異世界レストラン ードラゴンパイの作り方ー

茜カナコ

文字の大きさ
23 / 48

23、ダイオウイカのフライ

しおりを挟む
「朝葉、また海に魔物が出たんだ」
朝、セリスが慌ててバンガローへ来た。
朝葉は着替えると、セリスに言った。

「セリスさん、大丈夫でしたか」
「ああ、今はまだ被害者は出ていない」
セリスはそう言うと、水を一杯もらって飲み干した。

「じゃあ、モンスター退治に行きましょうか」
朝葉は言った。
「お願いできるか?」
セリスがそう言った時、ドアがノックされた。
「おはようございます、トワロです」

「おはよう、トワロ。良いところに来たよ」
朝葉はにっこりと笑った。
「今日はどうしたんですか?」

「ダイオウイカが出たんだ」
セリスがトワロの問いかけに答えた。
「イカですか? じゃあ、フライが作れますね」
朝葉は目を輝かせて言った。

「それじゃ、早速倒しに行きましょう」
朝葉がそう言うと、セリスとトワロは頷いた。

バンガローを出て、海辺に向かう。
海辺の街はざわついていた。
ダイオウイカが現れて、漁に出られないと、漁師達が嘆いていた。

朝葉達は船を借り、漁師に案内を頼んだ。
そして、ダイオウイカの出るという領海に向かった。

「船の上はぐらぐらしますね」
朝葉がそう言うと、漁師は頷いた。
「気をつけろよ! 勇者殿」
その瞬間、船が大きく揺れた。

「ダイオウイカだ!」
セリスが叫んだ。
「行くよ!」
朝葉はそう言うと、船に向かってのびたダイオウイカの足を切り落とした。

ダイオウイカはまだ船に絡みついている。
セリスが海に潜り、銛でダイオウイカの急所を突いた。
ダイオウイカは暴れた後、静かになった。

「やったね、セリス」
「ああ」
ダイオウイカを船の上に引き揚げた。
5メートルはありそうだ。船の上はダイオウイカで一杯になった。

朝葉たちは漁師に言って、村に戻った。
朝葉は村に戻ると、ダイオウイカを解体した。
三人では持ちきれないほどのダイオウイカの身が取れた。

村人達は朝葉達に礼を言った。
「いいえ、当然のことです。お礼なんていりません」
朝葉達はそう言って、バンガローに帰っていった。

バンガローに戻ると、朝葉はダイオウイカの身を適当なサイズに切り分けた。
そして、身の多くは冷蔵庫にしまわれた。
「さて、フライにしよう」
朝葉はそう言うと、三人分のダイオウイカを一口大に切り分け、隠し包丁を入れた。
ダイオウイカに塩胡椒で下味をつけ、粉をはたき、熱い油にいれる。

じゅう、といい音がした。
「火は通しすぎないように気をつけないと」
そう言って朝葉は真ん中が少し柔らかい状態で、フライを油から上げた。

フライをお皿に盛り、お皿の隅に塩をもって、テーブルに並べる。
「いただきます」
三人はそう言って、揚げたてのダイオウイカのフライを食べた。
「ダイオウイカが甘くて美味しい」
「柔らかいですね」
「火加減、丁度良かったね」

三人はすぐに食べ終わってしまった。
「いつもありがとう、朝葉」
セリスがそう言うと、トワロも頷いた。
「いいって、ひとりで食べるより、三人で食べた方が美味しいし」
そう言って、朝葉は微笑んだ。

「残ったダイオウイカはどうしようかな?」
朝葉は一人、頭を悩ませていた。
騎士のレベル上げについては、また意識の外におかれていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話

カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 チートなんてない。 日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。 自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。 魔法?生活魔法しか使えませんけど。 物作り?こんな田舎で何ができるんだ。 狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。 そんな僕も15歳。成人の年になる。 何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。 こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。 になればいいと思っています。 皆様の感想。いただけたら嬉しいです。 面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。 よろしくお願いします! カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。 続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

Emerald

藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。 叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。 自分にとっては完全に新しい場所。 しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。 仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。 〜main cast〜 結城美咲(Yuki Misaki) 黒瀬 悠(Kurose Haruka) ※作中の地名、団体名は架空のものです。 ※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。 ※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。 ポリン先生の作品はこちら↓ https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911 https://www.comico.jp/challenge/comic/33031

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...