転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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学校へ

132.

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そのまま順調に試験は進んだ。
最終日、午前が調合で午後が音楽だ。
調合は担任が担当の様で生徒は10人だ。
意外と多いのでびっくりしたが貴族なら初級のポーション位は調合できる様に教わるらしい。
「前まで素材を取りに来て各自ポーションを調合してくれ。基本の四種類各一本とできる奴は丸薬も調合する事。終わったらこっちに提出に来い」
だそうだ。
とりあえず台にある素材を選ぶ。
鑑定してみたが優は数が少ないのでさっさと確保した。
ちゃっちゃと上級ポーションを調合。
丸薬は風邪薬と痛み止めを作る。
試験で調合した物は学校が販売するそうだが私は薬師ギルド所属なので代理販売が禁止されている。
試験が終わったら先生に話して引き取らなくてはならない。
当然ながら一番最初に調合が終わり提出する。
「中々はやいな。鑑定するぞ」
鑑定していくうちに先生の顔が厳しくなる。
「お前、とりあえず上級後編まで合格だ。今日放課後職員室に来なさい」
「はい、わかりました」
恐らく上級のSに警戒心が出たのだろう。どちらにしても引き取りに行かなくてはならなかったので手間が省けた感じだ。
午後からの音楽では課題曲から二曲選んで弾く様に言われた。
知ってる曲を選んで難なくこなし、しっかり合格をもぎ取った。

放課後、職員室の担任を訪ねた。
「ククルさん、とりあえずここではなんなんで面談室を使いましょう」
職員室の奥にある面談室に入り、担任が防音の結界を作動させた。
「さて、今日呼び出したのは君が調合したポーションのことだ。」
やっぱりだ。それならと
「先生、先にお話聞いてください。てか、私薬師ギルド所属なのでポーションも丸薬も返却お願いします。代理販売禁止なので」
「はあ?君が薬師ギルド所属?そんな訳ないだろう。」
ギルドカードを出しても良いか収納の事を話しなくてはならない。
どうしたものかと考える。
「そうだ。先生今から時間ありますか?薬師ギルドについて来てください。そしたら分かると思うので」
「そこまで言うならそうしよう。お互い疑心暗鬼ではこれからの学業に支障が出てもなんだしな」
早速学校を出てギルドに向かった。
先生が馬車を準備してくれたのでそれに乗せてもらう。
馬車の中では特に余計な事も喋らず座っていた。
ギルドに到着したので早速受付でと思ったがどうやって証明しようか?
受付前で固まっていると奥からマリアント様が顔を出した。
「あら、ククルちゃんどうしたの?」
「あっ、マリアント様。実は…」
丁度良いところに居てくれたので学校での事を説明した。
「そう。とりあえず個室に移動しましょうか。そちらの先生もどうぞ。」

「私、初等部の教師でソルトリアと申します。」
「はじめまして。ギルドマスターのマリアントよ。この子の事で何か問題でも?」
そこで先生は私の調合したポーションと丸薬について話をし、流れでここに来た事を説明する。
「事情はわかったわ。先ずはククルは間違いなく薬師ギルド所属よ。ランクとしてはまだ登録したばかりだから低いけど実力で言えばAと変わらないわ。」
「そうですか。わかりました。」
流石にビックリしたのか先生はそれ以上は口を挟まない。
「先生は王宮の薬師所属かしら」
「はい、私がと言うか教師は本来王宮所属ですので。3年前から学校勤務をしております。それまでは研究室に所属しておりました。」
「えー、じゃあドルフさんと知り合いですか?」
「もしかして研究室長のランドフル様の事ですか?」
「そうそう。やっぱり知り合いなんだ」
先生は唖然としたまま口を閉ざしてしまった。

先生はまだ仕事が残っているからと学校に帰っていった。
私はマリアント様の執務室にお邪魔している。
「マリアント様ありがとうございます。学校にいる時はカードを収納に入れてて出すに出せなくて」
「そうだったのね。今後この様な時に困らない為に薬師証を発行するわね。少しまってて」
部屋から一度出て行ったが数分で戻ってきた。
「これよ」
受け取ったブレスレットは細いデザインで普段から着けていても邪魔にならない。
小さいコイン型の飾りが付いていてこれが薬師証だとか。
マリアント様の話では研究室、冒険者ギルドでも発行してもらいつけておく方が良いとの事。
ギルドカードの代わりになるとかで持ってる方が便利そうだ。
マーサスには声を掛けといてあげるねと言われお願いする事にした。

帰宅して先ずはアイザックに今日の事を説明する。
明日学校がお休みなので研究室にお願いしに行く事にした。

「ククル、来週から週に一回だが高等部の講師をする事になった」
前に少し聞いていた話をどうやら引き受けたらしい。
騎士科の剣術の先生らしくアイザックに似合いそうだ。
予定のある時は休む事も出来るのでそんなに大変では無いとか。
「そっか。私は一応全ての試験合格したから飛び級確定だよ。来週からは先生が他の授業で気になるのがあったら受けても良いって言ってたから新しい事に挑戦しようかと思って。週の数日は学校に行って後は研究かな。古代薬もだけど生成のスキルは鍛えたいし。夏季休暇は旅にでようね。」
「はいはい、一発で全教科合格ってほんと、ククルらしいな。」
学校に行かない時は予定を知らせる様にアイザックから釘をさされたのだ。
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