Red Assassin(完結)

まさきち

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横話

横話I エピローグ

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※この横話Iは「66話 其の果て」終了時点の状態でのエピローグです。66話まで読んでいない方は、先にそちらまで本編を読んで頂く事を強くお勧めします。







横話I

エピローグ







あれから一日が過ぎた。体力の低下していたバダグはアサシン本部に戻ってすぐに倒れてしまった。今日はバダグの様子を見る為にアサシン本部へ行ってみた。



レシア「よお、バダグ。もう調子はいいのか?」
バダグ「ああ、昨夜は充分に休ませて貰ったからな。」
ブルー「バダグも元に戻ったし、世界も平和になったし。」
レシア「そうだな。」

バダグ「今日はナーダはどうした?」
レシア「今日はルーン村に行っている。皆の墓を作るんだって。おれも後で行って手伝うよ。」
ブルー「レッドはこれからどうするの?」
レシア「まだ迷っている。村で過ごすのも良いし、街へ出るのも良い。金はある程度あるからな。」

バダグ「もし金に困ったら仕事を紹介してやっても良いぞ。」
レシア「どうせロックだろうが。それはもう良いわ。」
バダグ「ハンターに紹介してやろうか?」
レシア「はあ?どういう心境の変化だ?」

バダグ「今朝、ハンター部長から使者が来てな。アサシンとハンターの業務提携の提案が来た。」
レシア「業務提携…?どっちかが吸収されるのか?」
ブルー「そういう感じじゃないみたいね。」
バダグ「今でもロックはアサシン、それ以外はハンターみたいな風潮があっただろ。実際には決まっていなくて、ハンターでロックはするしアサシンでも子猫探しをする。」

レシア「そうだな。」
バダグ「依頼の受口を1つにして、内容によって仕事を割り振ろうって事らしい。」
レシア「へえ…ってかよく受けたな。」
バダグ「まだ返答はしていない。…が、正直どっちでも良いとは思っている。」

ブルー「大元を言えば、アサシンとハンターはライバルではあれど決して憎しみ合う敵では無かったからね。」
バダグ「何かの拍子でハンターのロックを行ってから、今の争いが始まったらしいからな。」
レシア「そうなんだ。じゃあ本当に業務提携なんだな。」
バダグ「うむ。」


時計を見ると、予定していた時間を過ぎていた。


レシア「ああ、もうこんな時間か。ハンター本部にも寄らなきゃだし、俺はもう行くぞ。」
ブルー「何、今からハンター本部に行くの?だったら業務提携の件、OKの返事しといて。」
レシア「そうか、分かった。」
バダグ「え、俺の意見は?俺が一番偉いんだよな?」

レシア「じゃあな。そうそう会う事は無いだろうが、また機会があったら会おう。」
ブルー「敵として会わない事を祈るわ。」
レシア「そうだな。」
バダグ「おーい。」






ハンター本部ではシヴァが待っていた。


シヴァ「おお、レシア。良く来たな。」
レシア「ちょっと待たせたか。悪いな。」
シヴァ「構わない。それより話を聞かせてくれ。昨日ナーダにちょっと聞いただけだから良く分かっていないんだ。」
レシア「そうだな。」



シヴァ「…………そうか。ダーク・アサシンは滅んだのか。これでアサシンの異常な横暴は起こらなくなるだろうな。」
レシア「ルーン村やフレスト村の事だな。」
シヴァ「ああ。それにアサシンには今朝、使者を出して来た。」
レシア「ああ、そう言えば伝言を預かって来たんだった。業務提携、OKだとよ。」

シヴァ「アサシン本部に居たのか?そうか、OKか。」
レシア「上手くいくかどうかは分からんが、まあ頑張ってくれ。」
シヴァ「ああ。レシアはこれからどうするんだ?」
レシア「取り敢えずは村の皆を供養するよ。それからの事はまだ決めかねている。村に残っても良いし、街に出ても良い。」

シヴァ「仕事に困ったら俺を訪ねて来い。何だったら家も探してやるぞ。」
レシア「家か。それも有りか…」
シヴァ「街に出るなら家を借りるか建てるかしないとな。」
レシア「家を建てるのも面白そうだな。うん、そうしようか。」

シヴァ「アサシン時代の貯金はあるんだろ?」
レシア「アサシンは給料が良かったからな。意外と持っているぞ。」
シヴァ「じゃあそこから頭金を出して自分の好みの家を建てたらどうだ?」
レシア「好みのって言っても、別に要望とかも無いけどな。趣味も無いし。」

シヴァ「将来の事も考えたら大きな家とか、部屋数とか色々あるだろ。」
レシア「う~ん…まあ、よく分からんがその時に考えるわ。」
シヴァ「そうか。まあまた近くに来たら寄れよ。」
レシア「その時には美味い茶も忘れるな。」





山に入り洞窟を抜け、ルーン村へ辿り着いた。昼過ぎではあるが、まだ暗くなるには時間もある。当時、村人自体は簡単に埋葬してあったが墓までは建てる余裕も無かった。


レシア「ナーダは何処だ?墓を建てるのなら西の広場だろうか?」


広場の入り口にはナーダの使用しているバッグが置いてあった。中を覗くと既に沢山の墓が建てられている。勿論、しっかりした物では無いがちゃんと1つ1つ感覚を開けて石を置いてある。しかしこれは…



ナーダ「あ、レシア。おかえり。」
レシア「ただいま。…ただいまなのか?」
ナーダ「見てみて。沢山作ったよ。」
レシア「ああ、そうなんだけどさ。」

ナーダ「全部で100個の墓が出来ましたっ!」
レシア「あのさ…」
ナーダ「頑張ったでしょ?」
レシア「沢山作ったな。」

ナーダ「うん。」
レシア「でも…多くね?」
ナーダ「ん?」
レシア「この村、全員でも40名だったんだが?」





墓の数は40個になった。




ナーダ「レシアはこれからどうするの?」
レシア「ああ。街へでようかと思ってる。家を建てて暮らそうと思う。シヴァやバダグが仕事の世話をしてくれるらしいぞ。」
ナーダ「そうなんだ。じゃあ私も行く。」
レシア「え?」

ナーダ「え、って何よ。私も行ったら駄目なの?」
レシア「駄目じゃないけど、ナーダは何かやりたい事とかあるのか?」
ナーダ「あるけど…内緒。」
レシア「そうか。それでナーダは何処に住むんだ?」

ナーダ「それは、レシアの所。」
レシア「はい?」
ナーダ「うんうん。」
レシア「…………」






横話の間が閉じる。時間の路全体に光が拡がる。



※横話J(あとがき)が解禁されました。
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