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第4章 取り戻した平穏
第37話 高速回転ティーカップ
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今度はナイトの要望で4人は"マッキー&マニースタジオ"へ向かった。マッキーワールドを代表するネズミのキャラクター"マッキー"と"マニー"と一緒に写真撮影出来るコーナーだ。
マッキー&マニースタジオの中に入ると、行列の奥に複数の扉がある。扉の奥に撮影部屋があるのだろう。
撮影部屋が複数あるおかげで回転率は非常に早い。無論、撮影部屋の中にはマッキーとマニーが1人ずつ、つまり建物全体の中に複数人のマッキーとマニーがいるのは言うまでもない。
一同の番が回って来たところで彼らは撮影部屋に入る。
そこは壁に可愛い背景が描かれた撮影スタジオとなっており、撮影場所には女性スタッフが1人、そしてマッキーとマニーが待ち受けていた。
「では次のお客様、こちらへどうぞー!」
スタッフの案内と共に一同は撮影場所に並ぶ。エーリッヒとナイトは前に、マティアスとハンニバルは子供達の後ろに立った。
そして、その両サイドにマッキーとマニーが立ち、可愛らしいポーズを取る。
「はい、皆さん笑顔になって! では撮りますよー!」
スタッフの掛け声と共に、一同はマッキーとマニーと一緒に撮影された。
写真はいくつか撮ってもらい、一番写りが良かった写真を4人分、スタッフから受け取る。
「また良い思い出が出来たぜ。ありがとな!」
写真撮影が終わると、ハンニバルが笑顔でマニーの頭をポンッと軽く叩いた。
これは彼なりのお礼のつもりだったのだが、マニーの着ぐるみの中の人に強い振動が走る。
「うげっ! た、叩くなよ……。壊れるだろ」
マニーは可愛らしい外見に似合わない野太い声をあげた。
着ぐるみの中の人がキャラクターに似合わない声で喋るという衝撃の出来事に、周りは驚いて凍り付く。
「ねぇ、今おっさんの声が聞こえなかった!?」
「ナイト君、マニーは女の子だからそんな声出さないよ! ……たぶん」
ナイトが笑いながら声をあげると、エーリッヒは焦った様子でマニーを庇う。
「あ、ありがとうございましたー! また来て下さいねー!」
スタッフは焦りと困惑の表情を見せたまま、一同を見送った。
この後、スタッフはマニーの中の人に「着ぐるみ着たまま喋っちゃ駄目でしょ!」と厳しく叱ったそうだ。
「あのマニーってネズミ、見かけに寄らずドスの効いた声を出してたな!」
「いや、あれは完全にお前のせいだろ。もう着ぐるみを叩くんじゃないぞ」
マティアスは苦笑いしながらハンニバルを注意するが、そんな彼も実は先ほどのマニーのハプニングを内心面白がっていた。
その後も一同はジェットコースターや"イッツ・ア・ラージワールド"といった様々なアトラクションを楽しんだ。
次に一同は"スピニングティーパーティー"へ向かっていく。
ティーカップの形をした乗り物のアトラクションで、乗り物の中央に設置されているハンドルを回すことで回転速度を上げることが出来る、別名“コーヒーカップ”とも呼ばれる絶叫マシンだ。
一同の番が回ってくると、4人は同じティーカップの中のベンチに座った。
「この乗り物はハンドルを速く回すほどスピードが増すんだったな? 思いっきり回してやろうぜ!」
「うん! 皆でいっぱい回そう!」
4人はハンドルを速く回す気マンマンだ。会場のスタートの合図の音と同時に、4人は中央のハンドルを精一杯回す。
マティアスとハンニバルのパワーもあって、4人の乗るティーカップはすぐに高速回転した。
他のティーカップがゆっくり回転しているのに対し、一同が乗るティーカップだけが異常な速度で回転している。
「なんと! 1つだけ凄い速度で回っていますねー! 何者なんだ、あいつらはー!?」
ティーカップ会場の係員が驚いた口調でアナウンスをする。
「ねぇ、これ以上回すと振り落とされちゃうよ! もっと速度下げよう!」
「そうだな。ハンニバル、速度を落とせ!」
「あぁ? ティーカップはスピードがあってこそ楽しめるもんだろ?」
ハンニバルは手を止める気が無かった。あまりの回転の速さにエーリッヒとナイトはティーカップにしがみつくのが精一杯の状態だ。
マティアスはハンドルを逆向きに回して速度を落とそうとするが既に遅く、ついにエーリッヒとナイトはティーカップの外に放り出されてしまった。
エーリッヒはティーカップ会場の近くにある湖へ転落し、ナイトはたまたま会場近くを歩いていたクマのキャラクター"ポー"の着ぐるみに激突してしまう。
エーリッヒが転落した湖からは体長7メートルもある巨大なワニが姿を現し、少しずつエーリッヒに近づいていく。
「うわあああああ!! マティアスさん、ハンニバルさん、助けてえええ!!」
巨大なワニを目の前にしたエーリッヒが泣きながら2人に助けを求めた。
その様子を見たマティアスとハンニバルは急いでティーカップから飛び出す。
「エーリッヒは私が助ける。ハンニバルはナイトを頼む!」
「分かったぜ。あっちは俺に任せろ!」
マティアスはエーリッヒの元へ、ハンニバルはナイトの元へ急いで向かった。
マティアスは湖に飛び込み、エーリッヒの元へ駆け寄る。
「エーリッヒ、もう大丈夫だ」
マティアスはエーリッヒの身体を掴み、地上に放り投げた。
「マティアスさん、ありがとう!」
エーリッヒは受け身を取れず転倒したが、マティアスに向かって大きな声でお礼を言った。
すると、巨大ワニはマティアスに向かって大きく口を開けながら襲い掛かって来る。
巨大ワニがマティアスに噛み付こうとしたその時、マティアスは素手で巨大ワニの口を受け止めた。
マティアスは巨大ワニの口を両手で受け止めながら、巨大ワニに数発の蹴りを食らわせる。
巨大ワニが悲鳴を上げ、噛む力を弱めた隙に、マティアスは巨大ワニの上下のアゴを両手で押さえつける。
そしてマティアスは巨大ワニのアゴを持ったままジャイアントスイングをかまし、巨大ワニを遠くの湖に投げ飛ばした。
マティアスが地上に上がると、エーリッヒが彼の元へ駆け寄って抱き着く。
「マティアスさん、無事で良かったよ! あんな大きなワニにも勝てるなんて、やっぱりマティアスさんは凄いね!」
「ありがとな。私もエーリッヒが無事で良かったよ」
マティアスは照れながら返事をし、エーリッヒを抱きしめた。
エーリッヒが無事だったことも嬉しいが、何よりもエーリッヒの可愛らしい姿が大好きでつい抱きしめたくなるマティアスであった。
その時、ハンニバル、ナイト、そしてクマのポーがマティアスとエーリッヒの元へ駆け寄ってきた。
「エーリッヒは無事のようだな。ナイトも特に怪我は無かったぜ。そこにいるクマがナイトを受け止めてくれたおかげでな!」
「ポーがオレを助けてくれたんだ。ポー、ありがとう!」
ナイトがポーにお礼を言うと、一同もポーに頭を下げる。ポーも「どういたしまして」と言っているかのような素振りを見せてくれた。
その後、ポーがプラカードに文字を書き始め、それを一同に見せた。そこには「休憩室を案内するから、しばらくそこで休んでいきなよ」と書いてある。
「全員怪我は無かったとはいえ、私とエーリッヒは服が濡れてしまったからな。少し休ませてもらおうか」
「僕はあのワニを思い出すと今も怖くて……。だから僕もちょっと休みたいな」
「そうか。お前らがそう言うなら、お言葉に甘えて休憩しようぜ」
「じゃあオレも休憩するー」
一同はポーの案内で休憩室へ向かって行くのであった。
マッキー&マニースタジオの中に入ると、行列の奥に複数の扉がある。扉の奥に撮影部屋があるのだろう。
撮影部屋が複数あるおかげで回転率は非常に早い。無論、撮影部屋の中にはマッキーとマニーが1人ずつ、つまり建物全体の中に複数人のマッキーとマニーがいるのは言うまでもない。
一同の番が回って来たところで彼らは撮影部屋に入る。
そこは壁に可愛い背景が描かれた撮影スタジオとなっており、撮影場所には女性スタッフが1人、そしてマッキーとマニーが待ち受けていた。
「では次のお客様、こちらへどうぞー!」
スタッフの案内と共に一同は撮影場所に並ぶ。エーリッヒとナイトは前に、マティアスとハンニバルは子供達の後ろに立った。
そして、その両サイドにマッキーとマニーが立ち、可愛らしいポーズを取る。
「はい、皆さん笑顔になって! では撮りますよー!」
スタッフの掛け声と共に、一同はマッキーとマニーと一緒に撮影された。
写真はいくつか撮ってもらい、一番写りが良かった写真を4人分、スタッフから受け取る。
「また良い思い出が出来たぜ。ありがとな!」
写真撮影が終わると、ハンニバルが笑顔でマニーの頭をポンッと軽く叩いた。
これは彼なりのお礼のつもりだったのだが、マニーの着ぐるみの中の人に強い振動が走る。
「うげっ! た、叩くなよ……。壊れるだろ」
マニーは可愛らしい外見に似合わない野太い声をあげた。
着ぐるみの中の人がキャラクターに似合わない声で喋るという衝撃の出来事に、周りは驚いて凍り付く。
「ねぇ、今おっさんの声が聞こえなかった!?」
「ナイト君、マニーは女の子だからそんな声出さないよ! ……たぶん」
ナイトが笑いながら声をあげると、エーリッヒは焦った様子でマニーを庇う。
「あ、ありがとうございましたー! また来て下さいねー!」
スタッフは焦りと困惑の表情を見せたまま、一同を見送った。
この後、スタッフはマニーの中の人に「着ぐるみ着たまま喋っちゃ駄目でしょ!」と厳しく叱ったそうだ。
「あのマニーってネズミ、見かけに寄らずドスの効いた声を出してたな!」
「いや、あれは完全にお前のせいだろ。もう着ぐるみを叩くんじゃないぞ」
マティアスは苦笑いしながらハンニバルを注意するが、そんな彼も実は先ほどのマニーのハプニングを内心面白がっていた。
その後も一同はジェットコースターや"イッツ・ア・ラージワールド"といった様々なアトラクションを楽しんだ。
次に一同は"スピニングティーパーティー"へ向かっていく。
ティーカップの形をした乗り物のアトラクションで、乗り物の中央に設置されているハンドルを回すことで回転速度を上げることが出来る、別名“コーヒーカップ”とも呼ばれる絶叫マシンだ。
一同の番が回ってくると、4人は同じティーカップの中のベンチに座った。
「この乗り物はハンドルを速く回すほどスピードが増すんだったな? 思いっきり回してやろうぜ!」
「うん! 皆でいっぱい回そう!」
4人はハンドルを速く回す気マンマンだ。会場のスタートの合図の音と同時に、4人は中央のハンドルを精一杯回す。
マティアスとハンニバルのパワーもあって、4人の乗るティーカップはすぐに高速回転した。
他のティーカップがゆっくり回転しているのに対し、一同が乗るティーカップだけが異常な速度で回転している。
「なんと! 1つだけ凄い速度で回っていますねー! 何者なんだ、あいつらはー!?」
ティーカップ会場の係員が驚いた口調でアナウンスをする。
「ねぇ、これ以上回すと振り落とされちゃうよ! もっと速度下げよう!」
「そうだな。ハンニバル、速度を落とせ!」
「あぁ? ティーカップはスピードがあってこそ楽しめるもんだろ?」
ハンニバルは手を止める気が無かった。あまりの回転の速さにエーリッヒとナイトはティーカップにしがみつくのが精一杯の状態だ。
マティアスはハンドルを逆向きに回して速度を落とそうとするが既に遅く、ついにエーリッヒとナイトはティーカップの外に放り出されてしまった。
エーリッヒはティーカップ会場の近くにある湖へ転落し、ナイトはたまたま会場近くを歩いていたクマのキャラクター"ポー"の着ぐるみに激突してしまう。
エーリッヒが転落した湖からは体長7メートルもある巨大なワニが姿を現し、少しずつエーリッヒに近づいていく。
「うわあああああ!! マティアスさん、ハンニバルさん、助けてえええ!!」
巨大なワニを目の前にしたエーリッヒが泣きながら2人に助けを求めた。
その様子を見たマティアスとハンニバルは急いでティーカップから飛び出す。
「エーリッヒは私が助ける。ハンニバルはナイトを頼む!」
「分かったぜ。あっちは俺に任せろ!」
マティアスはエーリッヒの元へ、ハンニバルはナイトの元へ急いで向かった。
マティアスは湖に飛び込み、エーリッヒの元へ駆け寄る。
「エーリッヒ、もう大丈夫だ」
マティアスはエーリッヒの身体を掴み、地上に放り投げた。
「マティアスさん、ありがとう!」
エーリッヒは受け身を取れず転倒したが、マティアスに向かって大きな声でお礼を言った。
すると、巨大ワニはマティアスに向かって大きく口を開けながら襲い掛かって来る。
巨大ワニがマティアスに噛み付こうとしたその時、マティアスは素手で巨大ワニの口を受け止めた。
マティアスは巨大ワニの口を両手で受け止めながら、巨大ワニに数発の蹴りを食らわせる。
巨大ワニが悲鳴を上げ、噛む力を弱めた隙に、マティアスは巨大ワニの上下のアゴを両手で押さえつける。
そしてマティアスは巨大ワニのアゴを持ったままジャイアントスイングをかまし、巨大ワニを遠くの湖に投げ飛ばした。
マティアスが地上に上がると、エーリッヒが彼の元へ駆け寄って抱き着く。
「マティアスさん、無事で良かったよ! あんな大きなワニにも勝てるなんて、やっぱりマティアスさんは凄いね!」
「ありがとな。私もエーリッヒが無事で良かったよ」
マティアスは照れながら返事をし、エーリッヒを抱きしめた。
エーリッヒが無事だったことも嬉しいが、何よりもエーリッヒの可愛らしい姿が大好きでつい抱きしめたくなるマティアスであった。
その時、ハンニバル、ナイト、そしてクマのポーがマティアスとエーリッヒの元へ駆け寄ってきた。
「エーリッヒは無事のようだな。ナイトも特に怪我は無かったぜ。そこにいるクマがナイトを受け止めてくれたおかげでな!」
「ポーがオレを助けてくれたんだ。ポー、ありがとう!」
ナイトがポーにお礼を言うと、一同もポーに頭を下げる。ポーも「どういたしまして」と言っているかのような素振りを見せてくれた。
その後、ポーがプラカードに文字を書き始め、それを一同に見せた。そこには「休憩室を案内するから、しばらくそこで休んでいきなよ」と書いてある。
「全員怪我は無かったとはいえ、私とエーリッヒは服が濡れてしまったからな。少し休ませてもらおうか」
「僕はあのワニを思い出すと今も怖くて……。だから僕もちょっと休みたいな」
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