異世界レストラン ードラゴンパイの作り方ー

茜カナコ

文字の大きさ
19 / 48

19、闇コウモリの味噌田楽

しおりを挟む
「トワロ、闇コウモリって何処にいるの?」
朝葉が聞くと、トワロは答えた。

「森をすぎると砂漠があります」
「うん」
朝葉が頷くと、トワロは話し続けた。
「その砂漠の入り口にダンジョンがあって、その一階に闇コウモリはいます。」
「そっか、けっこう遠いんだね」

朝葉はカバンに簡単なお弁当を三人分詰めた。
そのときドアがノックされた。開けるとそこにはセリスがいた。
「おっす! 朝葉、トワロ」
「セリスさん」

「今日は何処に行くんだい?」
「ダンジョンの一階です」
「そうか、ダンジョンは初めてだな」
セリスがそう言うと、朝葉とトワロは頷いた。

三人は砂漠に向かって歩き出した。
砂漠までは特に強い魔物もいない。
順調に歩き続けて、昼過ぎには砂漠に着いた。

「ダンジョンに入ったら、お弁当にしよう」
朝葉がそう言うと、トワロとセリスは頷いた。
お弁当には味噌むすびが入っていた。
「お味噌、美味しいよ」
「いただきます」

「美味しい!」
セリスが言うと、トワロが続けて言った。
「複雑な味ですね。深みがある」
「でしょ、発酵食品美味しいよね」
朝葉が得意げに答えた。

「それでは、ダンジョンの奥に行きましょう。闇コウモリは暗いところを好みます」
「はい、トワロ」
朝葉は剣を手に、ダンジョンの奥に進んだ。
辺りが真っ暗になる。
「朝葉様、光の魔法で辺りを照らして下さい」

トワロがそう言うと、朝葉は戸惑いながら手をかざした。
「こうかな?」
そう言った瞬間、まばゆい光に闇コウモリが照らし出された。

「来た!!」
「行きましょう!!」
「うん!!」
トワロが剣で闇コウモリに斬り掛かる。
闇コウモリは一メートルほどの羽を羽ばたかせ、逃げてしまう。

「ここは私が!」
そう言って、セリスが銛を投げた。
命中した。
闇コウモリはあっけなく倒れた。

「それじゃ、解体、解体と」
朝葉が闇コウモリを光の魔法で照らしながら、解体し、その肉をカバンにしまった。
そして、三人はダンジョンを出た。

「あ、サボテンが生えてる! 美味しそう!」
朝葉は外の光に目を細めながら言った。
「サボテンもたべるのですか?」
「うん!」
トワロは疲れたように笑った。

三人はバンガローに戻った。
朝葉は手を洗ってから、闇コウモリを焼き、田楽味噌を塗って炙った。
そして、サボテンを多めの油で炒めて醤油をかけた。

「さあ、出来たよ!」
「いただきます」
トワロとセリスは、闇コウモリの味噌田楽を一口頬張った。
「あ、甘くてしょっぱくてクセになる味ですね」

「一杯、お酒が飲みたくなる味だな」
セリスがそう言うと朝葉は慌てた。
「私たちは未成年ですよ」

三人が舌鼓を打っていると、ドアを叩く音がした。
「失礼します」
「はい」
ドアの外には兵士が立っていた。
「女王さまからの伝言です。明日、レストランにおいでになりたいそうです」

「ええ!?」
朝葉は慌てた。
冷蔵庫を見ると食材は十分あった。

「レストランの様子を視察したいとのことです」
「わかりました」
朝葉はそう答えると、トワロに言った。
「いつもの料理をだせばいいんだよね?」
「はい、たぶん・・・・・・」

朝葉は緊張しながらも、明日の準備に取りかかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

Emerald

藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。 叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。 自分にとっては完全に新しい場所。 しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。 仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。 〜main cast〜 結城美咲(Yuki Misaki) 黒瀬 悠(Kurose Haruka) ※作中の地名、団体名は架空のものです。 ※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。 ※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。 ポリン先生の作品はこちら↓ https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911 https://www.comico.jp/challenge/comic/33031

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3) 「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

処理中です...