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『♡ Kyoko Love ♡』33-2

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33-2.

 あたしだって今や、顔面力は上の下。

 しかし、奴らは上の中まで化粧でレベルupしているから
 あたしの負けなんだよ。

 負けてる試合に出たくないっちゅうのっ。

 周りから弾かれないよう、浮かないよう、3~4回に一回は
参加するが、苦痛でしかない。

 1対1ならまだしも、複数人でとなるとどうしたって比べられるの
だから。

 あたしがいることで彼女たちは絶対自分がブービーになることは
あっても、女子力の順位で最下位になることはなく、それでいつも
参加したくなくて何度も断ってるのに絶対あたしに声をかけてくるンだ。

さらに追い打ちをかけることに、最低なのは誘っておきながら
私をいつも置物扱い。誰も話の輪に誘ってくれやしない。

 ここの職場は、若い医師が4人、女性看護師があたしを入れて10人。
 需要と供給のバランスがすこぶる悪い。
 だから、水面下での彼女たちの暗躍振りはすざまじい。

 おそろしや。

 椅子に座り先生の来るのを今か今かと待っている風の彼女を
視界に入れながらカルテを見た。

 石川恭子と書いてある。
 生年月日を見て驚いた。
 とても37才には見えやしない。

 綺麗な人はいくつになってもお綺麗なのだ。

 先日も室内の隅で看護師たちのあたしに対する陰口を聞いた。
 『一生懸命エクステしてあのビジュアルだよぉ~、マジ受けるぅ~』

 思い出したら無性に腹が立ってきて、目の前の女が憎く思えて
ならなかった。

 
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