異世界ファンタジーまとめ2【短編集】

テタの工房

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ネタキャラ転生、マジ卍!

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薄暗いバイト先の厨房。フライヤーの油の匂いと、冷えた空気の混ざった独特の臭いが、相川徹の鼻を突いた。時計の針は深夜を指している。徹は、今日もまた、ゲームの課金のために、食費を削って働いていた。

青春?友達?そんなものは、ゲームのレベル上げと、レアアイテム収集に比べたら、どうでもいいものだった。彼の世界は、ゲームの中だけだった。孤独と退屈を紛らわせる唯一の手段が、その仮想世界だったのだ。

帰り道、いつものようにヘッドホンでゲーム音楽を聴きながら歩いていると、突然、目の前でバスが暴走し始めた。ブレーキが効いていないらしい。人々は悲鳴を上げ、逃げ惑う。その中に、一人、転倒して動けなくなっている少女がいた。

迷わず、徹は少女の元へ駆け寄った。反射的な行動だった。ゲームで培った、危険を察知する能力が、彼の体を動かしていたのかもしれない。少女を抱き上げ、必死で安全な場所へ移動しようとしたその瞬間、バスは彼らを巻き込んだ。

次に目が覚めると、そこは、見慣れた風景だった。いや、見慣れた、というより、記憶にある風景だった。ゲーム『ヴァルハラオンライン』の、あの森だ。

徹は自分の体を凝視した。黒髪、赤い瞳、そして、女性らしい容姿。これは…ナハト。自分が、ゲームの中で、中二病全開で作ったネタキャラ、ナハトに転生していたのだ。

ナハトは、ゲーム内でも最強クラスのキャラクターだった。その理由は、徹が「最強で、美しく、そして、ちょっと変態」という願望を詰め込んで作ったからである。ゲームバランスを無視した、チート級の能力を持っていた。

「…マジかよ…」

現実とは思えない状況に、徹、いや、ナハトは言葉を失った。しかし、すぐに冷静さを取り戻した。ここはゲームの世界。自分の能力を活かして、自由に生きられる。孤独と退屈とは無縁の、新たな人生が始まるのだ。

まずは、自分の能力を確認することにした。ナハトは、魔法と剣技の両方に秀でていた。そして、何より驚いたのは、その魔法の威力だった。ゲーム内では、演出効果でしか無かった魔法が、現実世界では、圧倒的な破壊力を持っていたのだ。

森を駆け抜け、魔物を倒し、ナハトは自分の力を確かめていった。ゲームでは、レベル上げに何時間も費やした狩りが、ここではあっという間に終わる。まるで、無双状態だ。

しかし、この世界は、ゲームとは違った。残酷な現実もあった。人間の悪意、争い、そして、死。ゲームでは、リトライできたが、ここは、そうはいかない。

そんな中、ナハトは、一人の少女と出会う。彼女は、この世界の住人で、森の中で暮らしていた。名前は、リリア。優しく、そして、強い意志を持った少女だった。

リリアは、ナハトの圧倒的な力に最初は驚き、警戒していたが、次第に、ナハトの優しさに触れて、心を開いていく。二人は、次第に深い絆で結ばれていった。

そして、ナハトは、この世界で、自分が何をするべきなのか、考え始めた。最強の力を持つ自分だからこそできること、自分が本当にしたいこと。それは、ゲームでは味わえなかった、新しい感情、そして、未来だった。

リリアとの日々は、ゲームとは全く違う、温かさと喜びに満ちていた。しかし、平穏な日々は長くは続かなかった。この世界には、ナハトの力を恐れる者、そして、利用しようとする者たちがいた。

ナハトは、リリアを守るため、そして、この世界を守るために、戦うことを決意する。彼女の剣は、ゲームの延長線上ではなく、現実の重みに耐えうる、真の力へと進化し始めていた。

ナハトは、ゲームで培った知識と、現実で得た経験を融合させ、最強の力を発揮していく。その戦いの中で、彼女は、自分自身を見つめ直し、新たな自分を発見していく。

そして、物語は、新たな展開へと進んでいく。ナハトの、そして、リリアの、未来は、まだ、誰にも分からない。しかし、彼女たちは、共に歩み、未来を切り開いていくことを誓った。その未来には、希望と、そして、少しの、狂気も含まれていた。ゲームの中とは違う、本当の、そして、激しい、物語が、今、始まろうとしていた。
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