転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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学校へ

131.

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「アイザックはピアノ弾けるの?」
「多少、俺はバイオリンを選択していたから」
ほぇー。お貴族って感じだ。
とりあえず鍵盤を叩いてみた。
"ドレミファソラシド"
うん。何か弾いてみよう。久しぶりだしとりあえず簡単な曲かな。
くるみ割り人形を弾いてみる。
ちゃっちゃらら、ちゃっちゃっ、ちゃっちゃっちゃ
一曲通して弾き終わると横で聞いていたアイザックの気配が微妙だった。
「?」
「ククル、今の曲上級の後編に有る筈だ」
先程の楽譜を開いて見せてくれた。
音符の書き方も前世と同じみたいで簡単に読むことが出来る。
「ほんとだ。だったら一回で終了出来るかな。でもちょっと練習しないとこの体ではピアノ初めてだし指が滑りにくいや」
「他の曲ももしかしたら知ってるかも知れないな。一度聴いてみたらどうだい」
「そうだね。一通り聴いてみて課題曲決めるよ」
ザッと楽譜を見てみると曲名は違うけど多分知ってる曲の方が多い様な気がする。
寝室に再生機を持っていき、寝る前にでも聴いてみる事にした。


翌日、とりあえずユミンと2人乗りで学校の近くまでシルバーを走らせる。
帰りは私の方が遅くなるので歩いて帰ると言うから辻馬車に乗る様に言った。
道中で変な人に絡まれても危ないし、家の前を通って馬車停になるので車内から門番に声を掛け、1人歩きしない様に言い聞かす。
これについては昨日アイザックにも言われたらしく素直に聞いてくれた。

「今日は午前が一般常識、午後が魔術の試験だ」
教室で授業の開始を待っていると担任が入ってきて本日の予定を告げる。
問題用紙が配られベルと共に開始となった。
問題は合計300問ある。
とりあえず順番に解答を記入していく。
どうやら3年迄の内容が全て含まれている様で点数だけで無く、各レベル毎の理解力も測りたいのだろう。
正直この教科については全く問題ない。
所詮は前世の小学校レベル。
あっと言う間に書き終わった。
「終わった者から前に回答を提出して退室しても良いぞ」
先生がこちらを向きながらそんな事を言う者だから周りの様子を伺い席を立った。
「お願いします」
「おっ、早いな。結果は昼一に発表する。それまでは自由時間だ」
午後とりあえず教室に来たら良いみたいなのでそのまま退室し、お昼ご飯はユミンと待ち合わせしているのでそれまでの間図書館に行く事にした。
教室を出る時に退室許可証を貰ったのでそれを図書館の受付に見せて中に入った。
サボり防止らしい。
「どんな本があるかな」
とりあえず一通り中を見学した。
順番に本棚を見ていくと植物関係の棚を見つけたので今日はここを読み漁る事に決めた。
先ずは薬草図鑑を手に取る。
中は丁寧な絵と生息地や時期、栽培方法や採取方法、効能など事細かに書いてある。
「この図鑑、欲しいな。今度のお休みは本屋かな」
お昼休憩まですっかり図鑑にのめり込んでいたのだ。

「ユミンお待たせ」
待ち合わせ場所の中央の広場でユミンと合流し、ハナお手製のお弁当を広げる。
「「いただきます」」
ユミンと午前中の授業についた報告したいながら食べる。
今日は午前中だけとの事で休憩が終わったら一度教室に集合し帰宅するそうだ。
「いいなぁ。私は昼からも試験だよ」
「私のクラスは夏季休暇前に試験があるそうです。そこでクリアできたら休暇明けから次のレベルの勉強になるそうですよ」
クリア出来た教科から次のレベルを勉強し、成績が良ければ次年度分の試験も受けれるとか。Bからでも飛び級は可能との事でユミンも頑張るつもりらしい。
後はたわいも無いおしゃべりをし、各々教室に戻る事にした。
「午前の試験の結果を発表する。中級前編合格者はククル、初級後編合格者は…」
先生が次々に成績を発表していった。
流石に最低でも初級の前編までは全員合格。
続いて初級の後編までが13人だった。
「午後からは魔術の試験を受けて貰う。とりあえず訓練所に、移動するぞ」
そこからはゾロゾロ先生について行った。
訓練所に到着し、各属性毎に分かれてる。
同じ水属性は私をいれて6人いた。
そこからは属性毎にスペースを分け、1人づつ試験に挑む。
「私は水属性担当のアリエラです。今日はよろしくお願いします」
試験の概要はまず自分の全開の魔力で的に魔法を打てとの事。
次に逆の属性で攻撃するから防御してみなさいとことだ。
恐らく全開だと的を壊しそうなので加減する事にする。
私は一番最後なので他の子の様子を伺う。
それぞれ詠唱後、魔法を発動する。
ん、無詠唱は目立ちそうだけどちゃっちゃと終わらせたいので右手をかざし的にウォーターボールを放った。
「「「「「…」」」」」
生徒は無言だ。
「ククルさんは無詠唱なんですね。次は逆属性に反発してもらいます。貴女からお願いしても大丈夫かしら」
「はい、大丈夫です。お願いします」
魔道具からファイアボールが出てくるのでそれを撃ち落としたら良いらしい。
順番待ちの生徒はシールドの中で待機とか。
とりあえず前に出て開始を待つ。
30発中、どれだけ撃ち落とせるかの試験らしいので集中する事にした。
「順番は良いですか」
「はい」
「レディーゴー」
順番に撃ち出される火玉をどんどん落としていく。
途中から二発三発と同時に出てくるが同じ数で確実に落としていった。
「終了」
全ての火玉を漏らす事なく落とせた。
「ククルさん、満点の合格です。おめでとうございます」
「はい、ありがとうございます」
上級の後編まで終了との事。
興味があるなら専門魔術の授業を受けたら上級魔法まで習得出来るとか。
特に必要性も感じないが曖昧に返事しておく。
他の子達を見ていると最初の10発位はなんとか落としているが後は魔力も足りないか落とす事は出来ない。
最低でも初級の前編まで合格して終了となった。
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