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第5章 解明
嵐山とかんざし
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修学旅行2日目の午後、リク、アリス、ナオ、ケントの4人は嵐山の竹林を歩いていた。青々とした竹がまっすぐ空に伸び、風が吹くたびにサワサワと心地よい音を奏でる。
ケント「うおー!めっちゃイヌスタ映えスポットじゃん!」
ナオ「ケント、イヌスタやってないじゃん。」
ケント「うるさい!オレの心のアルバムに保存するんだよ!」
アリス「風が吹くたびに竹が揺れるの。笹が擦れ合う音っていいね!」
リク「これぞ京都の音って感じだな。」
4人が竹林を歩いていると、アリスがふと足を止めた。
アリス「・・・あれ?クリップがない!」
ナオ「えっ!?どこで落としたの?」
アリス「わかんない・・・さっきまではあったのに・・・。」
ケント「クリップって?」
アリス「髪を留めてたのに・・・」
リク「風が強かったからな。」
ケント「おいおい、これはまさかの竹林ミッションか?」
リク「ちょっと来た道を戻ってみるか。」
4人は来た道を戻りながら、地面を注意深く見て歩いた。しばらく探してみたがアリスのクリップは見つからなかった。
ナオ「たぶん、道には落ちてないね。」
リク「っていうことは、竹林の中か。」
ケント「そうなるとミッションの難易度は上がるな。」
アリス「ありがとう。でもホテルに帰ったら変わりのがあるから。」
ケント「いや、オレは必ずミッションを達成するぞ。」
そう言うケントを引き留めながらナオが言った。
ナオ「じゃあ、私の貸してあげるよ。私は髪が長くないから小さいのしかないけど、ホテルに帰るまではなんとかなりそうじゃない?」
ナオはクリップをカバンから取り出してアリスに渡した。
アリス「ありがとう。これは無くさないように気を付けるから。」
ナオ「いいってことよー!」
――
それから4人は渡月橋のところで一休みした。ナオとアリスは抹茶を飲みながら桂川を眺めていた。リクとケントはお土産売り場の方に行っていた。
ケント「なあ、これはミッションコンプリートのチャンスじゃないか?」
ケントはかんざしを指さしながら言った。
リク「ミッションって竹林でクリップを見つけることじゃないのか?」
ケント「リクは頭が固いな。ミッションを達成する方法はいろいろとあるんだ。原状回復だけが方法じゃない。それ以上の出来事にする方法もあるんだぜ。」
リク「まあ、何となく言いたいことは分けるけど。」
ケント「名付けて竹取物語大作戦だ!」
リク「あ、何かよく分からなくなってきた。」
ケント「アリスにこれを買ってやって、むしろクリップを無くして良かったことにするんだよ!」
リク「最初からそう言えよ。」
ケント「そんなのつまんないだろ?オレのセンスについて来られないのか?」
リク「それで、何でそれをオレに言うんだよ?」
ケント「昔からアリスのことはリクに任せろって言うだろ?」
リク「何で村落の教えみたいになってるんだよ?」
ケント「オレはナオに何か買ってやるから、リクはこれをアリスに買ってやれよ。」
リク「まあいいけど・・・。」
――
リクは赤いかんざしを買ってアリスのところに行った。
リク「アリス、これ・・・。」
リクはかんざしをアリスに差し出した。
ナオ「えっ!?かんざしっ!?」
リク「無くしたクリップの代わりになるかと思って。」
ナオ「かんざしがクリップの代わりになるかー?いや、なるなっ!」
アリス「これ、私にくれるの?」
リク「ああ、ケントによれば竹取物語大作戦らしい。」
ナオ「は?」
アリスは笑った。
アリス「ちょっと待ってね。」
アリスは髪を束ねて頭の後ろで巻くと言った。
アリス「この辺に刺してよ。」
リク「え?オレがやるの?」
アリス「できそう?自分ひとりでやるのは厳しいかも。」
リク「ナオがやったら?」
ナオ「こういうときは男がやってあげるもんだよ。」
リク「そうか。」
リクは恐る恐る言われたところにかんざしを刺した。
リク「こんな感じでいいか?」
アリス「うん。いいと思う。」
そう言って振り返ったアリスの顔は嬉しくてたまらないという表情をしていた。
ナオ「いいねっ!制服にかんざしって合うよっ!リク、センスあんじゃんっ!」
リク「そっか。良かった・・・。」
アリス「リク、ありがとう。嬉しい。」
リクは少し動揺しながら言った。
リク「おう!竹取物語大作戦、大成功だな!」
そのときケントがやってきた。
ケント「いいの見つけたよー!」
ケントは組みひものチャームを4つ手に持っていた。
ナオ「おおっ!かわいいじゃん!」
アリス「これ、京組みひもでしょ?」
ケント「そう。これ京都の思い出にしようよ。4人でここに来た思い出。」
リク「組みひもって、縁を結ぶとか、人と人を結ぶっていう意味だろ?」
ナオ「それいいじゃん!4人の縁を結ぶ組みひもか!」
アリス「じゃあ組みひもの縁に結ばれて、また4人で一緒にここに来るっていう約束の組みひもにしようよ!」
ケント「ああ、絶対だなっ!」
ケント「うおー!めっちゃイヌスタ映えスポットじゃん!」
ナオ「ケント、イヌスタやってないじゃん。」
ケント「うるさい!オレの心のアルバムに保存するんだよ!」
アリス「風が吹くたびに竹が揺れるの。笹が擦れ合う音っていいね!」
リク「これぞ京都の音って感じだな。」
4人が竹林を歩いていると、アリスがふと足を止めた。
アリス「・・・あれ?クリップがない!」
ナオ「えっ!?どこで落としたの?」
アリス「わかんない・・・さっきまではあったのに・・・。」
ケント「クリップって?」
アリス「髪を留めてたのに・・・」
リク「風が強かったからな。」
ケント「おいおい、これはまさかの竹林ミッションか?」
リク「ちょっと来た道を戻ってみるか。」
4人は来た道を戻りながら、地面を注意深く見て歩いた。しばらく探してみたがアリスのクリップは見つからなかった。
ナオ「たぶん、道には落ちてないね。」
リク「っていうことは、竹林の中か。」
ケント「そうなるとミッションの難易度は上がるな。」
アリス「ありがとう。でもホテルに帰ったら変わりのがあるから。」
ケント「いや、オレは必ずミッションを達成するぞ。」
そう言うケントを引き留めながらナオが言った。
ナオ「じゃあ、私の貸してあげるよ。私は髪が長くないから小さいのしかないけど、ホテルに帰るまではなんとかなりそうじゃない?」
ナオはクリップをカバンから取り出してアリスに渡した。
アリス「ありがとう。これは無くさないように気を付けるから。」
ナオ「いいってことよー!」
――
それから4人は渡月橋のところで一休みした。ナオとアリスは抹茶を飲みながら桂川を眺めていた。リクとケントはお土産売り場の方に行っていた。
ケント「なあ、これはミッションコンプリートのチャンスじゃないか?」
ケントはかんざしを指さしながら言った。
リク「ミッションって竹林でクリップを見つけることじゃないのか?」
ケント「リクは頭が固いな。ミッションを達成する方法はいろいろとあるんだ。原状回復だけが方法じゃない。それ以上の出来事にする方法もあるんだぜ。」
リク「まあ、何となく言いたいことは分けるけど。」
ケント「名付けて竹取物語大作戦だ!」
リク「あ、何かよく分からなくなってきた。」
ケント「アリスにこれを買ってやって、むしろクリップを無くして良かったことにするんだよ!」
リク「最初からそう言えよ。」
ケント「そんなのつまんないだろ?オレのセンスについて来られないのか?」
リク「それで、何でそれをオレに言うんだよ?」
ケント「昔からアリスのことはリクに任せろって言うだろ?」
リク「何で村落の教えみたいになってるんだよ?」
ケント「オレはナオに何か買ってやるから、リクはこれをアリスに買ってやれよ。」
リク「まあいいけど・・・。」
――
リクは赤いかんざしを買ってアリスのところに行った。
リク「アリス、これ・・・。」
リクはかんざしをアリスに差し出した。
ナオ「えっ!?かんざしっ!?」
リク「無くしたクリップの代わりになるかと思って。」
ナオ「かんざしがクリップの代わりになるかー?いや、なるなっ!」
アリス「これ、私にくれるの?」
リク「ああ、ケントによれば竹取物語大作戦らしい。」
ナオ「は?」
アリスは笑った。
アリス「ちょっと待ってね。」
アリスは髪を束ねて頭の後ろで巻くと言った。
アリス「この辺に刺してよ。」
リク「え?オレがやるの?」
アリス「できそう?自分ひとりでやるのは厳しいかも。」
リク「ナオがやったら?」
ナオ「こういうときは男がやってあげるもんだよ。」
リク「そうか。」
リクは恐る恐る言われたところにかんざしを刺した。
リク「こんな感じでいいか?」
アリス「うん。いいと思う。」
そう言って振り返ったアリスの顔は嬉しくてたまらないという表情をしていた。
ナオ「いいねっ!制服にかんざしって合うよっ!リク、センスあんじゃんっ!」
リク「そっか。良かった・・・。」
アリス「リク、ありがとう。嬉しい。」
リクは少し動揺しながら言った。
リク「おう!竹取物語大作戦、大成功だな!」
そのときケントがやってきた。
ケント「いいの見つけたよー!」
ケントは組みひものチャームを4つ手に持っていた。
ナオ「おおっ!かわいいじゃん!」
アリス「これ、京組みひもでしょ?」
ケント「そう。これ京都の思い出にしようよ。4人でここに来た思い出。」
リク「組みひもって、縁を結ぶとか、人と人を結ぶっていう意味だろ?」
ナオ「それいいじゃん!4人の縁を結ぶ組みひもか!」
アリス「じゃあ組みひもの縁に結ばれて、また4人で一緒にここに来るっていう約束の組みひもにしようよ!」
ケント「ああ、絶対だなっ!」
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