異世界ファンタジーまとめ2【短編集】

テタの工房

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追放された植物魔導師と、最強のんびり村

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リィトは、かつて英雄と呼ばれた男だった。いや、過去形にするのはちょっと悔しいけど、今はただの追放者だ。

植物魔導のスキルで戦争を終わらせ、国を救った英雄、リィト。その功績は誰もが認めるものだった。だけど、英雄にも敵はいる。同僚の陰謀によって、彼は国から追放されたのだ。

「ふふふ……これでやっと、のんびりできる!」

追放令状を受け取った瞬間、リィトは内心ガッツポーズを決めた。英雄の肩書きは重い。いつまでも人々の期待に応え続けなければならない。そんな重圧から解放された今、彼の心は自由だった。

かねてから夢見ていたスローライフ。自分のペースで、好きなだけ植物を育て、美味しいものを食べて、のんびり暮らす。それがリィトの願いだった。

さっそく、国境近くの荒れ果てた土地を購入した。そこは、雑草が生い茂り、動物の足跡が点々と残る、まさに何もない場所。しかし、リィトにとっては最高のキャンバスだ。

「よし、まずは世界樹を植えて…」

リィトはリュックサックから、大切に保管していた種を取り出した。それは、彼が長年探し求めていた、伝説の世界樹の種。この種さえあれば、どんな荒れ地でも緑豊かな楽園に変えられるはずだ。

種を土に埋め、魔法の力で水をやると、みるみるうちに芽が出て、枝葉を伸ばし始めた。あっという間に、巨大な世界樹がそびえ立つ。その姿は、まるで絵画のようだった。

「う~ん、完璧!」

満足げに世界樹を眺めていると、茂みから小さな女の子が顔を出した。綺麗な花のような髪と、透き通るような肌を持つ、美しい少女。彼女は、この土地に住む花人族の少女、フローラだった。

「ここは…あなたのお家ですか?」

フローラは、少し不安げな表情で尋ねてきた。

「ああ、そうだよ。これから、ここに村を作るんだ」

リィトはにこやかに答えた。フローラは最初は警戒していたが、リィトの優しさに触れ、すぐに打ち解けた。

その後、次々と村を訪れる者が現れた。帝国の王女、エルザ。猫人族の少女、ミケ。それぞれ事情を抱えながらも、リィトの優しさに惹かれ、村で暮らすことを決めた。

リィトは、彼らが安心して暮らせるよう、魔法を使って家を建て、畑を作り、美味しい料理を作った。村は、日増しに賑やかになっていった。

ある日、リィトは世界樹の根元に、不思議な光を発見した。近づいてみると、それは、世界樹が産み落とした、小さな種だった。その種は、まるで宝石のように輝いていた。

「これは…まさか…?」

リィトは、その種が、想像をはるかに超える力を持っていることに気づいた。それは、どんな願いでも叶えることができる、魔法の種だったのだ。

村の人々は、魔法の種を使って、それぞれの夢を実現していく。フローラは、美しい花畑を作った。エルザは、平和な国を築くために奔走した。ミケは、猫たちのための楽園を作った。

リィトの村は、魔法の種によって、ますます繁栄していった。そして、リィトは、かつて英雄と呼ばれた男から、のんびり村の村長へと、人生のステージを変えたのだ。

かつては国の命運を背負っていた男が、今では、村人たちの笑顔を見守るのが仕事。それは、彼にとって最高の幸せだった。

夜空には満月が輝き、世界樹の枝葉が風にそよいでいる。リィトは、穏やかな風を感じながら、静かに目を閉じた。彼のスローライフは、まだまだ続く。そして、その未来は、きっと明るいものだろう。
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