転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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大型ダンジョン第三領、第四領

91.

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王都に帰ってきて10日程たった。
体調もすっかり戻り、そろそろまたダンジョンに向かいたいところだ。

今回はユイユイまで行き、第三領と第四領の大型ダンジョンに潜る予定。
妖精さんに会える確率がかなりたかい。
今は黄色と緑色、黄緑色と三色の精霊石がはまっているペンダントを眺める。

「ククル、体調はどうだい?」
「すっかり元通りだよ。」
「数日後にまた、出発するか」

私の体調が戻ったので出発日が決まった。
3日後先ずはユイユイに向かう。
そこから先に第三領側にある大型ダンジョンを攻略する。
このダンジョンは大型の中でも比較的攻略が優しくドロップアイテムもランダムで出るらしい。
腕試しにもよく使われているみたいで他に比べたら冒険者の数も多いとか。

出発の朝、ハナがお弁当を持たせてくれたのでお礼を言い、帰る前に連絡すると約束し、旅立った。


シルバー達に跨りユイユイまで馬を走らせる。

野営を挟みつつ街に到着した。

「明日は街で休養して明後日からダンジョンに行くか」

宿で食事を済ませてお風呂に入る。
明日は街をブラブラする予定。
「アイザック、明日ねギルドに行きたいな。」
「構わないぞ。ポーションの買取りか」
「違うよ。ウィンが行きたいって」
今回はウィンが旅のお供なのだが何故かギルドに連れて行けと言う。
「?そうなのか。まあ、行けばわかるか」

そんなこんなで翌日、先ずはギルドに向かった。
流石に肩に座ってると目立つので鞄から顔を覗かせている。

#ククル、あっちあっち#

ウィンに促されて売店に行くと何やら植物の種子が置いてあった。
「こんにちは、これは売り物ですか」
「ん、坊主?お使いか。あぁ、それはな非常食用だ。色んな木の実や食用の種が入ってるぞ。」
どうやらナッツの詰め合わせみたいになっている様で簡単に摘めて安いからと駆け出しの冒険者には人気とか。
ウィンが言うにはノイスから聞いて欲しくなったらしい。
勿論栽培するために。
「アイザック、これ買ってもよい?」
「好きにしたら良いぞ」
幾つ欲しいかウィンに聞くと我が家に二つ、マリアント様のところに一つらしい。
言われた通りに購入し、とりあえず鞄に仕舞った。
その後は市場に行って食料を調達。
色々見て回りながら宿に帰った。

翌日からはダンジョンに向かう。
昼頃には第三領の大型ダンジョンに到着し、中に入った。
他に比べて冒険者もチラホラ見かける。

邪魔をしない様に次の階に向かった。
そのまま夕方までに7階まで進み今日はここで野営する事にした。
安全地帯には何組かの冒険者が居たが他とは距離をとりテントを張った。

外で食事をすると色々面倒そうなのでテント内で過ごす。

「アイザック、ここは最終層まで人が多いのかな?」
「そうだな。他の大型と違って攻略しやすいから大体こんな感じだ」
「じゃあ今回はガル達に遊ばしてあげることが出来ないね」
「そうだな、見送った方が良いだろ。そのかわり次の第四領ダンジョンは難易度が高いから充分遊ばせてやれると思うぞ」
「わかった。じゃあ早いとこ攻略して次に行こうよ」

そうして翌日からはペースを上げた。
一応宝箱などもあるがアイザック曰く珍しいものは入って無いらしい。
妖精のことは気にしつつも普通に攻略を進める事にした。

ダンジョンに入って5日目、37階から上を目指す。
昼頃、40階のボス部屋にたどり着いた。
中には先に挑戦者が入っている様で扉が開かない。
仕方が無いのでここで休憩しつつ順番を待つ事にした。

暫くすると扉が開いたのでアイザックと中に進む。

ここのボスはミノタウロスだった。
「あー、美味しいお肉」
思わず声が漏れてしまったが仕方がない。
お肉がドロップします様にとお願いしながら三体のミノタウロスをアッサリ倒した。
ドロップアイテムはお肉の塊が二つと両腕で抱えなくては持てない位のツノが現れた。
「お、珍しいな。ツノは中々手に入らないぞ」
「そうなんだ。あっ、これ薬の素材になるみたい。」
鑑定して見ると調合素材である事がわかる。
ルンルンと収納に仕舞い部屋から出ようと出口に向かう。が、扉が開いていない事に気がついた。
「あれ?」
「ん、おかしいな」
すると壁に違和感を感じる。
「アイザック、妖精さんが呼んでるみたい」
「ああ、成る程な。気をつけて行くんだぞ」

「はーい」
私は違和感のある壁に手を当てて中に入り込んだ。

相変わらずの綺麗な空間だ。
「こんにちは、愛し子様。私は水の妖精よ。会えて嬉しいの」
「こんにちは。私も嬉しいよ。呼んでくれてありがとう」

妖精さんに誘われて泉に近づく。
「あのね、貴女がこれを探しているって聞いたから」
徐ろに塊を渡されて咄嗟に受け取った。

「うわぁ、プラチナだ。いいの貰っても」
「大丈夫。役に立ててね。でもね一つお願いがあるの。一緒にいるゴーレムちゃんにあのお花咲かせて貰えないかな?」

この子の話ではこないだまで沢山お花が咲いていたのにちょっと居眠りしちゃって枯らしてしまったとか。
頑張って植え直して世話をしているけど土に元気がないらしく育たない。
しょんぼりしている妖精さんが可哀想なのでウィンを呼んでお願いした。

#任せて~#

ウィンが土に降りてなんだか可愛らしい踊りをしている。
すると周りの土がキラキラ光り、見る見るうちにはなが咲き始めた。

「ウィン、凄い」
「キャァ、ありがとう」

嬉しそうに妖精さんが花の周りを飛んでいる。
「今度は居眠りしない様にね」

「はい、本当にありがとうございます。そうだ、これも持って行って」

そう言って水色の石がペンダントにハマった。

「ありがとう。また遊びにきても良いかな」
「うん、また来てね。貴女が戻ったら扉が開くよ。外でお兄さんが待ってるのに引き留めてごめんね。またね」

妖精さんの声が途切れると同時に先程のボス部屋に戻った。
「ククル、おかえり」
「アイザック、ただいま。今回はね水の妖精さんだったよ」
それから壁の中での事を話しつつボス部屋から出て次の階を目指した。


44階の安全地帯に到着。
今日はここで野営をし明日一気に50階まで攻略する。

翌日、順調に進み夕方50階まで到着した。
今朝は他の冒険者とも全く会わなかったのでどうやら今、ここまで進んでいるのは他には居ない様だ。
「ククル、ボス戦は明日にしようか」
「分かった。今日はここまでだね」
ボス部屋の前の安全地帯で野営の準備をする。

他の冒険者が居ないので従魔達を影から出してみんなで夕食を食べた。
少しでも外で遊べて気が済んだのか早々に影に戻って行くので私も寝る事にした。

翌日、ボス戦もあっさり終わらし転移の魔石で入口に戻る。
一度街まで戻り、休養を挟んで次のダンジョンに向かう事にした。
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