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2章 決別
24話 避難生活④
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来た道を戻って森に入る。暫く進んだ少し開けた場所で、とある人物と再会してしまった。
レシア「お前…ブルー…」
ブルー「探したわよ、レッド。」
レシア「こんな所まで来るとはな。暇なのか?それとも、アサシンの面子を汚した男に復讐しに来たのか?」
ブルー「そうね。ナーダのロック、シヴァのロック…アンタには2回も邪魔されたからね。今回はアサシン本部長直々の依頼で、レッドをロックしに来たわ。」
レシア「バダグの依頼だと?よっぽどシヴァのロックを邪魔した事を怨んでいるんだな。」
ブルー「それだけでも無いけどね。」
レシア「何だと?」
ブルー「いいえ。とにかく一番の理由は、アンタがバダグを裏切ったからね。」
そっと剣の柄に手を伸ばす。戦闘は避けられない。
レシア「そうか。それでどうするんだ?」
ブルー「やるしかないでしょう?」
レシア「そりゃそうだ。」
ブルー「レッド、アンタはどうするの?」
レシア「やるしかないだろう?」
ブルー「そうね。」
ブルーが斬り込んで来る。相変わらず早い攻撃だ。
レシア「また絶妙な位置で攻撃しやがって。」
ブルー「今回のターゲットはレッド・アサシンなの。少しの油断も出来ないわ。」
レシア「油断してなくっても、俺には勝てないぜ。」
ブルーは離れてウィンドカッターを放つ。レシアはそれを斬り裂いた。もうこの魔法は怖くない。
レシア「どうした?お前の攻撃は通用しないみたいだな。」
ブルー「それを油断って言うのよ!ウィンドカッターツヴァイ!」
レシア「なっ!?」
ブルーの手からウィンドカッターが一度に3つ発射される。それぞれが弧を描いてレシアに襲い掛かる。一つを斬り裂いたレシアだが、同時に襲い掛かって来る物を斬る事は出来ない。
レシア「こんな奥の手を隠してるなんて。」
レシアは大きく横に飛び退いた。風の刃が腹部を掠める。
ブルー「どうかしら。ウィンドカッターツヴァイは?」
レシア「3つも飛んできた。ツヴァイ(2)じゃなくてドライ(3)じゃないか。詐欺だな。」
ブルー「ナンバリングだからツヴァイで良いのよ。さあ、ダメージもあったし、これでお仕舞かしら。」
レシア「それを油断って言うんだよ。」
近付いてきたブルーを手早く斬り付けた。ブルーの肩を掠める。
レシア「別にちょっと掠っただけだから、問題ないんだよ。」
ブルー「くっ…」
同じ掠めるでも、ブルーの方が傷が深い様だ。ブルーの肩から血が流れ出す。
ブルー「ますます腕を上げたようね…」
レシア「ブルー、これが本当に本当の最終通告だ。これ以上、俺達に関わるのは止めろ。これ以上関わるのなら命の保証は無い。」
ブルー「…私はアンタと違ってアサシンなの。見縊らないで貰いたいわ!」
至近距離でブルーはアイスを発動した。いきなりの魔法攻撃に上手く対応できず、レシアは氷に当たり後ろへ吹っ飛んだ。
レシア「うっ、くそっ!」
ブルー「私の受けている依頼には…」
ナーダ「…えっ?」
ブルーはナーダの方へ走り出した。
ブルー「ナーダをロックする依頼もあるのよ!」
レシア「しまった…ナーダ、逃げろ!」
ナーダ「あ…」
ブルーのダガーがナーダを斬り裂いた。一目で致命傷であると分かる。
ブルー「利き手を残したのがアンタのミスよ、レッド。お陰で本当の奥の手が出せるわ!」
レシア「やめろ!」
ブルーの手から一際大きいアイスが発動。ナーダの全身を氷漬けにする。そのまま風の刃をダガーに込めてナーダに斬り付けた。
ナーダは氷ごとバラバラになった。辺りにはナーダの血液が飛び散る。
実際に人を氷漬けにして砕いても、その人はバラバラにはならない。でもそうなってしまったのは、風邪の魔法の所為だろう。相手の動きを封じ、確実に止めを刺す恐ろしい技だった。
レシア「あ…あ……」
アサシンをやってきた自分としては今更だが…人の命って、簡単に消えてしまう物だ…
ブルー「奥義・氷結破砕斬よ。いくらアンタでもこれはかわせない。次はレッド、アンタが死ぬのよ。」
レシア「………」
ブルー「覚悟しなさい。」
レシア「……お前だ。」
ブルー「…え?」
レシア「次に死ぬのはお前だ!」
もしかしたら、今までで一番早く動けたかもしれない。一気に距離を詰め、ブルーを一刀両断した。
ブルー「ぐ…」
ブルーと目が合う。ブルーはそのまま何も言えずに倒れ、息を引き取った。
レシア「…俺は、ナーダを救えなかった…また…」
また、と言って違和感を覚える。またって何だ?
でも、そんな事は些細な事だ。
レシア「…バダグ、許さん。お前が俺を殺そうと言うのなら、俺にも考えがある。ナーダの仇は取らせて貰うぞ。」
ナーダは原形が全く分からないレベルでバラバラにされている。レシアは手を合わせて目を塞ぐ。
レシア「ナーダ、すまない。どう考えても俺に関わった所為で殺された。仇は取ってやる…今は村の仇よりもナーダの仇だ。」
目を開ける。
レシア「今回の件がバダグに知られるまでは、まだ時間がある。その間に決着を付けてやる。…バダグ、覚悟していろ。いや、覚悟する前に殺してやる。」
決戦が始まろうとしていた。
レシア「お前…ブルー…」
ブルー「探したわよ、レッド。」
レシア「こんな所まで来るとはな。暇なのか?それとも、アサシンの面子を汚した男に復讐しに来たのか?」
ブルー「そうね。ナーダのロック、シヴァのロック…アンタには2回も邪魔されたからね。今回はアサシン本部長直々の依頼で、レッドをロックしに来たわ。」
レシア「バダグの依頼だと?よっぽどシヴァのロックを邪魔した事を怨んでいるんだな。」
ブルー「それだけでも無いけどね。」
レシア「何だと?」
ブルー「いいえ。とにかく一番の理由は、アンタがバダグを裏切ったからね。」
そっと剣の柄に手を伸ばす。戦闘は避けられない。
レシア「そうか。それでどうするんだ?」
ブルー「やるしかないでしょう?」
レシア「そりゃそうだ。」
ブルー「レッド、アンタはどうするの?」
レシア「やるしかないだろう?」
ブルー「そうね。」
ブルーが斬り込んで来る。相変わらず早い攻撃だ。
レシア「また絶妙な位置で攻撃しやがって。」
ブルー「今回のターゲットはレッド・アサシンなの。少しの油断も出来ないわ。」
レシア「油断してなくっても、俺には勝てないぜ。」
ブルーは離れてウィンドカッターを放つ。レシアはそれを斬り裂いた。もうこの魔法は怖くない。
レシア「どうした?お前の攻撃は通用しないみたいだな。」
ブルー「それを油断って言うのよ!ウィンドカッターツヴァイ!」
レシア「なっ!?」
ブルーの手からウィンドカッターが一度に3つ発射される。それぞれが弧を描いてレシアに襲い掛かる。一つを斬り裂いたレシアだが、同時に襲い掛かって来る物を斬る事は出来ない。
レシア「こんな奥の手を隠してるなんて。」
レシアは大きく横に飛び退いた。風の刃が腹部を掠める。
ブルー「どうかしら。ウィンドカッターツヴァイは?」
レシア「3つも飛んできた。ツヴァイ(2)じゃなくてドライ(3)じゃないか。詐欺だな。」
ブルー「ナンバリングだからツヴァイで良いのよ。さあ、ダメージもあったし、これでお仕舞かしら。」
レシア「それを油断って言うんだよ。」
近付いてきたブルーを手早く斬り付けた。ブルーの肩を掠める。
レシア「別にちょっと掠っただけだから、問題ないんだよ。」
ブルー「くっ…」
同じ掠めるでも、ブルーの方が傷が深い様だ。ブルーの肩から血が流れ出す。
ブルー「ますます腕を上げたようね…」
レシア「ブルー、これが本当に本当の最終通告だ。これ以上、俺達に関わるのは止めろ。これ以上関わるのなら命の保証は無い。」
ブルー「…私はアンタと違ってアサシンなの。見縊らないで貰いたいわ!」
至近距離でブルーはアイスを発動した。いきなりの魔法攻撃に上手く対応できず、レシアは氷に当たり後ろへ吹っ飛んだ。
レシア「うっ、くそっ!」
ブルー「私の受けている依頼には…」
ナーダ「…えっ?」
ブルーはナーダの方へ走り出した。
ブルー「ナーダをロックする依頼もあるのよ!」
レシア「しまった…ナーダ、逃げろ!」
ナーダ「あ…」
ブルーのダガーがナーダを斬り裂いた。一目で致命傷であると分かる。
ブルー「利き手を残したのがアンタのミスよ、レッド。お陰で本当の奥の手が出せるわ!」
レシア「やめろ!」
ブルーの手から一際大きいアイスが発動。ナーダの全身を氷漬けにする。そのまま風の刃をダガーに込めてナーダに斬り付けた。
ナーダは氷ごとバラバラになった。辺りにはナーダの血液が飛び散る。
実際に人を氷漬けにして砕いても、その人はバラバラにはならない。でもそうなってしまったのは、風邪の魔法の所為だろう。相手の動きを封じ、確実に止めを刺す恐ろしい技だった。
レシア「あ…あ……」
アサシンをやってきた自分としては今更だが…人の命って、簡単に消えてしまう物だ…
ブルー「奥義・氷結破砕斬よ。いくらアンタでもこれはかわせない。次はレッド、アンタが死ぬのよ。」
レシア「………」
ブルー「覚悟しなさい。」
レシア「……お前だ。」
ブルー「…え?」
レシア「次に死ぬのはお前だ!」
もしかしたら、今までで一番早く動けたかもしれない。一気に距離を詰め、ブルーを一刀両断した。
ブルー「ぐ…」
ブルーと目が合う。ブルーはそのまま何も言えずに倒れ、息を引き取った。
レシア「…俺は、ナーダを救えなかった…また…」
また、と言って違和感を覚える。またって何だ?
でも、そんな事は些細な事だ。
レシア「…バダグ、許さん。お前が俺を殺そうと言うのなら、俺にも考えがある。ナーダの仇は取らせて貰うぞ。」
ナーダは原形が全く分からないレベルでバラバラにされている。レシアは手を合わせて目を塞ぐ。
レシア「ナーダ、すまない。どう考えても俺に関わった所為で殺された。仇は取ってやる…今は村の仇よりもナーダの仇だ。」
目を開ける。
レシア「今回の件がバダグに知られるまでは、まだ時間がある。その間に決着を付けてやる。…バダグ、覚悟していろ。いや、覚悟する前に殺してやる。」
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