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『 LOVE YOU!』1
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登場人物
亀卦川香 30才 在宅で翻訳家
旧姓 有海香
亀卦川康之38才 モデルで文筆家
有海綾子 57才 香の母親
石川恭子 36才 モデル仲間
垣本宏 38才 新聞記者
森田将生 38才 モデル仲間
原田美佐子 30才 モデル仲間
竹田祐 35才 モデル仲間
白鳥多恵子 29才 モデル仲間
小竹みさお 29才 意地悪な看護師
山波祐介 35才 医師
原口知世 45才 メイク+ヘアー担当
新垣佳子 37才 衣装+爪担当
倉本あやみ 22才 助手
緒方雅也 42才 メカニック
小野寺尊 34才
町田芙美 30才 香の元彼 カメラマン
神谷 司 35才
神谷雨汰 息子5才
神谷茉芽 娘 3才
神谷 麦 息子1才2か月
神谷由香子 32才前妻 死別(病死)
宗谷真知子 近所の主婦
美晴ちゃん 娘 3才児
吉田翔子 ヘルパーその1
門脇さゆり ヘルパーその2
平山麻子 30才 香の大学時代の友人
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
1.
香Side:
" 波紋 Ripple 1 "
夫が帰ってきた。
時計はAM4:43を指している。
普通の時間帯に帰宅しなくなってから幾日過ぎただろう。
記憶が曖昧だ。
それがいつからなのか。
そして平気で朝帰りをするようになったのは最近になってからだ。
玄関を入り、右手にある自分の部屋を通り、いつものように
彼はバスルームへと向かう。
帰宅して彼がつけたLEDオレンジ色の蛍光灯の中、私は彼の部屋の
対にある部屋から抜け出し、洗面所へと歩いて行った。
夫はいつものようにシャワーを浴びていた。
「お帰りなさい!」
私の小さな声はシャワーの音に混じり、シャワーの水音と共に
かき消されていった。
私は夫が浴室から出て着替え終わるまで部屋の前の廊下で待った。
洗った髪を拭きながら出て来た夫に再度お帰りなさいの言葉をかけた。
「ただいま・・ってまさか起きて待ってたとか?」
「ううん、早く寝たものだから、目が覚めちゃって」
「そっか、ならよかった。ンじゃぁ、俺寝るわ、もう瞼が
くっつきそうだ、ふぁぁ~」
眠そうに何度も欠伸をしながら夫は自分の部屋へと消えた。
そして夫は今日も昼過ぎまでたっぷりと眠りを貪るのだろう。
今日、モデルの仕事は入ってるのだろうか?
どちらにしても午後からだから、今から寝ても大丈夫なのだろう。
仕事柄比較的自由が許されるのだが、以前の夫はこうじゃなかった。
夕飯を私と共に摂り、その後はリビングでふたり過ごし同じ部屋で
寝ていた。
一体いつから私たちの生活はこんなふうになってしまったのだろう。
月の始めに帰りの遅い夫のことを寝ずに待ち、ほんとうは
もう少し早く帰ってほしいと言いたいところを抑え、『遅い日が
続いているようで身体が心配なの』と、やんわりと帰宅時間を
もう少し早くしてほしい旨、伝えていたのだけれど、こんな有様で
早くなるどころかまるで当てつけのように時計の針をどんどん進めて、
今では朝帰りになってる。
チャレンジャーだよねえ~。
亀卦川香 30才 在宅で翻訳家
旧姓 有海香
亀卦川康之38才 モデルで文筆家
有海綾子 57才 香の母親
石川恭子 36才 モデル仲間
垣本宏 38才 新聞記者
森田将生 38才 モデル仲間
原田美佐子 30才 モデル仲間
竹田祐 35才 モデル仲間
白鳥多恵子 29才 モデル仲間
小竹みさお 29才 意地悪な看護師
山波祐介 35才 医師
原口知世 45才 メイク+ヘアー担当
新垣佳子 37才 衣装+爪担当
倉本あやみ 22才 助手
緒方雅也 42才 メカニック
小野寺尊 34才
町田芙美 30才 香の元彼 カメラマン
神谷 司 35才
神谷雨汰 息子5才
神谷茉芽 娘 3才
神谷 麦 息子1才2か月
神谷由香子 32才前妻 死別(病死)
宗谷真知子 近所の主婦
美晴ちゃん 娘 3才児
吉田翔子 ヘルパーその1
門脇さゆり ヘルパーその2
平山麻子 30才 香の大学時代の友人
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
1.
香Side:
" 波紋 Ripple 1 "
夫が帰ってきた。
時計はAM4:43を指している。
普通の時間帯に帰宅しなくなってから幾日過ぎただろう。
記憶が曖昧だ。
それがいつからなのか。
そして平気で朝帰りをするようになったのは最近になってからだ。
玄関を入り、右手にある自分の部屋を通り、いつものように
彼はバスルームへと向かう。
帰宅して彼がつけたLEDオレンジ色の蛍光灯の中、私は彼の部屋の
対にある部屋から抜け出し、洗面所へと歩いて行った。
夫はいつものようにシャワーを浴びていた。
「お帰りなさい!」
私の小さな声はシャワーの音に混じり、シャワーの水音と共に
かき消されていった。
私は夫が浴室から出て着替え終わるまで部屋の前の廊下で待った。
洗った髪を拭きながら出て来た夫に再度お帰りなさいの言葉をかけた。
「ただいま・・ってまさか起きて待ってたとか?」
「ううん、早く寝たものだから、目が覚めちゃって」
「そっか、ならよかった。ンじゃぁ、俺寝るわ、もう瞼が
くっつきそうだ、ふぁぁ~」
眠そうに何度も欠伸をしながら夫は自分の部屋へと消えた。
そして夫は今日も昼過ぎまでたっぷりと眠りを貪るのだろう。
今日、モデルの仕事は入ってるのだろうか?
どちらにしても午後からだから、今から寝ても大丈夫なのだろう。
仕事柄比較的自由が許されるのだが、以前の夫はこうじゃなかった。
夕飯を私と共に摂り、その後はリビングでふたり過ごし同じ部屋で
寝ていた。
一体いつから私たちの生活はこんなふうになってしまったのだろう。
月の始めに帰りの遅い夫のことを寝ずに待ち、ほんとうは
もう少し早く帰ってほしいと言いたいところを抑え、『遅い日が
続いているようで身体が心配なの』と、やんわりと帰宅時間を
もう少し早くしてほしい旨、伝えていたのだけれど、こんな有様で
早くなるどころかまるで当てつけのように時計の針をどんどん進めて、
今では朝帰りになってる。
チャレンジャーだよねえ~。
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