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3章 バーンデッドディザスター
411話 王都生活
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(エドガーの視点)
王都は12月でもなかなか暖かい。
ギルダナだともうこの時期には雪も降る日もあるし強く冷たい風が吹いていて毛皮があろうが普通に寒いのだが、王都はギルダナからかなり南にあり、海からも暖かい空気が入ってくるので冬だというのに気温が高い。
ちょっとジメジメするが春のような心地の良い気温でかなり過ごしやすい。
そんなこともあって、冬の時期は王都に来るものが多いそうだ。
貴族や裕福な商人などは王都にも屋敷を持っていて、冬になれば王都で過ごし、それを商機と王都の店もいろんな商品を各地から取り寄せられ、行商や商隊などもたくさん来る。そしてワーカーたちも依頼が増えるのでわざわざ出向いてくる。
そんな感じで冬の王都はかなり活気があり、宿の値段は夏の3倍から5倍はするらしい。
普通の安宿の料金で泊まれる宿もあるが、大部屋に複数人雑魚寝であるのだとか。
そんな状況もあり、ガルシアたちとも相談した結果、部屋を借りることになった。
あまり実感がないが、俺たちはこれでも高ランクのワーカーだ。かつてタイガが審査で突っぱねられた賃貸物件の契約も余裕でできてしまう。3人の資産状況的に貴族の屋敷だって借りられるほどあるのだ。
まあそんな凄い屋敷は管理も面倒だし、使用人など雇っておかないと防犯上よろしくなかったりと面倒ごとが多いので、普通の民家を一棟丸々借りた。
ギルドから歩いて20分程度で少し小高い丘の上にある道沿いに隙間なく並んだ家の中の一つで、古びてはいるが、家の裏からは海が眺められ景色が良い。
3階建てで、1階はキッチンや居間があり、2階3階には2部屋ずつあり、机や椅子、棚やベッドフレームなどは置いてあったので、色々都合が良くここに決まった。
歩いて5分のところに公衆浴場もある。最高。
今では生活環境も整い、2階をガルシアとリーガル、3階を俺が使っていて、何故かギルドの傭兵部門部長のルシオンも一昨日からいる。
ルシオンは最初のグール騒ぎの後から俺たちを気にかけてくれていて、家を借りる際に口利きしてくれたり、ギルドの依頼を紹介する、というか手伝わされたり、飯に誘ったり誘われたりで、すでに友人という感じになっていて、一昨日は酒を飲んで遅くなり、ルシオンの家が遠めなのとある事情から家に止まらせた、そしてここが気に入ってしまったのか昨日は自分の寝具など揃えてうちに来た。
部屋一つ空いてるし皆も特に反対の声もなく、賑やかだからいいかとなった。
そして今朝目覚めると既にルシオンはいなかった。
「朝の5時過ぎには仕事に行ったぞ」
「5時!早え」
現は朝の8時過ぎ、ワーカーとしてはのんびりと起きて皆で朝食を食べている。
「ギルド職員って大変なんだな・・」
以前早朝のギルドでバートにあった事を思い出した。
あれも4時とか5時ぐらいだった気がする。
ギルドはその日の最初の依頼票を朝の7時から貼り出すので、当然のようにギルド職員はそれより前から仕事をしている事になる。
シフト制っぽいのだが、上の立場のものは朝から晩まで居たりする。
ルシオンも日が暮れる頃まで仕事をしてる。
「ワーカーが自由気ままなだけで、商売やってる奴らだって兵士たちだって朝は早いだろ。エドガーだって前職だと早かっただろ」
「まあなー7時始業だったな」
「エドガーは起きれてたのか」
「ちょくちょく遅刻してた」
「だろうなー」
なんだかんだ今でもガルシアに起こしてもらっている。
そうでなければ、配達の仕事をしてた時の時間感覚は既に抜けてしまったので昼ぐらいまで寝てるかもしれない。よく酒も飲むし。
ちなみにリーガルも随分のんびりだ。
ガルシアに朝は頼りきっている。
「さて今日もその大変なルシオンを手伝いにいくかね」
「終わる未来が見えないぜ・・」
ルシオンは俺たちにかなり放置されている討伐依頼を渡してくる。
ランクもSやAと高めだが、そこまで緊急度が高くないと判断されて、後回しにされてきた依頼だ。
王都はダロス山脈という高い山々に囲まれた平野の中にある。そしてけっこう強い魔物も多く生息しているので、王都の討伐依頼は基本的にランクが高い。
王都から山間部には片道で馬車で数時間の距離だが、俺たちだと走ったら1時間程度でリーガルに運んで貰えばすぐなので、王都をでてもだいたいその日のうちに仕事をこなして帰ってこられる。
目的の魔物も、リーガルに飛んでもらい上空から俺が探知したらだいたいすぐに見つかる。
そんな感じて本来ならかなり苦労するはずの仕事をサクサク片付けているのだが、100以上溜め込んでいるのでまだ全然終わらない。
他の高ランクのワーカーたちは緊急度高めなものから対処してるので、結局俺たちで頑張るしかない感じだ。
でもその甲斐あって半月足らずで3人で300万ぐらい稼いでる。
超大型で風呂敷型の魔物用マジックバッグも買ったのでちゃんと獲物も持ち帰ってこれてウハウハだ。
80万もしたがすぐに元が取れた。
王都は実力さえあればガンガン稼げる場所だった。
「さて、ぼちぼち行くか」
「おう!」
俺たちは朝の依頼争奪戦に参加しなくても良いので、混雑が引くぐらいの時間にギルドに向かう。
一見すると楽なのだが、多分普通のワーカーのように早朝から依頼を吟味した方が自分らに合った仕事にありつける。俺たちは仕事を選べないからこのスタイルということだ。
ギルドまで移動したらルシオンを呼んで今日の仕事を聞く。
「今月はこれ以上仕事させるなと、経営部門から叱られた」
「えー!マジ!?」
「マジ、依頼こなしてもらうのは非常にありがたいんだが、支払いの資金調達が苦しいそうで、それと取ってきてもらった魔物もまだ捌けてない、このままのペースで仕事をされると他のワーカーたちに迷惑がかかる可能性が出てくるから一旦止めろということだ。すまん」
「支払い後回しでもいいぜ」
「それはそれで、こっちの処理が煩雑になってくるし、ギルドの方針上は支払いは先延ばししない事になってるから出来かねる」
「そんじゃしばらくは休むか。根つめることはねえしな」
「ぱーっと金を使ってくれたら王都経済的にありがたいけどな」
「そう言われてもなー使い道思い浮かばねえな」
高ランクの傭兵などは普通なら月に1、2件の高額依頼を受ける程度なのだというので、確かに俺たちは働きすぎてはある。これはまあ毎日仕事振ってくるルシオンが悪い。
しかし金を使うと言っても何をどうすればいいのやら、今だって美味い飯食って酒も飲めて、風呂にも入れて充分贅沢な思いはしてる。でも頑張ったって1日1000ロングも使えない。
「装備でも揃えてみたらどうだ?お前らには防具類なんて必要なさそうだが、身体能力を上げたり、魔法の補助をしてくれたり、耐性を上げたりする効果がついた装飾品なんてのがあるぞ」
「へー良さそう!」
「案内してやろうか」
「またサボると深夜まで帰れなくなるぞ、今日も夕食行こうぜ、だから仕事頑張れよ」
「いいなー買い物。俺もゆっくりしてえよ」
「ははは!頑張れよ」
ルシオンとオフの時に話をすると、ずっとギルド辞めたいと言い続けている。
なんでも昔は王国騎士団の隊長までやっていたそうだが引退して、ワーカーになって小さな村でスローライフをしようと思っていたらしいが、酒の席でいつのまにかギルドの部長の仕事を引き受けてしまったせいで、毎日忙しくてしょうがないらしい。
後任の当てがないから辞められないのだという。
俺たちにはどうしようもないから頑張れとしか言えない。
可哀想なルシオンを仕事に戻らせて、俺たちは勧めてもらった装備品の店に行ってみる事にした。
王都は12月でもなかなか暖かい。
ギルダナだともうこの時期には雪も降る日もあるし強く冷たい風が吹いていて毛皮があろうが普通に寒いのだが、王都はギルダナからかなり南にあり、海からも暖かい空気が入ってくるので冬だというのに気温が高い。
ちょっとジメジメするが春のような心地の良い気温でかなり過ごしやすい。
そんなこともあって、冬の時期は王都に来るものが多いそうだ。
貴族や裕福な商人などは王都にも屋敷を持っていて、冬になれば王都で過ごし、それを商機と王都の店もいろんな商品を各地から取り寄せられ、行商や商隊などもたくさん来る。そしてワーカーたちも依頼が増えるのでわざわざ出向いてくる。
そんな感じで冬の王都はかなり活気があり、宿の値段は夏の3倍から5倍はするらしい。
普通の安宿の料金で泊まれる宿もあるが、大部屋に複数人雑魚寝であるのだとか。
そんな状況もあり、ガルシアたちとも相談した結果、部屋を借りることになった。
あまり実感がないが、俺たちはこれでも高ランクのワーカーだ。かつてタイガが審査で突っぱねられた賃貸物件の契約も余裕でできてしまう。3人の資産状況的に貴族の屋敷だって借りられるほどあるのだ。
まあそんな凄い屋敷は管理も面倒だし、使用人など雇っておかないと防犯上よろしくなかったりと面倒ごとが多いので、普通の民家を一棟丸々借りた。
ギルドから歩いて20分程度で少し小高い丘の上にある道沿いに隙間なく並んだ家の中の一つで、古びてはいるが、家の裏からは海が眺められ景色が良い。
3階建てで、1階はキッチンや居間があり、2階3階には2部屋ずつあり、机や椅子、棚やベッドフレームなどは置いてあったので、色々都合が良くここに決まった。
歩いて5分のところに公衆浴場もある。最高。
今では生活環境も整い、2階をガルシアとリーガル、3階を俺が使っていて、何故かギルドの傭兵部門部長のルシオンも一昨日からいる。
ルシオンは最初のグール騒ぎの後から俺たちを気にかけてくれていて、家を借りる際に口利きしてくれたり、ギルドの依頼を紹介する、というか手伝わされたり、飯に誘ったり誘われたりで、すでに友人という感じになっていて、一昨日は酒を飲んで遅くなり、ルシオンの家が遠めなのとある事情から家に止まらせた、そしてここが気に入ってしまったのか昨日は自分の寝具など揃えてうちに来た。
部屋一つ空いてるし皆も特に反対の声もなく、賑やかだからいいかとなった。
そして今朝目覚めると既にルシオンはいなかった。
「朝の5時過ぎには仕事に行ったぞ」
「5時!早え」
現は朝の8時過ぎ、ワーカーとしてはのんびりと起きて皆で朝食を食べている。
「ギルド職員って大変なんだな・・」
以前早朝のギルドでバートにあった事を思い出した。
あれも4時とか5時ぐらいだった気がする。
ギルドはその日の最初の依頼票を朝の7時から貼り出すので、当然のようにギルド職員はそれより前から仕事をしている事になる。
シフト制っぽいのだが、上の立場のものは朝から晩まで居たりする。
ルシオンも日が暮れる頃まで仕事をしてる。
「ワーカーが自由気ままなだけで、商売やってる奴らだって兵士たちだって朝は早いだろ。エドガーだって前職だと早かっただろ」
「まあなー7時始業だったな」
「エドガーは起きれてたのか」
「ちょくちょく遅刻してた」
「だろうなー」
なんだかんだ今でもガルシアに起こしてもらっている。
そうでなければ、配達の仕事をしてた時の時間感覚は既に抜けてしまったので昼ぐらいまで寝てるかもしれない。よく酒も飲むし。
ちなみにリーガルも随分のんびりだ。
ガルシアに朝は頼りきっている。
「さて今日もその大変なルシオンを手伝いにいくかね」
「終わる未来が見えないぜ・・」
ルシオンは俺たちにかなり放置されている討伐依頼を渡してくる。
ランクもSやAと高めだが、そこまで緊急度が高くないと判断されて、後回しにされてきた依頼だ。
王都はダロス山脈という高い山々に囲まれた平野の中にある。そしてけっこう強い魔物も多く生息しているので、王都の討伐依頼は基本的にランクが高い。
王都から山間部には片道で馬車で数時間の距離だが、俺たちだと走ったら1時間程度でリーガルに運んで貰えばすぐなので、王都をでてもだいたいその日のうちに仕事をこなして帰ってこられる。
目的の魔物も、リーガルに飛んでもらい上空から俺が探知したらだいたいすぐに見つかる。
そんな感じて本来ならかなり苦労するはずの仕事をサクサク片付けているのだが、100以上溜め込んでいるのでまだ全然終わらない。
他の高ランクのワーカーたちは緊急度高めなものから対処してるので、結局俺たちで頑張るしかない感じだ。
でもその甲斐あって半月足らずで3人で300万ぐらい稼いでる。
超大型で風呂敷型の魔物用マジックバッグも買ったのでちゃんと獲物も持ち帰ってこれてウハウハだ。
80万もしたがすぐに元が取れた。
王都は実力さえあればガンガン稼げる場所だった。
「さて、ぼちぼち行くか」
「おう!」
俺たちは朝の依頼争奪戦に参加しなくても良いので、混雑が引くぐらいの時間にギルドに向かう。
一見すると楽なのだが、多分普通のワーカーのように早朝から依頼を吟味した方が自分らに合った仕事にありつける。俺たちは仕事を選べないからこのスタイルということだ。
ギルドまで移動したらルシオンを呼んで今日の仕事を聞く。
「今月はこれ以上仕事させるなと、経営部門から叱られた」
「えー!マジ!?」
「マジ、依頼こなしてもらうのは非常にありがたいんだが、支払いの資金調達が苦しいそうで、それと取ってきてもらった魔物もまだ捌けてない、このままのペースで仕事をされると他のワーカーたちに迷惑がかかる可能性が出てくるから一旦止めろということだ。すまん」
「支払い後回しでもいいぜ」
「それはそれで、こっちの処理が煩雑になってくるし、ギルドの方針上は支払いは先延ばししない事になってるから出来かねる」
「そんじゃしばらくは休むか。根つめることはねえしな」
「ぱーっと金を使ってくれたら王都経済的にありがたいけどな」
「そう言われてもなー使い道思い浮かばねえな」
高ランクの傭兵などは普通なら月に1、2件の高額依頼を受ける程度なのだというので、確かに俺たちは働きすぎてはある。これはまあ毎日仕事振ってくるルシオンが悪い。
しかし金を使うと言っても何をどうすればいいのやら、今だって美味い飯食って酒も飲めて、風呂にも入れて充分贅沢な思いはしてる。でも頑張ったって1日1000ロングも使えない。
「装備でも揃えてみたらどうだ?お前らには防具類なんて必要なさそうだが、身体能力を上げたり、魔法の補助をしてくれたり、耐性を上げたりする効果がついた装飾品なんてのがあるぞ」
「へー良さそう!」
「案内してやろうか」
「またサボると深夜まで帰れなくなるぞ、今日も夕食行こうぜ、だから仕事頑張れよ」
「いいなー買い物。俺もゆっくりしてえよ」
「ははは!頑張れよ」
ルシオンとオフの時に話をすると、ずっとギルド辞めたいと言い続けている。
なんでも昔は王国騎士団の隊長までやっていたそうだが引退して、ワーカーになって小さな村でスローライフをしようと思っていたらしいが、酒の席でいつのまにかギルドの部長の仕事を引き受けてしまったせいで、毎日忙しくてしょうがないらしい。
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