異世界ファンタジーまとめ2【短編集】

テタの工房

文字の大きさ
34 / 184

異世界チート飯

しおりを挟む
修学旅行のバスは、ガタガタと音を立てて、まるで酔っ払いの運転手でも乗っているかのように、とんでもない揺れ方を始めた。窓の外は、さっきまで見慣れた日本の景色だったはずなのに、いつの間にか緑濃い森に変わっていた。

「ちょ、ちょ、ちょっと!何これ!?」

隣の席の、いつも完璧なヘアスタイルをキープしているクラスの優等生、レイナが、悲鳴を上げた。俺、シズマは、ただただ状況を理解しようと、窓の外をぼんやり眺めていた。

どうやら、俺たち高校二年生は、修学旅行先の京都から、異世界に召喚されたらしい。

召喚したのは、「ダンジョンマスター」と名乗る、謎の力を持つ存在だった。そのダンジョンマスターは、俺たちをこの世界に召喚した理由を説明した後、驚くべき提案をしてきた。

「貴様らに、どんな願いでも一つだけ叶えてやろう。」

それは、まるでゲームのチートコードのような、とんでもない話だった。

当然、クラスメイトたちは大喜び。レイナは「イケメンの王子様と結婚したい!」とか、クラスの人気者、ケンは「最強の魔法使いになりたい!」とか、ありとあらゆる願望を口にした。

俺も、正直言って、色々と考えていた。好きなアイドルとデートとか、宝くじで億万長者とか、ありきたりな願いは山ほどあった。でも、それらはどこか、現実離れしている気がして、ためらっていた。

そんな中、予想外の出来事が起こった。ケンが、俺を陥れようとしたのだ。

「シズマ、お前は、この異世界で生きていくには邪魔だ。だから、願いを叶えてもらう権利は、俺が貰う!」

ケンは、ダンジョンマスターに、俺をこの世界に置き去りにするようそそのかした。ダンジョンマスターは、あっさりそれを受け入れた。

そして、俺は、森の中に一人ぼっちで放り出された。

しかし、そこで俺は、自分がとんでもない力を得ていることに気づいた。ダンジョンマスターが、俺にも願いを叶えていたのだ。

それは、ケンが想像もしていなかった、とんでもない力だった。

俺は、ダンジョンマスターを殺した。

別に、積極的に復讐したいわけじゃない。ただ、あの男の都合の良いように操られるのは嫌だった。俺の人生は、俺が決める。

ダンジョンマスターを殺したことで得た力は、想像をはるかに超えるものだった。あらゆる職業をマスターできる能力。戦闘スキルはもちろん、料理や鍛冶、魔法、何でもこなせるのだ。

俺は、この世界を生き抜くための準備を始めた。まず、お腹が空いた。

森の中で見つけた野生のキノコとベリーで、簡単なスープを作った。俺の料理スキルは、まるでプロのシェフのようだった。

それから、自分用の住処を確保し、武器と防具を作った。そして、森の奥深くで出会った、狐の耳と尻尾を持つ少女、ユキと友達になった。

彼女は、この世界のことや、ダンジョンマスターの事などを教えてくれた。

元クラスメイトたちは、俺がダンジョンマスターを殺したことを知れば、きっと驚くだろう。だが、もう関係ない。

彼らは、自分たちの願いを叶え、幸せに暮らしているかもしれない。あるいは、この世界の残酷な現実と戦い、苦しんでいるかもしれない。

俺は、彼らのことなど、もうどうでもよかった。

俺は、この世界で、自分のペースで生きていく。美味しいものを食べ、強い武器を作り、楽しい日々を送る。

もし、元クラスメイトが困って助けを求めてきたとしても、たぶん、助けたりはしないだろう。

だって、俺は、もう彼らとは違う世界にいるのだから。

ユキと二人で、森の奥深くにあるという、伝説のダンジョンへ向かう準備を始めた。

そこには、きっと、想像を絶する冒険と、美味しい料理が待っているだろう。

俺は、笑顔で、一歩を踏み出した。  この異世界で、俺の新たな人生が始まったのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依
ファンタジー
 氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。  死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。  大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...