4 / 98
召喚と旅立ち
3.魔法が使えない魔法使い
しおりを挟む
「おぉ、やっとお主の姿が見えたぞ。だが……何とも頼りなさそうなおなごじゃのぅ」
「外見で人を判断してはいけないって、学校の先生に言われませんでしたか? ウフフ? 」
うん、これぞ小学生的な発言。
でも、女の子言葉は――まだちょっと恥ずかしい。キモいと思いながらもしばらくは演じるしかない。いわゆるネカマっぽいけど、そのうち慣れるでしょ。
“~ですわ”、“~かしら”、“~のよね”みたいな、あざとい表現さえ使わなければ、僕の尊厳は辛うじて保たれる、はず。
「ステータスが低いとな? 人類の平均値が1.00だから、その小さな身体なら低くて当然じゃろ。因みに、3が達人、5が超人レベルだと言われておる」
「それにしても、0.25とか――残念過ぎます」
「なに、儂の敏捷なんぞ0.15じゃぞ? 所詮、ステータスなんぞは単なる数字じゃ。強さの基準になるとは言え、1つの目安に過ぎん。大切なのは“スキル”じゃよ。あまり他人にべらべら言わぬ方が良いぞ」
「分かりました、気を付けます。あと、HPとかMPが見当たらないんですが」
「ん? HP? MP? 」
「簡単に言うと、生命力と魔力量ですね」
「そんなもん、あっても当てにならんわ。たとえ生命力が高くても、ハンマーで頭を砕かれたら即死するじゃろ? たとえ初級魔法でも、込める魔力量によって効果は変わるものじゃ。魔力残量が尽きれば気絶するし、足りなければ魔法は使えん。つまるところ、そもそも数字化できぬということじゃよ。
まぁ、その辺は徐々に慣れるんじゃな。数字として見れなくても気にならないというか、見えると油断してしまうものじゃ。見えん方が却って良いこともある」
「そういうものなんですね。あと、才能って何ですか? 」
「才能とは主に成長力じゃな。これも人類平均値は1.0だと言われとる。わしの知っている限りじゃと、下は0.5、上は1.5らしいぞ」
「えっ? 僕は3.0らしいです。才能だけは達人級ってことですかね? 」
「3.0じゃと? それは本当か!? それも召喚による奇跡なのじゃろうが、もしそれだけの数値があれば、1.0を超えた分は自分で好きなステータスに割り振れるようじゃから、ステータスを思い通りに伸ばせるのぅ」
「え、どゆことですか? 」
「まず、1ポイントはレベルアップまでの経験から自動的に割り振られるのじゃ。例えば、剣で魔物を倒し続けても魔法力は上がらん。細かい点は分からんが、魔物の攻撃を躱すと防御や敏捷が上がるらしい。因みに、剣の素振りや対人戦闘でもある程度上がるようじゃが、それは1ポイントの枠内で処理されるらしいから、特に鍛えたいステータスがあるなら修行すると良かろう。残りの2ポイントは自由に割り振ることができそうじゃな」
「何だか難しそうですが、要するに3ポイントのうち、1ポイントは自動で、残りの2ポイントは自由に割り振れると――なるほどなるほど。あと、魔法はどうやれば使えるんですか? 」
「お主、えっと……名前をまだ訊いとらんかったか。魔法もスキルなので、先天スキルで得ていなければ、修練により身に付けるしか――」
「スキルが無いと魔法が使えないってこと!? あ、リンネです……」
やらかした!
既に詰んじゃった予感がする――。
「リンネか。スキルはある意味かなり希少なんじゃ。普通は冒険者ギルドで魔法書を買ったり、魔法が内包された武器や魔道具を使うんじゃ」
「冒険者ギルド!? まさに異世界ファンタジーだ! 」
「ファンタジーと言うほどの物ではないが、冒険者ギルドはある程度の町や王都にはあるぞい。武器や防具、魔法書や基本的な道具の類いが売られとる。冒険者登録をして、該当クエストをある程度こなせば冒険者ランクが上がるという仕組みになっておる」
「なるほど――」
あれ? 落ち着け自分!
魔法書を買うために剣で戦う→剣で戦うから攻撃力しか伸びず、剣で魔物を倒さないといけないから攻撃力にステ振りする→魔法力伸びない→魔法書を手に入れても脳筋扱い――。
これ、いけないパターンじゃん!?
「スキルもお金も無い人が魔法職を目指すには……どうすれば? 」
「1年間くらいここで修練すれば覚えられるかもじゃが、覚える頃に世界があるかどうかが問題じゃのぅ」
あ~、完全に詰んでる。
とりあえずお金を稼いで近くのギルドで魔法書を買うしかないか。
「魔法書はいくらくらいで買えますか? 」
「1番安い魔法書で5000リルくらいじゃな。かなり珍しいが、迷宮の宝箱や魔物のドロップでも手に入ることもあるそうじゃ。儂は少なくとも売り物以外からは入手したことはないがのぅ」
宝箱! ドロップ!
そっちの方ががタダで良いね! 宝くじ大好き! 多分、当たったことないけど。
そうだ!
お金の単位と価値は確認しなきゃ!
「リルってのはお金の単位ですよね? 」
「そうじゃ、銅貨1枚が1リル、銀貨1枚は銅貨100枚分で100リル、金貨1枚は銀貨100枚分、銅貨1万枚分で10000リルじゃ。魔法書を買うなら銀貨50枚以上は必要じゃな。5000リルと言うと、ちょうど中古の家が1軒買えるくらいの値段じゃ。故に、この世界の人類には魔法が使える者は少ない。元々魔法スキルを持って産まれた者か、何年も修練を重ねた者か、もしくは魔法書を買えるだけの裕福な者くらいじゃ。だいたい1000人に1人くらいじゃろ」
中古の家――だいたい500万円くらいか。最も安い魔法書1冊が500万円とか、厳しいぞ魔法!
ちょっと待って!
5000リルを500万円くらいだとすると1リルはいくらになる? 1000円くらい?
じゃぁ、時給1000円のアルバイトを頑張ったとして、1時間1リルを5000時間だから――つまり、1日10時間労働を500日!? そんなの絶対に無理だよ!! 武器なんて使ったことないけど、結局はガチ戦闘をやるっきゃないのか!
「魔法書を手に入るまでは、とりあえず村の外で武器で頑張ってみます――」
「勇者リンネよ、お主に渡す物があったわい! 何よりまずはそのダボダボの服をどうにかしないとな! 召喚した者の当然の責務じゃ。武器や防具、旅に必要な物を渡すので儂に付いて来なされ」
「えっ!? あ、はい! 宜しくお願いします!! 」
「外見で人を判断してはいけないって、学校の先生に言われませんでしたか? ウフフ? 」
うん、これぞ小学生的な発言。
でも、女の子言葉は――まだちょっと恥ずかしい。キモいと思いながらもしばらくは演じるしかない。いわゆるネカマっぽいけど、そのうち慣れるでしょ。
“~ですわ”、“~かしら”、“~のよね”みたいな、あざとい表現さえ使わなければ、僕の尊厳は辛うじて保たれる、はず。
「ステータスが低いとな? 人類の平均値が1.00だから、その小さな身体なら低くて当然じゃろ。因みに、3が達人、5が超人レベルだと言われておる」
「それにしても、0.25とか――残念過ぎます」
「なに、儂の敏捷なんぞ0.15じゃぞ? 所詮、ステータスなんぞは単なる数字じゃ。強さの基準になるとは言え、1つの目安に過ぎん。大切なのは“スキル”じゃよ。あまり他人にべらべら言わぬ方が良いぞ」
「分かりました、気を付けます。あと、HPとかMPが見当たらないんですが」
「ん? HP? MP? 」
「簡単に言うと、生命力と魔力量ですね」
「そんなもん、あっても当てにならんわ。たとえ生命力が高くても、ハンマーで頭を砕かれたら即死するじゃろ? たとえ初級魔法でも、込める魔力量によって効果は変わるものじゃ。魔力残量が尽きれば気絶するし、足りなければ魔法は使えん。つまるところ、そもそも数字化できぬということじゃよ。
まぁ、その辺は徐々に慣れるんじゃな。数字として見れなくても気にならないというか、見えると油断してしまうものじゃ。見えん方が却って良いこともある」
「そういうものなんですね。あと、才能って何ですか? 」
「才能とは主に成長力じゃな。これも人類平均値は1.0だと言われとる。わしの知っている限りじゃと、下は0.5、上は1.5らしいぞ」
「えっ? 僕は3.0らしいです。才能だけは達人級ってことですかね? 」
「3.0じゃと? それは本当か!? それも召喚による奇跡なのじゃろうが、もしそれだけの数値があれば、1.0を超えた分は自分で好きなステータスに割り振れるようじゃから、ステータスを思い通りに伸ばせるのぅ」
「え、どゆことですか? 」
「まず、1ポイントはレベルアップまでの経験から自動的に割り振られるのじゃ。例えば、剣で魔物を倒し続けても魔法力は上がらん。細かい点は分からんが、魔物の攻撃を躱すと防御や敏捷が上がるらしい。因みに、剣の素振りや対人戦闘でもある程度上がるようじゃが、それは1ポイントの枠内で処理されるらしいから、特に鍛えたいステータスがあるなら修行すると良かろう。残りの2ポイントは自由に割り振ることができそうじゃな」
「何だか難しそうですが、要するに3ポイントのうち、1ポイントは自動で、残りの2ポイントは自由に割り振れると――なるほどなるほど。あと、魔法はどうやれば使えるんですか? 」
「お主、えっと……名前をまだ訊いとらんかったか。魔法もスキルなので、先天スキルで得ていなければ、修練により身に付けるしか――」
「スキルが無いと魔法が使えないってこと!? あ、リンネです……」
やらかした!
既に詰んじゃった予感がする――。
「リンネか。スキルはある意味かなり希少なんじゃ。普通は冒険者ギルドで魔法書を買ったり、魔法が内包された武器や魔道具を使うんじゃ」
「冒険者ギルド!? まさに異世界ファンタジーだ! 」
「ファンタジーと言うほどの物ではないが、冒険者ギルドはある程度の町や王都にはあるぞい。武器や防具、魔法書や基本的な道具の類いが売られとる。冒険者登録をして、該当クエストをある程度こなせば冒険者ランクが上がるという仕組みになっておる」
「なるほど――」
あれ? 落ち着け自分!
魔法書を買うために剣で戦う→剣で戦うから攻撃力しか伸びず、剣で魔物を倒さないといけないから攻撃力にステ振りする→魔法力伸びない→魔法書を手に入れても脳筋扱い――。
これ、いけないパターンじゃん!?
「スキルもお金も無い人が魔法職を目指すには……どうすれば? 」
「1年間くらいここで修練すれば覚えられるかもじゃが、覚える頃に世界があるかどうかが問題じゃのぅ」
あ~、完全に詰んでる。
とりあえずお金を稼いで近くのギルドで魔法書を買うしかないか。
「魔法書はいくらくらいで買えますか? 」
「1番安い魔法書で5000リルくらいじゃな。かなり珍しいが、迷宮の宝箱や魔物のドロップでも手に入ることもあるそうじゃ。儂は少なくとも売り物以外からは入手したことはないがのぅ」
宝箱! ドロップ!
そっちの方ががタダで良いね! 宝くじ大好き! 多分、当たったことないけど。
そうだ!
お金の単位と価値は確認しなきゃ!
「リルってのはお金の単位ですよね? 」
「そうじゃ、銅貨1枚が1リル、銀貨1枚は銅貨100枚分で100リル、金貨1枚は銀貨100枚分、銅貨1万枚分で10000リルじゃ。魔法書を買うなら銀貨50枚以上は必要じゃな。5000リルと言うと、ちょうど中古の家が1軒買えるくらいの値段じゃ。故に、この世界の人類には魔法が使える者は少ない。元々魔法スキルを持って産まれた者か、何年も修練を重ねた者か、もしくは魔法書を買えるだけの裕福な者くらいじゃ。だいたい1000人に1人くらいじゃろ」
中古の家――だいたい500万円くらいか。最も安い魔法書1冊が500万円とか、厳しいぞ魔法!
ちょっと待って!
5000リルを500万円くらいだとすると1リルはいくらになる? 1000円くらい?
じゃぁ、時給1000円のアルバイトを頑張ったとして、1時間1リルを5000時間だから――つまり、1日10時間労働を500日!? そんなの絶対に無理だよ!! 武器なんて使ったことないけど、結局はガチ戦闘をやるっきゃないのか!
「魔法書を手に入るまでは、とりあえず村の外で武器で頑張ってみます――」
「勇者リンネよ、お主に渡す物があったわい! 何よりまずはそのダボダボの服をどうにかしないとな! 召喚した者の当然の責務じゃ。武器や防具、旅に必要な物を渡すので儂に付いて来なされ」
「えっ!? あ、はい! 宜しくお願いします!! 」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
台風のよる、君ひそやかに、魔女高らかに
にしのくみすた
ファンタジー
【空を飛ぶ魔女たちの、もちもち百合ファンタジー・コメディ!】
台風の夜、魔女はホウキで空を翔け――嵐と戦う!
この街で台風と戦うのは、ホウキで飛ぶ魔女の仕事だ。
空を飛ぶ魔女に憧れながらも、魔法が使えない体質のため夢を諦めたモチコ。
台風の夜、嵐に襲われて絶体絶命のピンチに陥ったモチコを救ったのは、
誰よりも速く夜空を飛ぶ“疾風迅雷の魔女”ミライアだった。
ひょんな事からミライアの相方として飛ぶことになったモチコは、
先輩のミライアとともに何度も台風へ挑み、だんだんと成長していく。
ふたりの距離が少しずつ近づいていくなか、
ミライアがあやしい『実験』をしようと言い出して……?
史上最速で空を飛ぶことにこだわる変な先輩と、全く飛べない地味メガネの後輩。
ふたりは夜空に浮かんだホウキの上で、今夜も秘密の『実験』を続けていく――。
空を飛ぶ魔女たちの、もちもち百合ファンタジー・コメディ!
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる