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49.お弁当作り
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「何をすればいいんだ?」
ポールはステラの手をぎゅっと握って、店の中に入ってきた。
「ポール君とステラちゃんはちょっと待っててね」
「いい匂い」
ステラは台所の方を覗いている。
「今、パンが焼けたからその香りかな?」
大翔は両手に厚い布を巻いて、オーブンからパンの入った鉄板を取り出す。食堂の机の上に鉄板ごとパンを置くと、金属ケースからパンを出して、木の板の上に置いて冷まし始めた。
「まだ熱いから、触らないでね」
大翔はポールとステラに声をかけると、パンを着るためのナイフを取り出した。
「ポール君、ステラちゃん、このレタスを一枚ずつ外して洗ってくれるかな? 洗ったレタスは水を切って、この布で拭いてからボールに入れてね」
大翔は水の入った大きなボールと、空のボールとレタスをポールに渡した。
「分かった」
俺は炊き終わったご飯を木の桶に移して粗熱を取っている。
「大翔、おむすびの中身は何にするんだ?」
「肉そぼろだよ」
大翔は大きなフライパンで肉そぼろを作っている。
「健、お漬物を切っておいてもらえる?」
「ああ、分かった」
俺はご飯をわきに避けて、調味液に漬けておいたニンジンを薄めの輪切りにした。
「レタス、洗い終わったぞ?」
ポールが大翔に声をかけた。
「ありがとう、ポール君。そうしたら、次はパンを切ってもらおうかな」
大翔は作り終わった肉そぼろを深めの鉢に移してから、パンの置いてある机に移動した。
「こんな感じに……このくらいの厚さで……」
大翔は説明しながらパンを切って見せた。
「できそう?」
大翔の問いかけにポールは頷いた。
ポールが切ったパンを見て、大翔はにっこりと笑って「上手だよ」と言った。
「私は何をすればいいの?」
「ちょっと見ててね。ステラちゃんは、こんな風に……切ったパンにバターを塗って、チーズとハムとレタスを乗せて、もう一枚のパンの内側にもバターを塗って挟んでくれるかな? 挟んだパンはこっちの板の上に並べておいてね」
大翔は笑顔でステラに説明しながら、サンドイッチを一つ作って見せた。
「うん、分かった」
ステラが一つサンドイッチを作り、大翔は出来上がりを確認して頷いた。
ステラとポールの作業を見ながら、大翔は気になるところを注意して、自分の仕事に戻った。
ポールとステラは、自分たちで作ったサンドイッチを作って売っていただけあって、一度やり方を覚えてしまえば、器用に仕事をこなしている。
「大翔、そろそろおむすびを作ってもいいか?」
俺が尋ねると大翔は頷いた。
「うん。僕が握るから、健はおむすびとお漬物を木の皮でつつんでくれるかな?」
「了解」
大翔と俺は時々ポールとステラの様子を見ながら、おむすびの包みを作った。
「パン、切り終わったぞ?」
ポールが大翔に言った。
「ありがとう。じゃあ、次はステラちゃんの作ったサンドイッチを木の皮で包んでもらえるかな? こんな風に二つに切って、並べて……包み方はこうやって……」
大翔はポールにサンドイッチの包み方を丁寧に説明した。
「分かった」
「出来上がったら、こっちの机の上に並べてね。出来上がったサンドイッチとおむすびをカバンに入れたら、市場に行くよ」
ポールとステラは頷いた。
俺たちはおむすびとサンドイッチを作り終えると、それをカバンに丁寧に詰め込んだ。
「じゃあ、市場に行くよ」
大翔は家の戸締りをしながら俺たちに声をかけた。肩にサンドイッチの入ったカバンをかけている。
「ああ」
俺はおむすびの入ったカバンを背負いながら、返事をしてポールとステラを見た。
ポールとステラは二人で一つのカバンを持ち、俺と大翔を見た。
「いっぱい売れるかな?」
ステラは楽しそうに言った。
「売れるといいね」
大翔が笑顔で答える。
俺たちは市場に向けて歩き出した。
ポールはステラの手をぎゅっと握って、店の中に入ってきた。
「ポール君とステラちゃんはちょっと待っててね」
「いい匂い」
ステラは台所の方を覗いている。
「今、パンが焼けたからその香りかな?」
大翔は両手に厚い布を巻いて、オーブンからパンの入った鉄板を取り出す。食堂の机の上に鉄板ごとパンを置くと、金属ケースからパンを出して、木の板の上に置いて冷まし始めた。
「まだ熱いから、触らないでね」
大翔はポールとステラに声をかけると、パンを着るためのナイフを取り出した。
「ポール君、ステラちゃん、このレタスを一枚ずつ外して洗ってくれるかな? 洗ったレタスは水を切って、この布で拭いてからボールに入れてね」
大翔は水の入った大きなボールと、空のボールとレタスをポールに渡した。
「分かった」
俺は炊き終わったご飯を木の桶に移して粗熱を取っている。
「大翔、おむすびの中身は何にするんだ?」
「肉そぼろだよ」
大翔は大きなフライパンで肉そぼろを作っている。
「健、お漬物を切っておいてもらえる?」
「ああ、分かった」
俺はご飯をわきに避けて、調味液に漬けておいたニンジンを薄めの輪切りにした。
「レタス、洗い終わったぞ?」
ポールが大翔に声をかけた。
「ありがとう、ポール君。そうしたら、次はパンを切ってもらおうかな」
大翔は作り終わった肉そぼろを深めの鉢に移してから、パンの置いてある机に移動した。
「こんな感じに……このくらいの厚さで……」
大翔は説明しながらパンを切って見せた。
「できそう?」
大翔の問いかけにポールは頷いた。
ポールが切ったパンを見て、大翔はにっこりと笑って「上手だよ」と言った。
「私は何をすればいいの?」
「ちょっと見ててね。ステラちゃんは、こんな風に……切ったパンにバターを塗って、チーズとハムとレタスを乗せて、もう一枚のパンの内側にもバターを塗って挟んでくれるかな? 挟んだパンはこっちの板の上に並べておいてね」
大翔は笑顔でステラに説明しながら、サンドイッチを一つ作って見せた。
「うん、分かった」
ステラが一つサンドイッチを作り、大翔は出来上がりを確認して頷いた。
ステラとポールの作業を見ながら、大翔は気になるところを注意して、自分の仕事に戻った。
ポールとステラは、自分たちで作ったサンドイッチを作って売っていただけあって、一度やり方を覚えてしまえば、器用に仕事をこなしている。
「大翔、そろそろおむすびを作ってもいいか?」
俺が尋ねると大翔は頷いた。
「うん。僕が握るから、健はおむすびとお漬物を木の皮でつつんでくれるかな?」
「了解」
大翔と俺は時々ポールとステラの様子を見ながら、おむすびの包みを作った。
「パン、切り終わったぞ?」
ポールが大翔に言った。
「ありがとう。じゃあ、次はステラちゃんの作ったサンドイッチを木の皮で包んでもらえるかな? こんな風に二つに切って、並べて……包み方はこうやって……」
大翔はポールにサンドイッチの包み方を丁寧に説明した。
「分かった」
「出来上がったら、こっちの机の上に並べてね。出来上がったサンドイッチとおむすびをカバンに入れたら、市場に行くよ」
ポールとステラは頷いた。
俺たちはおむすびとサンドイッチを作り終えると、それをカバンに丁寧に詰め込んだ。
「じゃあ、市場に行くよ」
大翔は家の戸締りをしながら俺たちに声をかけた。肩にサンドイッチの入ったカバンをかけている。
「ああ」
俺はおむすびの入ったカバンを背負いながら、返事をしてポールとステラを見た。
ポールとステラは二人で一つのカバンを持ち、俺と大翔を見た。
「いっぱい売れるかな?」
ステラは楽しそうに言った。
「売れるといいね」
大翔が笑顔で答える。
俺たちは市場に向けて歩き出した。
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