4 / 4
第四話
悪夢
しおりを挟む
ビルフォード一家は全ての事実を暴露されない為にイボンヌ親子の下僕になって従った。
兄は妹のために。妹は兄のためにそうするしかなかった。
オスカーは外国の大学へ旅立った。
もう二度と帰らない兄を乗せた馬車が遠のくのを召使部屋の小窓からセラフィーヌは見送り涙にむせんだ。
その頃、バレンティーヌは寝室で朝から何回目かのヒステリーを爆発させていた。
「あなたさえ。あなたさえ!あんな女に手をつけなければよかったのよ!!卑しい娘にピアノやダンス。あの娘が教師たちと寝て金をむしり取っていたのを知ってるでしょうに!!」
だって可哀そうじゃないかと蚊の鳴くような夫の声に、さらに居丈高に夫人はなじった。
「あの娘は魔女よ!火あぶりの刑だわ」
そう叫んで気絶し、
その日以来ベッドから起き上がれない病にかかってあっと言う間にやせ衰え美貌は日に日に干からびて行った。
ディナーのテーブルに。
卿と双子の兄弟。それに、エミリエンヌがついた。イボンヌはというとバレンティーヌに代わって上座に座りすっかり女主人を気取った。
ガラガラとカートの音がする。二人の侍女が内側から扉を開ける。
入ってきたのは、黒い麻の服にエプロン姿のセラフィーヌだった。
毎回の食事の給仕はセラフィーヌにさせるようにとエミリエンヌが命じて決められた。
これからずっとセラフィーヌはこの城の女中として働くのだ。
煌びやかなドレスのエミリエンヌがナイフを床に放り投げる。
「のろのろするんじゃないよ。新しいのを持って来て」
「はい。お嬢様」セラフィーヌはかがんでそれを拾った。
二人は何もかも入れ替わったのだ。
女中となったセラフィーヌは経験したことのない重労働に夜はベッドに倒れると死んだように朝まで眠った。
あてがわれた部屋はかつてエミリエンヌのものだった。
虱のたかるベッドと背もたれもない椅子が一個。
木枠の窓にカーテンはついていない。
バラ色の爪も美しかった手もあかぎれで醜くなった。
時々自分の手を見てセラフィーヌは不思議な気分になる。
どうして、わたしが?
暫くすると彼女の部屋に毎晩琥珀色の酒が入ったデカンタとグラスが置かれるようになった。
最初は怪しんだが香の良さに飲んでみた。
「おいしいわ。こんなおいしいもの久しぶり」
それはイボンヌ婆に見世物へ連れていかれた晩に飲んだものだ。
これはいけない。これ以上はもう飲まない。
今夜はほんのちょっとだけ。
でもそれを飲むと一時だけ頭の中がぼんやりとして嫌な事を忘れられるのだ。
琥珀の飲み物は欠かせない夜の楽しみのひとつになっていった。
その日は働きが悪いと昼と夜の食べ物を貰えなかった。
「こんな惨めな破目に……きれいなものにばかり囲まれてた頃がなつかしい」
何時もよりたっぷり飲んでぐっすり眠りに落ちた。
ざわめきと妙な臭い匂いに少女は薄っすら目をあけた。
ん?
あ……なに?あれは誰?
わたし??
鏡に自分の姿が映っている。
夢だわ。
ベッドがふかふかして気持ちいい。
良い夢。
頭にはきらめくティアラがさしてある。
私の部屋は板張りで蜘蛛の巣だらけネズミの走る音がする。
こんなの夢だわ。
眠い……
セラフィーヌはまた眠りに落ちた。
うっ!
寝返りを打とうとしても腕も足も重くてはっきりと目が覚めた。
異常さに気づいて慄く。
やはり天井に自分が映っている。
鏡張りの天井だ。
視界に入らないところに灯があるようだ。
首を忙しく動かして、自分がとても広い場所にいること。赤いシーツのベッドに寝て居ること。両手首、両足首に黒い鉛の重しが繋がれている。
着ている者も違う。
素肌が透き通るほど薄いチュールの白いネグリジェ姿だった。レースがふんだんにあしらってある。
ふふふ。囚われのお姫様か……
不思議な夢ねえ
赤いシーツに扇型になって金髪の巻き毛が広げられている。
ワカンナイ ココ ドコ?
思考が停止してまた眠りに落ちそうになる。
!!
横たわった少女のベッドの上に、くねくねと何かが伸びながら這い上がる。
それも四方八方からそれが伸びてくる。
天井の鏡をよくよく眺めた。
それは薔薇の蔓だった。
これも夢??
緑の蔓はじわじわくねりながら伸び、セラフィーヌの肢体に絡みつく。
首元にも。髪にも投げ出された脚にも。レースのネグリジェのうえから青白い乳房にも絡みつく。腿にも。腰にも。
ん!んん…ああ……あっ!
一番女らしい部分にも容赦なく蔦が食い込んだ。
うそ。これは魔法?
幻なの?
やがて蔓の全ての蕾がゆっくりと膨らみゆっくりと次々開花した。
「あ……もっと。もっと、そこ、そこよ!そこ!」自分が何を叫んでいるのかもわからない。
法悦の表情の少女は薔薇の花々に埋もれていった。
震える花びらは冴え渡った夜明け前の青い薔薇だった。
ああ……あ、あああ…んん…あっあっ
少し触れるか触れないかの薔薇の花びらや蔓に焦らされセラフィーヌは悶えた。
薔薇の蔓にはトゲが無かった。
あったら少女の躰は傷だらけになっただろう。
さらに信じられない事態に思考が停止した。
なんと、今度はベッドのシーツのあちこちから沢山の手が伸びてきた。
ズボ ズボ ズボ ズボ ズボ……
シーツを破って次々出てきた無数の手。
ひらひらする白い手が少女の肌をとらえると這い出した。
手首から先だけの人間のものだ。
男のようでも女のそれでもない。
手のひらだけでなく腕も伸びて体中を愛撫する。感じやすくなっているセラフィーヌには堪らない。
髪も絡めとられた。
耳の中に指が這ってきた。
恐怖と快感に悲鳴と喘ぎが交差した。
これは悪夢。
悪夢。悪夢。悪夢。
朝になれば覚めてしまう夢だ。
平たい腹にぺたりと乗った手はひたひたと移動して生え始めたばかりの恥毛を櫛削りながら下におりてきた。
ああん…ソコよ…ソコ…はああっ…イジメナイデ…もっと
手は少女の願い通りの場所を指腹で嬲りはじめた。
ん、んっ、ん、くっ。ああああ…あああっ!
自然に腰が上がる。
膝を延ばして足首だけがベッドに立つ。指の挿入する角度がどんどん深くなる。
くちゅくちゅとくちゅくちゅくちゅ蜜をかき混ぜる音が鳴る。
もっと。もっと、もっと。
少女は自分で腰を動かし得体のしれない手の指に秘貝を押し付けた。
天井を仰ぐと……鏡が全部映していた。
犯されているんだわ…わたしが……こんな…こんな化け物の手に……
ティアラが少し傾いだ。
自虐の快感にどっと愛液があふれて腿を伝う。
それなのに。
どうも薔薇の蔓はセラフィーヌの見方だった。
伸びてきた手や腕に絡みつき邪魔をした。
手を払おうと懸命に蔦が戦う。
双丘を揉みしだいている太い腕に蔦が絡んで引きはがそうとする。
しかし所詮は蔓でしかない。
無数の手は蔦を千切りだす。
薔薇の蔓は次第に衰えてするすると後退してベッドの下に消えていった。
どれだけ続いたのか時間の感覚もどうしてここにいるかも考えられない。
拷問のベッドで少女は嬌声をあげ身をよじって快楽に溺れた。
紫の頭巾を深く被ったマントのシルエットが鏡に映った。
「いいザマだ。涎垂らしてさ。あそこも随分と……」
両足の重りだけ解いてセラフィーヌのふくらはぎを掴むとグっと広げ膝を立たせた。
開脚されたセラフィーヌの秘貝からたっぷり愛液を手にとって彼女の腹に鼠径部に腿に塗りながら撫でまわす。
「例の薬の効き目はどうだい?うまい酒だっただろう?さぞかし愉快な幻の世界に迷い込んだだろうて。
もう、正気でここを出れないよ。
ずっとここで働くんだ!セラフィーヌ」
「あ、あなたは、イボンヌ?」
「そうさ。おまえのお目付け役になったからにはちゃんとやってもらうよ。何でも言いつけ通りにやるんだ」
山犬の被り物だけの裸の男がふたり近寄ってきた。
光る何かを持ってる。
刃物だろうか?
切られるの?殺される!
ううっ!!
すっかり潤った少女の秘所にそれが挿入された。
金属の冷たい感触。
あああ!!
突き刺されたのは剣の鞘の方だった。
それには宝石で出来たイボイボがあった。
意外な快感が押し寄せた。
もう、どうでもいい……
体を横にされ、もう一人が後ろにまわった。
「いや!いや!止めて!!そこは嫌っ、ああ!!」菊門にもう一つがズボズボと埋められる。
二つが同時に動き出す。
余りの痛みと快感に、なんとか逃れようとしたが、鏡を仰いで力が抜ける。
うっ。うそ。うそよ。こんなのが……こんなのが、気持ちいいいなんて……くっ……うう
山犬の被り物からはみ出している赤毛はまさか!
この山犬二匹はファブリス兄さまとフリップ兄さま……もう懐かしさなど微塵も感じない。二人の兄は自分が下働きで苛められているのに助けてもくれなかった。
気が遠くなりかけると異物はもっと激しく抜き差しされ意識が戻される。
異物が蜜を滴らせて抜かれると、本物の肉棒が前からも後ろからも挿入されセラフィーヌの幼い躰を容赦なく貫いた。
……いやああああっ……!
余りの痛みと不可解な快感の波に呑まれ意識が飛びそうになる。
双子の兄達にまで……犯されて…
……オスカー兄さまだけのわたしだったのに……
「可愛い姫は僕のものだ」激しく突かれながら乳房を弄ばれる。この声はフリップ兄さま。「いや、姫君は僕のものだよ、ね?セラフィーヌ」後ろから突くのはファブリス兄さま。
兄が伸ばした指先で、クリトリスに何かを被せた。
いやあああああああああ!!
それはじんじんと花唇に刺激を与え続ける小道具だった。
それに加え淫唇にも指を這わす。
は、あ、はっ。はぅ。ん、んん……んぁ。あ、あ、ああ
前後から二人の兄たちに犯されるセラフィーヌは金髪を振り乱し悶え喘いだ。
そこへ三人の従者と共に、二本のねじれた角が生えた黒ヤギ面の男が割って入った。
早々に双子は脇へ退いた。
……あの夜の黒ヤギだわ……悪魔。
自分の上にのしかかってきた黒ヤギの男の指に光るダイヤの指輪が視界に入った。
黒ヤギは父だ!!
指輪で判別できた。
嫌!!嫌!それだけは嫌!!それはいやよ!
やめててええっ!!
セラフィーヌにとって実の兄妹は友でもあり自分を犯す男であるのも許容できた。
でも父は違う。
父はどこまでいっても父だった。
あの優しい、学者でもあったお父様が、こんな……こんな!
吐き気が込み上げる。実の娘を犯す父親!!
ここまで来て、ようやく背徳の本当の恐ろしさを知った。
気絶する寸前、
「お、おとうさま、なの? そうなの?おとうさま。もうやめて、たすけて、セラフィーヌは、なんでもします」
「何でもしてもらおう」
娘のピンク色に濡れた小さな唇に肉茎を突っ込み、「その可愛い舌で舐めるのだ。姫。そうだ。いいぞ。いいぞ!
褒めてつかわす!!ハハハハ」
「兄達とはよろしくやっていたというじゃないか!!わしはおまえを見る度に想像したものだ……もしも……と。ああ……いいぞ実にいい……おまえのここは最高だ」
う、うう。激しい嫌悪と屈辱に涙が滲んでくる。
でも、背けばエミリエンヌとイボンヌに殺される。私だけじゃないきっとオスカー兄さまも。
果てるまで口での奉仕を強要する残酷な父。
怒張したものを咥えさせたまま黒ヤギは腰を淫らに振った。
黒ヤギは横たわった自分の上にセラフィーヌを乗せて熱杭で秘貝を貫いた。激しく腰を振る。
セラフィーヌは前後にがくがく首を振った。
湿った金髪も一緒に揺れた。
左右からはまだ幼さの残る白い乳房に山犬が襲いかかって乳首を摘まんだり口に含んだり絶えず責めた。
いやあああああ……っ!!
セラフィーヌが散々嬲られるのを、暗闇の中でじっと待ち構えていたのだろう。
臭い匂いの男達が今か今かと自分の怒張した肉棒をしごきながら潜んでいた。
それは、遠くの村からやってきた農夫や商人だった。
ビルホード家の「収入」の一部はこの「見世物への招待」で賄われていのだ。
淫靡な夜は長く朝が明けてもセラフィーヌは次々と犯され続けた。
もう狂い始めた脳裏に浮かんだのは城の庭でみつけた丸屋根の四阿だった。
美しく咲いていた透き通る白い薔薇が夕日の加減で蒼く染まっていた。
――ー「あ、あああ。ああ、蒼い薔薇は、咲いた……の…」
少女の唇から零れそうになった言葉も農奴の男根が塞いだ。
完
兄は妹のために。妹は兄のためにそうするしかなかった。
オスカーは外国の大学へ旅立った。
もう二度と帰らない兄を乗せた馬車が遠のくのを召使部屋の小窓からセラフィーヌは見送り涙にむせんだ。
その頃、バレンティーヌは寝室で朝から何回目かのヒステリーを爆発させていた。
「あなたさえ。あなたさえ!あんな女に手をつけなければよかったのよ!!卑しい娘にピアノやダンス。あの娘が教師たちと寝て金をむしり取っていたのを知ってるでしょうに!!」
だって可哀そうじゃないかと蚊の鳴くような夫の声に、さらに居丈高に夫人はなじった。
「あの娘は魔女よ!火あぶりの刑だわ」
そう叫んで気絶し、
その日以来ベッドから起き上がれない病にかかってあっと言う間にやせ衰え美貌は日に日に干からびて行った。
ディナーのテーブルに。
卿と双子の兄弟。それに、エミリエンヌがついた。イボンヌはというとバレンティーヌに代わって上座に座りすっかり女主人を気取った。
ガラガラとカートの音がする。二人の侍女が内側から扉を開ける。
入ってきたのは、黒い麻の服にエプロン姿のセラフィーヌだった。
毎回の食事の給仕はセラフィーヌにさせるようにとエミリエンヌが命じて決められた。
これからずっとセラフィーヌはこの城の女中として働くのだ。
煌びやかなドレスのエミリエンヌがナイフを床に放り投げる。
「のろのろするんじゃないよ。新しいのを持って来て」
「はい。お嬢様」セラフィーヌはかがんでそれを拾った。
二人は何もかも入れ替わったのだ。
女中となったセラフィーヌは経験したことのない重労働に夜はベッドに倒れると死んだように朝まで眠った。
あてがわれた部屋はかつてエミリエンヌのものだった。
虱のたかるベッドと背もたれもない椅子が一個。
木枠の窓にカーテンはついていない。
バラ色の爪も美しかった手もあかぎれで醜くなった。
時々自分の手を見てセラフィーヌは不思議な気分になる。
どうして、わたしが?
暫くすると彼女の部屋に毎晩琥珀色の酒が入ったデカンタとグラスが置かれるようになった。
最初は怪しんだが香の良さに飲んでみた。
「おいしいわ。こんなおいしいもの久しぶり」
それはイボンヌ婆に見世物へ連れていかれた晩に飲んだものだ。
これはいけない。これ以上はもう飲まない。
今夜はほんのちょっとだけ。
でもそれを飲むと一時だけ頭の中がぼんやりとして嫌な事を忘れられるのだ。
琥珀の飲み物は欠かせない夜の楽しみのひとつになっていった。
その日は働きが悪いと昼と夜の食べ物を貰えなかった。
「こんな惨めな破目に……きれいなものにばかり囲まれてた頃がなつかしい」
何時もよりたっぷり飲んでぐっすり眠りに落ちた。
ざわめきと妙な臭い匂いに少女は薄っすら目をあけた。
ん?
あ……なに?あれは誰?
わたし??
鏡に自分の姿が映っている。
夢だわ。
ベッドがふかふかして気持ちいい。
良い夢。
頭にはきらめくティアラがさしてある。
私の部屋は板張りで蜘蛛の巣だらけネズミの走る音がする。
こんなの夢だわ。
眠い……
セラフィーヌはまた眠りに落ちた。
うっ!
寝返りを打とうとしても腕も足も重くてはっきりと目が覚めた。
異常さに気づいて慄く。
やはり天井に自分が映っている。
鏡張りの天井だ。
視界に入らないところに灯があるようだ。
首を忙しく動かして、自分がとても広い場所にいること。赤いシーツのベッドに寝て居ること。両手首、両足首に黒い鉛の重しが繋がれている。
着ている者も違う。
素肌が透き通るほど薄いチュールの白いネグリジェ姿だった。レースがふんだんにあしらってある。
ふふふ。囚われのお姫様か……
不思議な夢ねえ
赤いシーツに扇型になって金髪の巻き毛が広げられている。
ワカンナイ ココ ドコ?
思考が停止してまた眠りに落ちそうになる。
!!
横たわった少女のベッドの上に、くねくねと何かが伸びながら這い上がる。
それも四方八方からそれが伸びてくる。
天井の鏡をよくよく眺めた。
それは薔薇の蔓だった。
これも夢??
緑の蔓はじわじわくねりながら伸び、セラフィーヌの肢体に絡みつく。
首元にも。髪にも投げ出された脚にも。レースのネグリジェのうえから青白い乳房にも絡みつく。腿にも。腰にも。
ん!んん…ああ……あっ!
一番女らしい部分にも容赦なく蔦が食い込んだ。
うそ。これは魔法?
幻なの?
やがて蔓の全ての蕾がゆっくりと膨らみゆっくりと次々開花した。
「あ……もっと。もっと、そこ、そこよ!そこ!」自分が何を叫んでいるのかもわからない。
法悦の表情の少女は薔薇の花々に埋もれていった。
震える花びらは冴え渡った夜明け前の青い薔薇だった。
ああ……あ、あああ…んん…あっあっ
少し触れるか触れないかの薔薇の花びらや蔓に焦らされセラフィーヌは悶えた。
薔薇の蔓にはトゲが無かった。
あったら少女の躰は傷だらけになっただろう。
さらに信じられない事態に思考が停止した。
なんと、今度はベッドのシーツのあちこちから沢山の手が伸びてきた。
ズボ ズボ ズボ ズボ ズボ……
シーツを破って次々出てきた無数の手。
ひらひらする白い手が少女の肌をとらえると這い出した。
手首から先だけの人間のものだ。
男のようでも女のそれでもない。
手のひらだけでなく腕も伸びて体中を愛撫する。感じやすくなっているセラフィーヌには堪らない。
髪も絡めとられた。
耳の中に指が這ってきた。
恐怖と快感に悲鳴と喘ぎが交差した。
これは悪夢。
悪夢。悪夢。悪夢。
朝になれば覚めてしまう夢だ。
平たい腹にぺたりと乗った手はひたひたと移動して生え始めたばかりの恥毛を櫛削りながら下におりてきた。
ああん…ソコよ…ソコ…はああっ…イジメナイデ…もっと
手は少女の願い通りの場所を指腹で嬲りはじめた。
ん、んっ、ん、くっ。ああああ…あああっ!
自然に腰が上がる。
膝を延ばして足首だけがベッドに立つ。指の挿入する角度がどんどん深くなる。
くちゅくちゅとくちゅくちゅくちゅ蜜をかき混ぜる音が鳴る。
もっと。もっと、もっと。
少女は自分で腰を動かし得体のしれない手の指に秘貝を押し付けた。
天井を仰ぐと……鏡が全部映していた。
犯されているんだわ…わたしが……こんな…こんな化け物の手に……
ティアラが少し傾いだ。
自虐の快感にどっと愛液があふれて腿を伝う。
それなのに。
どうも薔薇の蔓はセラフィーヌの見方だった。
伸びてきた手や腕に絡みつき邪魔をした。
手を払おうと懸命に蔦が戦う。
双丘を揉みしだいている太い腕に蔦が絡んで引きはがそうとする。
しかし所詮は蔓でしかない。
無数の手は蔦を千切りだす。
薔薇の蔓は次第に衰えてするすると後退してベッドの下に消えていった。
どれだけ続いたのか時間の感覚もどうしてここにいるかも考えられない。
拷問のベッドで少女は嬌声をあげ身をよじって快楽に溺れた。
紫の頭巾を深く被ったマントのシルエットが鏡に映った。
「いいザマだ。涎垂らしてさ。あそこも随分と……」
両足の重りだけ解いてセラフィーヌのふくらはぎを掴むとグっと広げ膝を立たせた。
開脚されたセラフィーヌの秘貝からたっぷり愛液を手にとって彼女の腹に鼠径部に腿に塗りながら撫でまわす。
「例の薬の効き目はどうだい?うまい酒だっただろう?さぞかし愉快な幻の世界に迷い込んだだろうて。
もう、正気でここを出れないよ。
ずっとここで働くんだ!セラフィーヌ」
「あ、あなたは、イボンヌ?」
「そうさ。おまえのお目付け役になったからにはちゃんとやってもらうよ。何でも言いつけ通りにやるんだ」
山犬の被り物だけの裸の男がふたり近寄ってきた。
光る何かを持ってる。
刃物だろうか?
切られるの?殺される!
ううっ!!
すっかり潤った少女の秘所にそれが挿入された。
金属の冷たい感触。
あああ!!
突き刺されたのは剣の鞘の方だった。
それには宝石で出来たイボイボがあった。
意外な快感が押し寄せた。
もう、どうでもいい……
体を横にされ、もう一人が後ろにまわった。
「いや!いや!止めて!!そこは嫌っ、ああ!!」菊門にもう一つがズボズボと埋められる。
二つが同時に動き出す。
余りの痛みと快感に、なんとか逃れようとしたが、鏡を仰いで力が抜ける。
うっ。うそ。うそよ。こんなのが……こんなのが、気持ちいいいなんて……くっ……うう
山犬の被り物からはみ出している赤毛はまさか!
この山犬二匹はファブリス兄さまとフリップ兄さま……もう懐かしさなど微塵も感じない。二人の兄は自分が下働きで苛められているのに助けてもくれなかった。
気が遠くなりかけると異物はもっと激しく抜き差しされ意識が戻される。
異物が蜜を滴らせて抜かれると、本物の肉棒が前からも後ろからも挿入されセラフィーヌの幼い躰を容赦なく貫いた。
……いやああああっ……!
余りの痛みと不可解な快感の波に呑まれ意識が飛びそうになる。
双子の兄達にまで……犯されて…
……オスカー兄さまだけのわたしだったのに……
「可愛い姫は僕のものだ」激しく突かれながら乳房を弄ばれる。この声はフリップ兄さま。「いや、姫君は僕のものだよ、ね?セラフィーヌ」後ろから突くのはファブリス兄さま。
兄が伸ばした指先で、クリトリスに何かを被せた。
いやあああああああああ!!
それはじんじんと花唇に刺激を与え続ける小道具だった。
それに加え淫唇にも指を這わす。
は、あ、はっ。はぅ。ん、んん……んぁ。あ、あ、ああ
前後から二人の兄たちに犯されるセラフィーヌは金髪を振り乱し悶え喘いだ。
そこへ三人の従者と共に、二本のねじれた角が生えた黒ヤギ面の男が割って入った。
早々に双子は脇へ退いた。
……あの夜の黒ヤギだわ……悪魔。
自分の上にのしかかってきた黒ヤギの男の指に光るダイヤの指輪が視界に入った。
黒ヤギは父だ!!
指輪で判別できた。
嫌!!嫌!それだけは嫌!!それはいやよ!
やめててええっ!!
セラフィーヌにとって実の兄妹は友でもあり自分を犯す男であるのも許容できた。
でも父は違う。
父はどこまでいっても父だった。
あの優しい、学者でもあったお父様が、こんな……こんな!
吐き気が込み上げる。実の娘を犯す父親!!
ここまで来て、ようやく背徳の本当の恐ろしさを知った。
気絶する寸前、
「お、おとうさま、なの? そうなの?おとうさま。もうやめて、たすけて、セラフィーヌは、なんでもします」
「何でもしてもらおう」
娘のピンク色に濡れた小さな唇に肉茎を突っ込み、「その可愛い舌で舐めるのだ。姫。そうだ。いいぞ。いいぞ!
褒めてつかわす!!ハハハハ」
「兄達とはよろしくやっていたというじゃないか!!わしはおまえを見る度に想像したものだ……もしも……と。ああ……いいぞ実にいい……おまえのここは最高だ」
う、うう。激しい嫌悪と屈辱に涙が滲んでくる。
でも、背けばエミリエンヌとイボンヌに殺される。私だけじゃないきっとオスカー兄さまも。
果てるまで口での奉仕を強要する残酷な父。
怒張したものを咥えさせたまま黒ヤギは腰を淫らに振った。
黒ヤギは横たわった自分の上にセラフィーヌを乗せて熱杭で秘貝を貫いた。激しく腰を振る。
セラフィーヌは前後にがくがく首を振った。
湿った金髪も一緒に揺れた。
左右からはまだ幼さの残る白い乳房に山犬が襲いかかって乳首を摘まんだり口に含んだり絶えず責めた。
いやあああああ……っ!!
セラフィーヌが散々嬲られるのを、暗闇の中でじっと待ち構えていたのだろう。
臭い匂いの男達が今か今かと自分の怒張した肉棒をしごきながら潜んでいた。
それは、遠くの村からやってきた農夫や商人だった。
ビルホード家の「収入」の一部はこの「見世物への招待」で賄われていのだ。
淫靡な夜は長く朝が明けてもセラフィーヌは次々と犯され続けた。
もう狂い始めた脳裏に浮かんだのは城の庭でみつけた丸屋根の四阿だった。
美しく咲いていた透き通る白い薔薇が夕日の加減で蒼く染まっていた。
――ー「あ、あああ。ああ、蒼い薔薇は、咲いた……の…」
少女の唇から零れそうになった言葉も農奴の男根が塞いだ。
完
10
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる