異世界ファンタジーまとめ2【短編集】

テタの工房

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木霊のささやきと、残り物の魔法

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愛理は、いつものようにゲームをしていた。深夜0時を過ぎた頃、画面が白く光り、耳をつんざくような音がした。そして、意識を失った。

次に目を覚ました時、愛理は自分が森の中にいることに気付いた。空は青く、木々は緑豊か。まるでゲームの世界のようだが、明らかに違う。どこか、懐かしい匂いがする。

「ここは…どこ?」

愛理は声を上げたが、自分の声が、少し高くて、細いことに気付いた。鏡のような水面に映る自分の姿は、見慣れない少年の姿だった。

その時、目の前に光る球体が現れた。「あなたは異世界に転移しました。ジョブとスキルを一つ選びなさい」と、機械のような声が響いた。

ジョブの候補は、戦士、魔法使い、盗賊、商人…たくさんあった。スキルは、剣術、魔法、弓術、隠密…これもたくさんあった。

愛理は迷った。何をすればいいのか、さっぱりわからない。候補を眺めていると、最後に「残り物」という項目を見つけた。

「残り物…って何?」

少し不安だったが、他に良い選択肢が見当たらなかった。愛理は「残り物」と「木霊のささやき」というスキルを選んだ。

「ジョブは『残り物使い』、スキルは『木霊のささやき』に決定しました。転移に伴う身体変化は、性別転換と、一部能力の付与です。詳細については、ご自身で確認してください」

機械のような声が消えると、愛理は自分の体の中に、不思議な力が満ちていくのを感じた。

森の中を歩いていると、小さな妖精のような生き物に出会った。ふわふわの白い毛で覆われた、可愛らしい生き物だった。

「こんにちは」

愛理は、声をかけた。すると、妖精は愛理の言葉を理解したように、小さな声で答えた。

「…ようこそ、エルフの森へ」

妖精は、愛理に森の事を教えてくれた。この森には、木霊と呼ばれる精霊が宿り、木々と一体となって生きているという。愛理が選んだ「木霊のささやき」は、その木霊と会話できる能力だったらしい。

数日後、愛理は森の中で、一人の青年と出会った。その青年は、凛々しい顔立ちで、強いオーラを放っていた。名前は、リヒトというらしい。

リヒトは、この森を守る騎士団の団長だった。愛理の不思議な能力に興味を持ち、共に旅をすることを提案してくれた。

リヒトと旅をするうちに、愛理は自分の「残り物使い」というジョブの能力が、想像以上に強力なものだと気付いた。

「残り物使い」は、捨てられたもの、不要とされたものから魔法を作り出す能力だった。道端に落ちている石ころから、強力な魔法を発生させたり、腐りかけた果物から回復魔法を作り出したりできた。

ある日、二人は山賊に襲われた。しかし、愛理は捨てられた武器や、地面に落ちている枯れ葉を使って、強力な魔法を放ち、山賊たちを撃退した。

リヒトは、愛理の能力に驚きながらも、次第に惹かれていった。愛理は、見た目こそ少年だが、心は優しく、誰に対しても分け隔てなく接する、純粋な心を持っていた。

旅の途中で、愛理は様々な人々と出会い、様々な経験をした。時には危険な目に遭うこともあったが、リヒトや森の仲間たちのおかげで、いつも乗り越えることができた。

そして、ある日、愛理とリヒトは、お互いの気持ちに気付いた。二人は、静かに、そして深く愛し合った。

旅の終わりに、愛理は元の世界に戻る方法を見つけた。しかし、愛理は、この異世界に残ることを決めた。リヒトと、森の仲間たちと、そして、この世界で出会った温かい思い出と共に。

愛理は、この異世界で、新しい人生を歩み始めた。木霊のささやきを聞きながら、リヒトと、そして森の仲間たちと、幸せな日々を送った。  「残り物」から生まれた魔法は、彼らの生活を豊かに彩り、愛理の優しい心は、この世界に温かい光を灯し続けた。
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