丈夫ですか?出来ることは無いですか?って尋ねてくる。ダラダラ寝てることすらできない。
テオ様が来てくれたらすぐに目が覚めるから嬉しくはあるんだけどなぁ。顔は見せれないんだよね。ブサイクでボサボサすぎるからさ。
10分くらい天井見ながら座ってボーッとしてる。その間にカーテン開けたりお茶入れたり顔拭いてくれたり髪といてくれたりアルフレートが色々やってくれる。

テオはなぜかアルフレートの仕事とかティーダーの仕事をやりたがる。そんな面倒事しなくていいように事業とか秘書とか与えてんのにちょっと分からない。それはそれとして事業は義母様と違って成功の一途を辿ってる。自分で使えばいいのにシルヴェスターに余分な利益を渡してくるいい子っぷり。ちゃんとテオ様枠で貯めてる。テオ様に貢ぐのは僕の役目だから結婚とか爵位を貰った時にテオに返すんだ。
僕は良い子すぎて変なやつに引っ掛からないか心配だよ。

僕も席に着いたところで朝食が並べ始められる。ちゃんと暖かい。温かいご飯って幸せ感じるよね。

「テオ、悪いんだけど話があるから今日の放課後西のサロンでルディも一緒にお茶飲まない?」

「殿下もですか?」

「今日聞くけど多分大丈夫だよ。」

「承知致しました。ただ、殿下にはちゃんと聞いてくださいね。」

「テオってば可愛い。」

「もう。はぐらかさないでください。ちゃんとですよ。兄上は殿下に馴れ馴れしすぎます。」

ほんと可愛い。
ちゃんと聞いてるよ。この国で一番偉いのは皇族。2番目がシルヴェスターだ。今日休むからって言ってダメだって言えるのなんて皇帝陛下と皇后陛下くらいだよ。

シルヴェスターに限っては僕以外いないから誰もいない。

「テオは真面目だね。」

「普通のことです。部活に入って兄上が殿下に馴れ馴れしすぎることを知りました。ほんとうに不敬罪で処されますよ!」


ほんとうに可愛い。テオは皇室とシルヴェスターの関係性がわかってなさすぎるよね。ほんと可愛いや。












しおりを挟む
感想 38

あなたにおすすめの小説

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放

大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。 嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。 だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。 嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。 混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。 琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う―― 「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」 知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。 耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

処理中です...