聖剣の光Ⅰ(完結)

まさきち

文字の大きさ
上 下
40 / 114
牛の襲来

第40話

しおりを挟む
ドーンが魔法で牽制する。その上からじじいがレイを発動。

何だかんだ、ドーンの爆発魔法は強烈だ。その上、じじいでも成す術なく食らうしかなかった魔法まで隠している。


じじい「よっしゃ、行くぞニャン太!」
ニャン太「おうよ!」


ニャン太がその速さで次々に敵を薙ぎ倒していく。こいつ一匹で良い気もしてくる。


じじい「負けてられないな。」


じじいも敵を順番に斬っていく。こいつらはそんなに大した魔物ではない。問題は奥に居る奴らだろう。

手前からは町に居た兵士や冒険者が出てきている。ザコは任せても良いだろう。三人は再び奥へ走り出す。


一番奥に居るのがミノタウロスだろう。その手前に三匹の魔物。


ニャン太「あれは、グリフォンだな。」
ドーン「グリフォン?」

じじい「鷲と獅子の合成獣か。」


あいつは中々やるはず。


一匹が空から突っ込んできた。残りの二匹が走って来る。じじいはグリフォンの上からの攻撃を聖剣で受け止める。凄いパワーだ。

ニャン太が一匹の周りを回り攻撃を仕掛けていく。ドーンは…魔法で攻撃している。取り敢えず目の前のこいつを倒すしかないか!

体当たりして来ていたヤツを無理やり押し返す。聖剣を構えた所で、後ろから飛んできた剣が目の前のグリフォンに突き刺さった。


じじい「えっ!?」


一人の武者が来て、剣を引き抜く。これは…剣と言うより刀か。


武者「こいつは俺に任せておけ。お前は奥の牛を倒すんだ。」
じじい「な、何か分からんが有難い。」


町に滞在していた剣士か何かだろう。じじいは一気にミノタウロスの方まで駆けて行った。



ニャン太「あれが侍ってやつか?」
ドーン「あれは…いや、それよりグリフォンを叩かなければ!」




ミノタウロスは悠然とじじいを待ち構えていた。


じじい「お前がミノタウロスだな?」
ミノタウロス「お前がレイスってじじいだな。デスハーピーを殺した力を見せて貰おうじゃないか。」
じじい「俺に戦いを挑みたいなら、俺の家に来れば良い物を!」
ミノタウロス「じゃあ分かるように看板でも置いておけ。」



ミノタウロスは大きな斧を構えた。恐らくとてつもないパワーがあるだろう。


じじい「直撃した時点で負け確定かもな。」


いくら不死でも真っ二つにされてしまっては戦えない。


じじい「よくよく考えてみると、不死だけって最強では無いよな。」
ミノタウロス「何をブツブツ言ってやがる?行くぞ。」


斧による圧倒的な一撃。先読みで無理なくかわす。


じじい「凄いパワーだ、予想以上だな。」


冷静に相手の動きを見る。恐らく完全なファイターだ。魔法を使いそうな雰囲気はみじんも感じない。でもまだ結論付けるのは早いか?

次の攻撃も先読みでかわす。スピードはさほどでもない。しかし一撃の重さから、どうしても慎重にならざるを得なかった。


じじい「こいつを倒せば直属軍は全滅のはず。出し惜しみしている場合でもないよな。」


じじいは気を溜め始めた。

迂闊に光の一撃は出せない。あれは消耗が激しすぎる。隙がある時に気を少しづつ溜めて、いつでも狙えるようにしておかないと。


後ろでも戦いは続いているらしく、色々な音が聞こえた。
しおりを挟む

処理中です...