Red Assassin(完結)

まさきち

文字の大きさ
12 / 76
1章 時間の路

12話 任務②

しおりを挟む
街の北門を抜けて街道を北へ進む。良い天気で、絶好の狩り日和だ。あの日もこんな感じで良い天気だった。



ブルー「へえ、チャードの武器は銃なのね。」
チャード「ああ、魔法銃ってヤツなんだ。色々な属性の気弾を撃ち出せる。」
レッド「そんな便利なモンもあるんだな。」
チャード「去年出来たばかりの新作だぜ。アサシンに回ってきたのを俺が譲り受けたんだ。」


話を聞いていると、チャードも結構な手練れの様だった。普段活動している場所が違う為、あまり話は回って来なかったが。それは俺も同じなんだろう。


ブルー「この一時間でクラスタに関して調べておいたわ。」
チャード「流石だな。俺はご飯食べてた。」
レッド「俺は剣を磨いたりしてた。」
ブルー「単純なバトル馬鹿ばっかりね。」

レッド「それで?」
ブルー「クラスタはアサシン歴10年のベテランよ。元々は忍だったみたいね。」
チャード「忍…忍者ってやつか。凄いな。」
ブルー「そういう意味ではアサシンは向いていたのかもね。」

レッド「忍術とか使えるの?」
ブルー「詳しくは分からないけど、そうなんじゃないの?」
チャード「かなり強いんだろ?」
ブルー「ええ。アサシンでもかなり強かったみたい。一時期はバダグと部長争いをしていたらしいわ。」

レッド「…じゃあバダグレベルって事か?それは厳しそうだ。」
チャード「でもバダグが勝ったんだろ。じゃあバダグより弱いって事だろ。」
ブルー「そうだと思うわ。」



普段はのんびりしているバダグだが、実際の所は凄く強い。レッドが1年ほど前に軽く手合わせした時には、全く歯が立たなかった。もちろんレッドもあれから強くなっている。それでもまだ勝てるとは言えないレベルだった。



街道を逸れて、森の中へ入っていく。自然いっぱいの森だ。


レッド「なるほど。こんな森の奥にあるから、あまり知られていない訳だ。」
チャード「この森はキノコも採れるし、動物も居る。狩りには打って付けなんだぜ。」
レッド「狩人の血が騒ぐな。今度、狩りをしてみようかな。」
ブルー「ああ、そう言えば狩人だったんだっけ?アンタは。」
チャード「良いじゃん。俺と一緒だ。」

レッド「ブルーはアサシンの前は何をしてたんだ?」
ブルー「私はアサシン以外、仕事をした事は無かったわ。敢えて言えば家事手伝いくらいかしら。」
レッド「そうなのか。」
ブルー「…興味が無いなら聞かないの。」
レッド「いや、何か流れで。」



チャード「…!おい、あれ。」


森が濃くなってきた辺りでチャードが指をさす。その先には、大きなゴーレムが居た。


レッド「ゴーレム?何でこんな所に居るんだ?」
チャード「分からない。以前は居なかった。」
ブルー「もしかしてクラスタが置いたのかしら?」
レッド「門番って所か。やるぞ。」



チャードが気弾を撃ち出してゴーレムに牽制を掛ける。その隙にレッドが斬り付けた。流石にそれでは終わらずにゴーレムはレッドへ殴り掛かる。見た目よりはスピードがあるが、所詮はゴーレム。レッドは上手くかわす。


ブルー「アイス!」


ブルーがアイスの魔法でゴーレムの足元を凍らせるが、ゴーレムのパワーは氷を簡単に割った。


チャード「普通のゴーレムだから土属性だ。火属性が一番効果的だぞ。」
ブルー「生憎、私が使えるのは風属性か氷属性よ。」
レッド「俺も闇属性しか使えない。しかも弱い。」
チャード「レッドって名前なのに火属性使えないの?」
レッド「俺が付けた名前じゃないから。」


ゴーレムはレッドに攻撃。かわしながら、凄い風圧を感じる。これが直撃すれば一巻の終わりだろう。


チャード「火属性の攻撃なら俺が出来る。サポート宜しく!」
レッド「分かった。」
ブルー「了解。」


ブルーがウィンドカッターで攻撃。レッドが剣で攻撃。ダメージはあるだろうが、ゴーレムはレッドを攻撃。


レッド「何で俺ばっかり狙ってくるんだ。」
ブルー「近接で戦っているのがアンタだけだからでしょ。」


そう喋っている間にチャードの魔法銃が火属性の気弾を撃ち出した。ゴーレムの右肩辺りが弾け飛ぶ。


レッド「効いてる。これならいける。」
ブルー「そうね。」
レッド「こういう無機物系は表情が無いからダメージが分からない。あれでダメージが見て取れなかったらどうしようかと思っていたぜ。」


レッドは後ろへ下がり、闇属性の魔法・シャドウを放った。剣がメインで戦っている所為か、ダメージを与えるには不十分だったがゴーレムの足止めにはなりそうだった。ゴーレムはそのままレッドに近付き、殴りかかって来る。



レッド「いや、足止めにもなってないじゃないか。また俺を狙って来るし。」
チャード「そのお陰で充分な魔力を溜めれた。行くぜ!」


チャードの魔法銃がゴーレムに命中し、ゴーレムの頭が弾け飛んだ。そのまま大地へ倒れ込む。



レッド「何とか倒したな。こう考えると、人間は斬れば終わりだから楽だよな。」
ブルー「魔物と比べれば、人間は耐久力の低い種族だからね。」
チャード「でもこんなんが連続で出てきたらキツいかもな。」

レッド「よし、とにかく進もう。」
チャード「ああ、もうすぐ村に着く。」




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。 朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。 「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」 「いや、理不尽!」 初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。 「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」 ※※※ 専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり) ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...