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1章 時間の路
8話 揺れる心⑥
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レッド「3年前のあの日…村が襲われた日。俺はたまたま狩りに出ていて村には居なかった。村へ戻った時にはもう、火の海だったよ。」
ナーダ「私はお父さんに教会の地下に連れて行かれて、そこで避難していたの。」
レッド「そうだったのか。…それで、村へ戻った時に親父がまだ生きていてさ。…親父が最後に言い残したんだ。アサシンが襲って来たって。」
ブルー「でもそれなら、どうしてアサシンに…?」
レッド「村を襲ったアサシンを見つけ出して村の仇を取る。その為にアサシンになったんだ。アサシンの情報を捕まえるにはアサシンになるのが一番早いと踏んだんだ。」
ナーダ「何でそんな危ない事を。」
レッド「さっきも言っただろ。村の仇を取る為だ。」
ナーダ「それでアサシンに?馬鹿じゃないの!」
レッド「馬鹿で悪かったな!」
ブルー「はいはい、喧嘩しないの。」
レッド「ブルー、この事はなるべく内密に頼む。仇の耳にでも入ってしまうと、色々とやり難くなる。」
ブルー「…分かったわ。レッドが最終的にどういう道を選ぼうとしても、この事は黙っていた方が良いわね。」
レッド「すまん、頼む。」
ブルー「バダグにだけは言うかもよ。」
レッド「…それは仕方ないな。」
ブルーは背伸びをする。
ブルー「もう夜中なんだし…」
レッド「ってか、もうすぐ夜明けだぜ。」
ブルー「今日はここに泊まっていくわ。」
レッド「仕事も入ってない。好きにしろ。」
ブルー「ナーダさんも泊っていくでしょ?」
ナーダ「え、私は…」
ブルー「レッド、良いんでしょ?」
レッド「…ハンター支部よりは安全だ。」
ブルー「もう、素直じゃないわね。はいはい、おやすみ。」
段々と空が白くなってきた。レッドの家はまだまだ暗い。
ナーダ「…………はぁ。」
ブルー「…眠れないの?」
ナーダ「あ、ごめんなさい。起こしちゃいましたか?」
ブルー「大丈夫よ。」
ブルー「あまり気にしない方が良いわ。レッドだって本当は嬉しいハズよ。3年振りに、しかも全滅した村の生き残りの幼馴染と再会したんだから。」
ナーダ「どうなんでしょう。私は凄く嬉しいんですけどね。…村に居た時は、結構仲も良かったんですよ。」
ブルー「そう言えば、アイツって何歳なの?」
ナーダ「今年で23歳ですよ。」
ブルー「え!?私と変わらないじゃない。ガキっぽい所もあるし、もうちょっと下だと思ってたわ。」
ナーダ「ふふっ、子供っぽいのは昔からですよ。」
ブルー「ああ、まあ…そんな感じもするわね。」
ナーダ「あの…ブルーさんは、レシアとは…どういった…」
ブルー「え?ああ、レッドと私はアサシンとしての大切なパートナーよ。冥福を祈り出す変な所もあるけど…腕は立つし何より信頼が出来るわ。」
ナーダ「そ、そうですか…」
ブルー「なに?本当に聞きたいのはそんな事じゃ無い?」
ナーダ「い、いえ。そんな事は…」
ブルー「あくまで私達は仕事上のパートナー。心配しなくても、情の絡む様な関係では無いわ。」
ナーダ「そ、そんな事心配なんかしてません。」
暫しの沈黙。
ナーダ「レシアはアサシンを続けるんでしょうか。」
ブルー「続けるでしょうね。少なくとも村の仇ってのを討つまではね。」
ナーダ「…私は諦めません。レシアにアサシンを辞めさせます。」
ブルー「アイツは結構頑固よ?」
ナーダ「それは分かってますが…」
ブルー「アイツの腕ならそうそう敗れはしないわ。さっきのハンター長みたいな化け物が出てきたら分からないけど。」
ナーダ「ちゃんと何回も話をすれば、レシアもきっと分かってくれると思っています。」
ブルー「そう…そうなると良いわね。」
ナーダ「はい、頑張ります。」
レッド(…纏わり付かれるの確定かよ…)
気が付くともう真昼間だった。ナーダはまだベッドで寝息を立てている。ブルーの姿はなく、寝ていたはずのソファーの上には毛布がきちんと折りたたまれて置いてあった。
レッド「…ふわぁ~っと。床の寝心地が最高過ぎて、身体が痛いぜ。」
机の上には書置きが置いてあった。ブルーが置いて行ったのだろう。
レッド「なになに…先に帰る。賞金は好きな時に受け取りに行け。私は先に貰っておく。…か。」
ブルーの事だ。とっくに受け取りに行っているだろう。レッドは出かける旨を書き置いて机の上に置く。家での焼肉が中止になったから食べ物もある。…切れたネギもあるし。
レッド「さて、アサシン本部に行くか。」
バダグ「おっ、レッドじゃないか。」
レッド「昨夜のロックの賞金を受け取りに来た。ブルーは?」
バダグ「ブルーなら少し前に来て、賞金を貰っていったよ。はい、レッドの分。」
レッド「おう。」
バダグ「…ハンター長に誘われたんだって?」
レッド「…やっぱり聞いていたか。ってかその言い方は止めろ。」
バダグ「アサシン、続けるのか?」
レッド「まあな。でも今後、俺はハンター長の対象になるかもしれない。」
バダグ「…そうかもね。ブルーとのコンビも解消した方が良い?」
レッド「その方が良いかもしれないな。正直、俺からは言い辛い。バダグから言っておいてくれ。」
バダグ「本当はレッドから言った方が良いと思うけど…分かったよ。ブルーには俺から言っておこう。」
レッド「ああ、助かるよ。」
ナーダ「私はお父さんに教会の地下に連れて行かれて、そこで避難していたの。」
レッド「そうだったのか。…それで、村へ戻った時に親父がまだ生きていてさ。…親父が最後に言い残したんだ。アサシンが襲って来たって。」
ブルー「でもそれなら、どうしてアサシンに…?」
レッド「村を襲ったアサシンを見つけ出して村の仇を取る。その為にアサシンになったんだ。アサシンの情報を捕まえるにはアサシンになるのが一番早いと踏んだんだ。」
ナーダ「何でそんな危ない事を。」
レッド「さっきも言っただろ。村の仇を取る為だ。」
ナーダ「それでアサシンに?馬鹿じゃないの!」
レッド「馬鹿で悪かったな!」
ブルー「はいはい、喧嘩しないの。」
レッド「ブルー、この事はなるべく内密に頼む。仇の耳にでも入ってしまうと、色々とやり難くなる。」
ブルー「…分かったわ。レッドが最終的にどういう道を選ぼうとしても、この事は黙っていた方が良いわね。」
レッド「すまん、頼む。」
ブルー「バダグにだけは言うかもよ。」
レッド「…それは仕方ないな。」
ブルーは背伸びをする。
ブルー「もう夜中なんだし…」
レッド「ってか、もうすぐ夜明けだぜ。」
ブルー「今日はここに泊まっていくわ。」
レッド「仕事も入ってない。好きにしろ。」
ブルー「ナーダさんも泊っていくでしょ?」
ナーダ「え、私は…」
ブルー「レッド、良いんでしょ?」
レッド「…ハンター支部よりは安全だ。」
ブルー「もう、素直じゃないわね。はいはい、おやすみ。」
段々と空が白くなってきた。レッドの家はまだまだ暗い。
ナーダ「…………はぁ。」
ブルー「…眠れないの?」
ナーダ「あ、ごめんなさい。起こしちゃいましたか?」
ブルー「大丈夫よ。」
ブルー「あまり気にしない方が良いわ。レッドだって本当は嬉しいハズよ。3年振りに、しかも全滅した村の生き残りの幼馴染と再会したんだから。」
ナーダ「どうなんでしょう。私は凄く嬉しいんですけどね。…村に居た時は、結構仲も良かったんですよ。」
ブルー「そう言えば、アイツって何歳なの?」
ナーダ「今年で23歳ですよ。」
ブルー「え!?私と変わらないじゃない。ガキっぽい所もあるし、もうちょっと下だと思ってたわ。」
ナーダ「ふふっ、子供っぽいのは昔からですよ。」
ブルー「ああ、まあ…そんな感じもするわね。」
ナーダ「あの…ブルーさんは、レシアとは…どういった…」
ブルー「え?ああ、レッドと私はアサシンとしての大切なパートナーよ。冥福を祈り出す変な所もあるけど…腕は立つし何より信頼が出来るわ。」
ナーダ「そ、そうですか…」
ブルー「なに?本当に聞きたいのはそんな事じゃ無い?」
ナーダ「い、いえ。そんな事は…」
ブルー「あくまで私達は仕事上のパートナー。心配しなくても、情の絡む様な関係では無いわ。」
ナーダ「そ、そんな事心配なんかしてません。」
暫しの沈黙。
ナーダ「レシアはアサシンを続けるんでしょうか。」
ブルー「続けるでしょうね。少なくとも村の仇ってのを討つまではね。」
ナーダ「…私は諦めません。レシアにアサシンを辞めさせます。」
ブルー「アイツは結構頑固よ?」
ナーダ「それは分かってますが…」
ブルー「アイツの腕ならそうそう敗れはしないわ。さっきのハンター長みたいな化け物が出てきたら分からないけど。」
ナーダ「ちゃんと何回も話をすれば、レシアもきっと分かってくれると思っています。」
ブルー「そう…そうなると良いわね。」
ナーダ「はい、頑張ります。」
レッド(…纏わり付かれるの確定かよ…)
気が付くともう真昼間だった。ナーダはまだベッドで寝息を立てている。ブルーの姿はなく、寝ていたはずのソファーの上には毛布がきちんと折りたたまれて置いてあった。
レッド「…ふわぁ~っと。床の寝心地が最高過ぎて、身体が痛いぜ。」
机の上には書置きが置いてあった。ブルーが置いて行ったのだろう。
レッド「なになに…先に帰る。賞金は好きな時に受け取りに行け。私は先に貰っておく。…か。」
ブルーの事だ。とっくに受け取りに行っているだろう。レッドは出かける旨を書き置いて机の上に置く。家での焼肉が中止になったから食べ物もある。…切れたネギもあるし。
レッド「さて、アサシン本部に行くか。」
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レッド「昨夜のロックの賞金を受け取りに来た。ブルーは?」
バダグ「ブルーなら少し前に来て、賞金を貰っていったよ。はい、レッドの分。」
レッド「おう。」
バダグ「…ハンター長に誘われたんだって?」
レッド「…やっぱり聞いていたか。ってかその言い方は止めろ。」
バダグ「アサシン、続けるのか?」
レッド「まあな。でも今後、俺はハンター長の対象になるかもしれない。」
バダグ「…そうかもね。ブルーとのコンビも解消した方が良い?」
レッド「その方が良いかもしれないな。正直、俺からは言い辛い。バダグから言っておいてくれ。」
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レッド「ああ、助かるよ。」
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