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第7章 告白
花火大会
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その後、リクとアリスは相模三川公園に行った。頭上には満天の星空が広がり、間もなく花火が打ち上げられるというタイミングだった。公園内の人混みでごった返してしたので、リクは少し高台になっているところにアリスを連れていった。
リク「ここならよく見えるし、少し空いてていいな。」
アリス「うん、ありがとう。リクはこういう場所を選んでくれるんだね。」
リクは少し照れた。
リク「オレがあんまり人混み得意じゃないからな。」
アリスは小さく笑ってリクの言ったことを否定するかのように言った。
アリス「リクって、意外と気が利くよね。」
アリスはリクが自分のために場所を選んだと解釈したようだったが、リクは気にせずに返した。
リク「意外と、ってなんだよ。それ、褒めてるの?」
アリス「フフッ、もちろん。」
遠くからドーンという音が響き、最初の花火が夜空に咲いた。目を輝かせながら花火を見つめる姿に、リクは思わず見とれてしまった。川から運ばれてくる風が、アリスの甘い匂いをリクまで運んでいた。
リク(何でこんなに綺麗なんだろう・・・花火よりも。)
アリスはリクの視線気づかずに声を上げた。
アリス「わぁ、すごい!リク、見て!」
リク「ああ・・・きれいだな。」
リクの声が少し低かったことが気になってアリスが振り返ると、リクがじっと自分を見ているのに気づいた。
アリス「えっ?どうかしたの?」
アリスに見とれていたことを悟られまいとリクはごまかそうとした。
リク「いや、なんでもない。ただ・・・アリスが花火見てるときの顔が、すごく楽しそうでさ。」
アリスの顔が少し赤くなった。
アリス「そ、そんなこと言わないでよ。恥ずかしいじゃん。」
リク「恥ずかしいことなんかないよ。実際、楽しいだろ?」
アリスは少し黙ってから、静かに微笑みながら言った。
アリス「リクだって、今すごく楽しそうだよ。」
リク「オレ?オレも楽しいよ」
アリス「うん。リクは花火が楽しいの?」
そのとき花火の灯りでアリスの顔が照らされ、アリスの顔がハッキリと見えた。そのアリスの顔を見てリクはドキッとした。リクは慌てて照れ笑いを浮かべて言った。
リク「うーん。花火もだし・・・。」
リクが言葉に詰まっていることを察して、アリスは意地悪そうに笑いながら言った。
アリス「だしー・・・、私と一緒に観られることが?」
アリスの意地悪そうな言い方に乗っかって、リクは冗談っぽく言った。
リク「・・・そうだよ。アリスと見る花火は特別だよ。」
アリスも冗談っぽく返した。
アリス「リクと見る花火も特別だよ。」
リクとアリスはお互いの目を見つめ合った。リクは思い切って思いを口にした。
リク「好きだ。」
リクがそう言ったとき、夜空に大きな花火が炸裂し、色とりどりの光が夜空を包み込んだ。リクの告白は花火が炸裂する音にかき消された。リクの言ったことが聞こえなかったアリスはリクに聞き返した。
アリス「え?」
リクはもう一度言うことを躊躇した。そのとき遠くからケントの声がした。
ケント「おーいっ!そこにいたのかーっ!考えることは一緒だなーっ!」
隣にいたナオがケントに言った。
ナオ「何で邪魔するのよっ!」
ナオにそう言われてリクとアリスは少し恥ずかしくなった。リクは恥ずかしさをごまかすようにケントに言った。
リク「ここからでも良くみえるぞーっ!」
リクがそう言うとケントはナオに言った。
ケント「ほらっ!邪魔になってないじゃんっ!」
ナオ「あんたがリクに言わせてたんじゃんっ!何で分かんないのよっ!」
そのやり取りを聞いたアリスが言った。
アリス「何か気を使われてるみたいね。行こっ!」
そう言ってアリスはケントとナオの方に走って行った。
走っていくアリスの頭上には夜空に大きな花火が大輪を咲かせていた。
――
最後の花火大会のシーンになった。2人は客席に背を向けて座っている。すると舞台の後部に張られた黒いスクリーンの前に取り付けられたLED電球が光った。電球は放射線状に取り付けられており、花火の音が鳴ると中心から外側に向けて電球が光る仕組みになっていた。2人はしばらく電球でつくられたLED花火を眺めていたが、おもむろにケントはナオの方を向いて言った。
ケント「好き。」
そのとき会場は一番の盛り上がりをみせた。
しかし、ケントがそう言ったとき、花火は勢いよく上がりはじめ、ケントの告白は花火の音でかき消されるという設定だった。するとナオが言った。
ナオ「え?何か言った?聞こえなかった。」
ケント「だから、好きっ!」
会場は再度盛り上がりを見せた。しかし、今度もケントの声が花火の音にかき消されるという設定だった。ナオは耳に手を当てながら言った。
ナオ「えー!?」
ケント「いや・・・、何でもない。」
そのとき花火の音がいったん静かになり、ケントの「何でもない。」だけが聞こえた。会場からはため息がもれた。
それを見ていたアリスは顔を赤くして固まっていた。アリスがリクと一緒に花火を観たときにことを思い出したからだ
アリスの前で劇を見ていた女子生徒から幸せそうな言葉が漏れた。
女子C「いやあ、もう私、心臓が爆発しそう・・・。」
女子D「っていうか、もう抱きしめちゃえよっ!」
女子E「私もこのシチュエーションに陥りたい!」
女子F「そして告られたい!」
その女子の後ろで劇を見ていたアリスは、この劇を見て初めて、あのときリクから告白されていたことに気づいた。そして、アリスはずっと待ち望んでいた告白を、リクがあのときにしていたことを知った。
そのときアリスのことを呼ぶ声が聞こえた。アリスは振り向くと、体育館の入り口のところにリクがいた。
リク「アリス・・・」
リクはそう言うとアリスの方に歩いて来た。アリスは驚いて咄嗟に走り出した。リクが追いかけようとすると、アリスは体育館を飛び出していった。
リク「ここならよく見えるし、少し空いてていいな。」
アリス「うん、ありがとう。リクはこういう場所を選んでくれるんだね。」
リクは少し照れた。
リク「オレがあんまり人混み得意じゃないからな。」
アリスは小さく笑ってリクの言ったことを否定するかのように言った。
アリス「リクって、意外と気が利くよね。」
アリスはリクが自分のために場所を選んだと解釈したようだったが、リクは気にせずに返した。
リク「意外と、ってなんだよ。それ、褒めてるの?」
アリス「フフッ、もちろん。」
遠くからドーンという音が響き、最初の花火が夜空に咲いた。目を輝かせながら花火を見つめる姿に、リクは思わず見とれてしまった。川から運ばれてくる風が、アリスの甘い匂いをリクまで運んでいた。
リク(何でこんなに綺麗なんだろう・・・花火よりも。)
アリスはリクの視線気づかずに声を上げた。
アリス「わぁ、すごい!リク、見て!」
リク「ああ・・・きれいだな。」
リクの声が少し低かったことが気になってアリスが振り返ると、リクがじっと自分を見ているのに気づいた。
アリス「えっ?どうかしたの?」
アリスに見とれていたことを悟られまいとリクはごまかそうとした。
リク「いや、なんでもない。ただ・・・アリスが花火見てるときの顔が、すごく楽しそうでさ。」
アリスの顔が少し赤くなった。
アリス「そ、そんなこと言わないでよ。恥ずかしいじゃん。」
リク「恥ずかしいことなんかないよ。実際、楽しいだろ?」
アリスは少し黙ってから、静かに微笑みながら言った。
アリス「リクだって、今すごく楽しそうだよ。」
リク「オレ?オレも楽しいよ」
アリス「うん。リクは花火が楽しいの?」
そのとき花火の灯りでアリスの顔が照らされ、アリスの顔がハッキリと見えた。そのアリスの顔を見てリクはドキッとした。リクは慌てて照れ笑いを浮かべて言った。
リク「うーん。花火もだし・・・。」
リクが言葉に詰まっていることを察して、アリスは意地悪そうに笑いながら言った。
アリス「だしー・・・、私と一緒に観られることが?」
アリスの意地悪そうな言い方に乗っかって、リクは冗談っぽく言った。
リク「・・・そうだよ。アリスと見る花火は特別だよ。」
アリスも冗談っぽく返した。
アリス「リクと見る花火も特別だよ。」
リクとアリスはお互いの目を見つめ合った。リクは思い切って思いを口にした。
リク「好きだ。」
リクがそう言ったとき、夜空に大きな花火が炸裂し、色とりどりの光が夜空を包み込んだ。リクの告白は花火が炸裂する音にかき消された。リクの言ったことが聞こえなかったアリスはリクに聞き返した。
アリス「え?」
リクはもう一度言うことを躊躇した。そのとき遠くからケントの声がした。
ケント「おーいっ!そこにいたのかーっ!考えることは一緒だなーっ!」
隣にいたナオがケントに言った。
ナオ「何で邪魔するのよっ!」
ナオにそう言われてリクとアリスは少し恥ずかしくなった。リクは恥ずかしさをごまかすようにケントに言った。
リク「ここからでも良くみえるぞーっ!」
リクがそう言うとケントはナオに言った。
ケント「ほらっ!邪魔になってないじゃんっ!」
ナオ「あんたがリクに言わせてたんじゃんっ!何で分かんないのよっ!」
そのやり取りを聞いたアリスが言った。
アリス「何か気を使われてるみたいね。行こっ!」
そう言ってアリスはケントとナオの方に走って行った。
走っていくアリスの頭上には夜空に大きな花火が大輪を咲かせていた。
――
最後の花火大会のシーンになった。2人は客席に背を向けて座っている。すると舞台の後部に張られた黒いスクリーンの前に取り付けられたLED電球が光った。電球は放射線状に取り付けられており、花火の音が鳴ると中心から外側に向けて電球が光る仕組みになっていた。2人はしばらく電球でつくられたLED花火を眺めていたが、おもむろにケントはナオの方を向いて言った。
ケント「好き。」
そのとき会場は一番の盛り上がりをみせた。
しかし、ケントがそう言ったとき、花火は勢いよく上がりはじめ、ケントの告白は花火の音でかき消されるという設定だった。するとナオが言った。
ナオ「え?何か言った?聞こえなかった。」
ケント「だから、好きっ!」
会場は再度盛り上がりを見せた。しかし、今度もケントの声が花火の音にかき消されるという設定だった。ナオは耳に手を当てながら言った。
ナオ「えー!?」
ケント「いや・・・、何でもない。」
そのとき花火の音がいったん静かになり、ケントの「何でもない。」だけが聞こえた。会場からはため息がもれた。
それを見ていたアリスは顔を赤くして固まっていた。アリスがリクと一緒に花火を観たときにことを思い出したからだ
アリスの前で劇を見ていた女子生徒から幸せそうな言葉が漏れた。
女子C「いやあ、もう私、心臓が爆発しそう・・・。」
女子D「っていうか、もう抱きしめちゃえよっ!」
女子E「私もこのシチュエーションに陥りたい!」
女子F「そして告られたい!」
その女子の後ろで劇を見ていたアリスは、この劇を見て初めて、あのときリクから告白されていたことに気づいた。そして、アリスはずっと待ち望んでいた告白を、リクがあのときにしていたことを知った。
そのときアリスのことを呼ぶ声が聞こえた。アリスは振り向くと、体育館の入り口のところにリクがいた。
リク「アリス・・・」
リクはそう言うとアリスの方に歩いて来た。アリスは驚いて咄嗟に走り出した。リクが追いかけようとすると、アリスは体育館を飛び出していった。
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