Red Assassin(完結)

まさきち

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2章 決別

18話 決断④

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ブルー「流石ね…私が負けるなんて。」
レッド「当然だろ。」
ナーダ「レシア、大丈夫?」
レッド「ああ、怪我はしていないよ。」

レッド「ブルー。俺はアサシンを辞めて自力で村の仇を見付け出してやる。」
ブルー「アサシン本部をも敵に回すかもしれないのよ?」
レッド「こうなった以上は仕方ないだろう。それにお前なら知っているだろう。俺の邪魔をするヤツは誰であれ殺す。たとえブルー、お前でもだ。」
ブルー「…知っているわよ。」

レッド「悪いが、今回だけは手を引いてくれないか?まあ最終通告にはなっちまうが。」
ブルー「…私はアサシンなの、アンタと違ってね。今ここで頷く事なんて出来ないわ。まあ仮にターゲットに逃げられてしまったとしたら別だけど。」



そう言ってブルーは後ろを向いた。どうやら言質はやれないとしても、この場は逃がしてくれるらしい。レッドはナーダの手を取る。


レッド「ナーダ…行くぞ。」
ナーダ「…良いの?」
レッド「良いも悪いも無い。」



レッドとナーダは暗闇に消えて行った。



ブルー「……」
バダグ「ブルー、敗れた様だな。」
ブルー「バダグ、いつから居たの?」


いつの間にかブルーの横にバダグが立っていた。


バダグ「ついさっきだよ。心配で見に来たんだ。」
ブルー「私までもが裏切らないかどうかを?」
バダグ「その心配はしていない。」
ブルー「そう…」

ブルー「レッド、今回は私の負けね。でも次はこうはいかないわ。」







一旦は、レッドの家に戻った。何だかんだ、ブルーが今日再来する事は無いだろう。証拠は無いがそう思った。


レッド「さて…今日はここで休むとして、明日からどうするか?」
ナーダ「レシア、ごめんね。私のせいで…」
レッド「ナーダが謝る事じゃない。俺の方こそ、アサシンをやっていたせいでナーダを危険な目に合わせてしまった。」
ナーダ「それこそレシアが謝る事じゃないよ。」


これで村の手がかりを得る方法は無くなってしまった。アサシンを襲撃して情報を吐かせるのも非現実だろう。いっその事、仇のアサシンを見付ける様にバダグに依頼を出してしまうか?

いや、危険だろう。もし仇が要人だった場合、俺は騙されて殺されてしまう可能性がある。一瞬でもナーダを見殺しにしようと考えた自分の浅はかさに腹が立つ。



ナーダ「そうだ。ハンターに匿ってもらうのはどう?」
レッド「いや、俺はレッド・アサシンだ。今更アサシン辞めましたって言って、誰が信じる?もし信じたとしても俺がハンターを多数殺して来た事は事実だ。誰もが俺をレッド・アサシンとしてしか見ない。」


もしかしたら最初から間違えていたのかもしれない。仮に俺がアサシンではなくハンターに行っていたら…また違う展開が待っていたのかもしれない。



でもこれは物語じゃない。現実なんだ。過ぎた時間は巻き戻す事は出来ない。



ナーダ「シヴァさんなら助けてくれるんじゃないかな?あの時だってレシアにアサシンを辞める様に言っていたし。」
レッド「シヴァか…ハンターのトップなら出来る事もあるかもしれないな。アサシンとハンターの両方に狙われるよりかは良いのかもしれない。」


結果としてアサシンを辞める事になったのは都合が良いだろう。例え一部であってもハンターから狙われる可能性が減るのであれば、言う事は無い。



その日はゆっくり休んだ。何だかんだ、色々あった。疲れも溜まっているし、意外と休めるものだった。






次の日からハンター本部へ向かって移動を開始した。ハンター本部は徒歩で3日…ナーダが居るから5日は掛かるだろう。

現状として、ハンターからすればレッドはまだアサシンだ。いつ襲われるかもしれないと気を張っていたが、別段事件も無く日は過ぎて行った。

そして5日後、やっとハンター本部のある町まで辿り着いた。流石に夜になっていた為、この日は宿に泊まろうとし宿屋を探す。



ナーダ「ここがハンター本部かな?」
レッド「ああ、入り口にハンターの紋章が飾ってある。間違いなくハンター本部だ。って、本部には来た事がなかったのか?」
ナーダ「うん。私が行ったのはあの町のハンター支部だけよ。」
レッド「そうか……ん?」


何やら気配を感じた。複数人の人の気配だ。


レッド「ナーダ、こっちに隠れろ。」
ナーダ「え、どうしたの?」
レッド「何者かがこっちに向かって来ている。喋るな。」
ナーダ「……(コクン)」


明らかに足音を殺してやって来ている。これはおかしい。



暫く様子を伺っていると、隠れた反対方向から数名の男達が現れた。その内の一人は良く見知った顔だった。


レッド(バダグだと?アイツがここに来るなんて…他の奴もアサシンだな。つまりこれは…)




2人のアサシンが表へ出る。


ハンター「ん、何だお前達は?」
アサシン「死んで貰おう。」
ハンター「まさか、アサシンか!?」
ハンター「ハンター本部に攻め入って来るなんて良い度胸だな。」
アサシン「お前には関係の無い事だ。」

ハンター「ここは通さないぞ!」
バダグ「通さない、は通らないぞ。」
ハンター「えっ?」



2人のアサシンに気を向けていたハンターは後ろから来たバダグになす術も無く殺される。もう一人のハンターもそれに気を取られている内に他のアサシンに切られていた。


バダグ「よし、この中にシヴァが居るハズだ。総員全力で当たれ。」
ハンター達「おおっ!」



バダグと他の4人のアサシンは、ハンター本部の中に入っていった。




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