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12歳《中等部》
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しおりを挟む夕食の席には僕とテオ様で一緒に行った。しかも席に着いたのは僕とテオ様で最後。
そりゃそうでしょ。あんな気まずいところに人が来るまで待ってられない。
「申し訳ありません。おまたせしました。」
欠片も思ってないけど~♪
上座には父様。机の角の隣に義母様と空席。空席の隣にネヴィルが座ってる。
その空席は僕だね。
テオ様は義母様の隣に。
僕はネヴィルの隣に。
どうせならテオ様と目線が会う位置が良かった。上座とか色々めんどいからできないけど。
僕らが座ってから料理が運び込まれ始めた。
「父様、これまでのことこれからの事を手短に報告しますね。」
「わかった。」
「2週間後に第1皇子の生誕祭。1ヶ月後に代替わりのためのパーティー。これには皇帝陛下も参席致します。ご準備を。その後、皇室主催の魔法大会があります。その大会が終わり次第西の領地に行き、魔獣退治をします。1年のうちには終わらせます。そのあいだ、父様は何もしないでください。やっと持ち替えした領地をまたボロボロにされては敵いませんので。」
このコーンスープ甘くていいね。朝とかもこれ出して欲しい。
甘いもの好きなテオ様も好きかも。ちらっと見たけど頬を赤くして味わってた。やっぱり好きなのかも。
「生意気になったものだな。」
生きてくために権力を父様に渡したらシルヴェスターが終わるからね。
まぁ口は上手いようだし交渉役としては悪くないと思うけど。前公爵を顎で使うのは怖いものがある。静かに隠居して欲しいよね。
「この数年で成長しましたから。領地経営ですが、テオに学ばせようと思います。僕がいない間はディータを主にしてテオにも手伝ってもらう予定です。」
「テオ?意味があるのか?」
「義母様のご両親からテオに跡を継がせたいと申し出がありました。テオも才能はありますので将来土地をたさ任されるかもしれません。やっていて損は無いと思います。」
「返事は聞いていないんだろう?」
まぁそうだけど。父様が嫌って言ってもそうなるし。
「はい。」
「…分かった。これからもお前のやり方で頼む。ただ、家族を区別するな。」
「承知しております。」
みんな同じように接するよ。
ただ、テオ様は推しっていう特別な人間だからテオ様だけを優遇するのはしかたない。
他の家族は家族として接するし悪くないでしょ。
あとは黙りこくって食ってたら隣でカチャカチャと音が鳴る。
みんなマナーだけは完璧だから珍しいといつもテオがいる隣を見たら違う奴がいた。
新しい弟だ…。忘れてたな。
「切りにくいかな?僕がやるよ。」
僕が少しネヴィルに体を寄せてナイフとフォークをもらって肉に刃をつける。
ちょうどその頃に後ろからアルが話しかけてきた。
「クラウス様、私が。」
「弟の面倒を見るのは兄の役目だからね。僕がやってもいい?」
「…ありがとう。」
「どういたしまして。」
ネヴィルから許可もとったしいいでしょ。
テオ様がすっごく見てくるけどまぁいいか。
今回の肉はテオ様が好きなチキンの香辛料とハーブを使ったピリ辛の肉。
ネヴィルには少し辛いかも。
1口サイズに切り分けたのをネヴィルに戻して自分の肉も切る。
こういうの肉の繊維に沿って切ったら切りやすいんだよね。無理なら魔法を纏わせて切れば簡単。
僕もこの肉の味付け好き。
だってテオ様が好きな味付けだもんね。推しと好きな物は共有してたいじゃん?
ネヴィルにとっては少し辛いみたいで飲み物をすごく飲んでる。
最後のデザートはチョコケーキだから我慢して欲しいな。
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