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ふたたび王都へ 2
88.
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朦朧とした意識の中、教会に連れて行けとククルが言うがどうしたものか。
クロイスの話ではネル様絡みみたいだし行った方が良いのだろうが、、、
時刻的にはお昼過ぎ、今から教会に行くには充分な時間はあるがこの家には馬車がない。
外の警備員にワグリアナ邸に馬車を取りに行ってもらっても日が落ちるまでには間に合うか。
アイザックは外に行き警備員にワグリアナの執事宛に書いた手紙を渡し、馬車を借りてもらう様に伝えて向かってもらった。
ククルの部屋に戻り様子を伺いつつもいつでも出掛けられるように準備する。
それから2時間ほどで使いを頼んだ者が馬車で戻ってきた。
「ククル、今から教会に連れて行くから。」
声を掛けると意識はあるのか小さく頷いた。
クローゼットからククルの上着を出して部屋着の上から着せる。
そのまま抱き上げて馬車に乗り込んだ。
御者の出来る警備員に行き先を伝えて教会に向かった。
貴族用の礼拝堂に入り他の者が入室出来ない様に結界をはる。
「連れて来たは良いがどうしたらいいのだ?」
考えを巡らし瞬きをした瞬間、辺りの景色が一転し、白い空間に立っている事に気がついた。
「貴方がアイザックさんですね。この度はご迷惑をおかけしました」
なんとも言えない神秘的な人が目の前に現れた。
「あなたはネルコフリスタル様でしょうか」
「はい、私がネルコフリスタルです。どうぞネルとお呼び下さい」
「何が、起こったのですか」
「そうですね。貴方には説明が必要とは思いますがまずはククルさんの不調を和らげますのでこちらにお預かりしてもよろしいですか」
「わかりました」
アイザックは抱き抱えていたククルをネル様に渡す。
「少しお待ちください」
そう言い残してネル様はククルを抱いたまま姿が消えた。
「な、、、」
流石のアイザックも言葉にならない光景に只々驚くだけだった。
「お待たせしました。ククルさんは暫く彼方の空間にて養生しております。お話が終わる頃には連れて帰って頂いても大丈夫ですよ」
「わかりました。」
「さて、何処からお話いたしましょうか。ククルさんからも聞き知ったことはあるかと重いますが私の方から一度順を追ってお伝えする事にいたしますね」
そこからはククルが前世でどの様に亡くなり此方に来る時にどうしたのか、今回何故この様な事になったのかの説明を聞かされた。
アイザックはネル様が話している間黙ってじっと聞いていた。
「以上が今回の発端と成り行きです。数日前にククルさんが来られた時に万が一身体が大変な事になりそうなら教会に来ていただける様お伝えしておりました。奇跡的にもその事だけでも伝えていただけて良かったです」
アイザックはなんと答えれば良いが言葉が思いうがばない。
「ネル様、今回の事で今後ククルに何が影響があったりはするのですか?」
「アイザックさん、心配には及びませんよ。ご存知かと思いますがククルさんは歳の割に体力も低かったのですが其方も人並みには成長する様に調整いたしました。以前より健康に過ごせるかと」
「分かりました。ありがとうございます。」
「いえ、元々はこちらの手違いでしかありません。彼女には何かお詫びをしなくてはと考えております。お元気になられたら改めて教会にお越し下さい」
「わかりました。伝えておきます」
その後、ネル様がククルを連れてきてくれた。
先程に比べると随分顔色もよく今はスヤスヤ眠っている。
改めてお礼を伝え家に帰る事にした。
ネル様の話では明日中には目覚めるとの事。
ククルをベッドに寝かせ念の為、今日は自分もククルの部屋で就寝する事にした。
翌朝、自分が起きてもまだ目覚めそうにない。
気長に待とうかととりあえず朝食を済ませてククルの部屋で本を読みながら過ごした。
そろそろ昼でも食べようかとキッチンに向かい適当にその辺の物を摘む。
ガチャ
なんとなく二階から物音が聞こえるので階段を上がって見るとククルが起き出してきた。
「おはよう、ククル。身体はどうだい?大丈夫か」
「あ、アイザック、、、ん、大丈夫。ありがとう」
丸々1日以上寝込んでたせいか足元がフラフラしている。
とりあえずククルを抱き上げてリビングに向かった。
「ククル何か食べれるかい?」
「んー、果物が良いかな」
まだ、いつもの元気はないが少しは食べるみたいなのでキッチンから果物を持ってくる。
食べやすい大きさに切ってやると黙々とそれを食べている。
「明日の朝にはハナが帰ってくるから」
「わかった。アイザックはご飯食べたの?」
「ああ、さっき適当に摘んだ。」
ククルが無言で収納から食べ物を出す。
「どうぞ、召し上がれ」
にっこりこちらを向いて差し出して来たので遠慮なく頂いた。
それからククルは今日はベッドにいると言うので部屋まで連れていった。
「夕食時にまた来るから」
「わかった。ありがとうアイザック。夕食も収納から出すね」
そのまま、ベッドに潜ったので自分の部屋に戻り昨日からの忙しさをリセットするかの様に寝落ちしたのだ。
ふと目が覚めてみると下で物音がする。
窓の外を見ると薄暗いので日が落ちたみたいだ。
リビングに行くとククルが夕食を準備してくれてた。
「ありがとうククル。身体は大丈夫かい?」
「大丈夫だよ。全快とまではいかないけど」
二人でテーブルにつき食事にする。
ククルは自分が食べやすいシチューを選んだみたいだ。
食べながらネル様の事をククルに報告する。
「そっか。わかった。もう少し回復したら教会にいくね」
その後、マリアント様やマーサスの事、ゴーレムズの事を伝える。
「マリアント様達にもお礼をしないとね」
夕食も終わりソファでゆっくりしてたが早々に部屋に戻り早めに就寝する事にした。
クロイスの話ではネル様絡みみたいだし行った方が良いのだろうが、、、
時刻的にはお昼過ぎ、今から教会に行くには充分な時間はあるがこの家には馬車がない。
外の警備員にワグリアナ邸に馬車を取りに行ってもらっても日が落ちるまでには間に合うか。
アイザックは外に行き警備員にワグリアナの執事宛に書いた手紙を渡し、馬車を借りてもらう様に伝えて向かってもらった。
ククルの部屋に戻り様子を伺いつつもいつでも出掛けられるように準備する。
それから2時間ほどで使いを頼んだ者が馬車で戻ってきた。
「ククル、今から教会に連れて行くから。」
声を掛けると意識はあるのか小さく頷いた。
クローゼットからククルの上着を出して部屋着の上から着せる。
そのまま抱き上げて馬車に乗り込んだ。
御者の出来る警備員に行き先を伝えて教会に向かった。
貴族用の礼拝堂に入り他の者が入室出来ない様に結界をはる。
「連れて来たは良いがどうしたらいいのだ?」
考えを巡らし瞬きをした瞬間、辺りの景色が一転し、白い空間に立っている事に気がついた。
「貴方がアイザックさんですね。この度はご迷惑をおかけしました」
なんとも言えない神秘的な人が目の前に現れた。
「あなたはネルコフリスタル様でしょうか」
「はい、私がネルコフリスタルです。どうぞネルとお呼び下さい」
「何が、起こったのですか」
「そうですね。貴方には説明が必要とは思いますがまずはククルさんの不調を和らげますのでこちらにお預かりしてもよろしいですか」
「わかりました」
アイザックは抱き抱えていたククルをネル様に渡す。
「少しお待ちください」
そう言い残してネル様はククルを抱いたまま姿が消えた。
「な、、、」
流石のアイザックも言葉にならない光景に只々驚くだけだった。
「お待たせしました。ククルさんは暫く彼方の空間にて養生しております。お話が終わる頃には連れて帰って頂いても大丈夫ですよ」
「わかりました。」
「さて、何処からお話いたしましょうか。ククルさんからも聞き知ったことはあるかと重いますが私の方から一度順を追ってお伝えする事にいたしますね」
そこからはククルが前世でどの様に亡くなり此方に来る時にどうしたのか、今回何故この様な事になったのかの説明を聞かされた。
アイザックはネル様が話している間黙ってじっと聞いていた。
「以上が今回の発端と成り行きです。数日前にククルさんが来られた時に万が一身体が大変な事になりそうなら教会に来ていただける様お伝えしておりました。奇跡的にもその事だけでも伝えていただけて良かったです」
アイザックはなんと答えれば良いが言葉が思いうがばない。
「ネル様、今回の事で今後ククルに何が影響があったりはするのですか?」
「アイザックさん、心配には及びませんよ。ご存知かと思いますがククルさんは歳の割に体力も低かったのですが其方も人並みには成長する様に調整いたしました。以前より健康に過ごせるかと」
「分かりました。ありがとうございます。」
「いえ、元々はこちらの手違いでしかありません。彼女には何かお詫びをしなくてはと考えております。お元気になられたら改めて教会にお越し下さい」
「わかりました。伝えておきます」
その後、ネル様がククルを連れてきてくれた。
先程に比べると随分顔色もよく今はスヤスヤ眠っている。
改めてお礼を伝え家に帰る事にした。
ネル様の話では明日中には目覚めるとの事。
ククルをベッドに寝かせ念の為、今日は自分もククルの部屋で就寝する事にした。
翌朝、自分が起きてもまだ目覚めそうにない。
気長に待とうかととりあえず朝食を済ませてククルの部屋で本を読みながら過ごした。
そろそろ昼でも食べようかとキッチンに向かい適当にその辺の物を摘む。
ガチャ
なんとなく二階から物音が聞こえるので階段を上がって見るとククルが起き出してきた。
「おはよう、ククル。身体はどうだい?大丈夫か」
「あ、アイザック、、、ん、大丈夫。ありがとう」
丸々1日以上寝込んでたせいか足元がフラフラしている。
とりあえずククルを抱き上げてリビングに向かった。
「ククル何か食べれるかい?」
「んー、果物が良いかな」
まだ、いつもの元気はないが少しは食べるみたいなのでキッチンから果物を持ってくる。
食べやすい大きさに切ってやると黙々とそれを食べている。
「明日の朝にはハナが帰ってくるから」
「わかった。アイザックはご飯食べたの?」
「ああ、さっき適当に摘んだ。」
ククルが無言で収納から食べ物を出す。
「どうぞ、召し上がれ」
にっこりこちらを向いて差し出して来たので遠慮なく頂いた。
それからククルは今日はベッドにいると言うので部屋まで連れていった。
「夕食時にまた来るから」
「わかった。ありがとうアイザック。夕食も収納から出すね」
そのまま、ベッドに潜ったので自分の部屋に戻り昨日からの忙しさをリセットするかの様に寝落ちしたのだ。
ふと目が覚めてみると下で物音がする。
窓の外を見ると薄暗いので日が落ちたみたいだ。
リビングに行くとククルが夕食を準備してくれてた。
「ありがとうククル。身体は大丈夫かい?」
「大丈夫だよ。全快とまではいかないけど」
二人でテーブルにつき食事にする。
ククルは自分が食べやすいシチューを選んだみたいだ。
食べながらネル様の事をククルに報告する。
「そっか。わかった。もう少し回復したら教会にいくね」
その後、マリアント様やマーサスの事、ゴーレムズの事を伝える。
「マリアント様達にもお礼をしないとね」
夕食も終わりソファでゆっくりしてたが早々に部屋に戻り早めに就寝する事にした。
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